パラリンピック2020への障壁(その1) スマホのバス予約サービス「バスもり」が身障者の利用を考慮してない件
パラリンピック2020を盛り上げようと
メディアは
汗を流すパラアスリートの特集
を、積極的に組んでいる。
それはいいんだけどね、
パラアスリートや応援に行きたい身障者が使うシステムが、身障者に親切な設計になっているか
というのは
忘れ去られている感
がある。
たとえば
長距離バス予約サービス
について、取り上げてみたい。
長距離移動の際にバスを使ったり、空港への移動にリムジンバスを使ったりすることは多い。
空港〜機内での話をすれば
大抵の航空会社は、身障者への介助は、申し出があれば行う
形になっている。近年、わたしが利用したエアラインは
・ANA(国内・国際 アジア・太平洋路線)
・JAL(国内・国際 アジア路線)
・Peach(国内)
・Cathay Pacific Airways(國泰航空有限公司: 国際 アジア路線)
・EVA Air(長榮航空: 国際 アジア路線)
・KLM(Koninklijke Luchtvaart Maatschappij: 国際 ヨーロッパ路線)
・UA(国際 太平洋路線)
だが、いずれも、出発空港カウンターから搭乗/降機、到着空港まで、フルにあるいは部分的にサポートしてくれた。国際便では
ヨーロッパ路線ではKLM(介助者と2人)
アジア路線ではCathay Pacific AirwaysとJAL(単身搭乗)
太平洋路線ではANA(介助者と2人)
のサービスが行きとどいていた。
では、
空港へアプローチするまでのリムジンバス
についてはどうか。
いつも
JR奈良から関空/伊丹空港へ行く
のだが、奈良発着の空港リムジンバスには複数の予約・購入方法がある。
1. 奈良交通のサービスカウンターに電話する
2. 奈良交通のサービスカウンターに直接行って購入する
3. インターネットで予約する
1と2については、予約・購入時に身障者料金が適用があり、乗車時に身障者手帳を確認する。
3なのだが、奈良交通は、
発車オーライネットで予約する
コンビニ予約「JTB HTAシステム」を使う
の他に、スマホユーザには
バスもり
の利用を推奨している。
さて、上記のうち、JTBのHTAについては、
身障者がコンビニでいろいろな操作をする必要がある
ので、省略。
コンビニでいろいろ操作する
は
健常者の使用が前提になっていて、身障者には非常に使いにくい
からだ。
オーライネットは
身障者の購入が可能
なシステムだ。
通常運賃の他に
身障者料金(大人/子ども)
が設定されている。素晴らしい。
ただ、
事前にコンビニで決済
する必要がある。単身の身障者は、わざわざ決済のために出かけるのが難しい場合もあるので、ちょっと使いにくい。
ところで、
スマホのバス予約サービス
として、推奨されている
バスもり
は、カード決済で購入までできるシステムなのだが、
身障者料金の設定
がない。つまり
身障者は利用できない
のである。
一方で、
学割料金での購入
は、一部指定の学校についてはできるようになっている。
学割料金が設定できるのなら、是非、身障者料金も設定できるように
して欲しいモノだ。
車いすや補助具ユーザの身障者にはバスの乗降はネックの一つだが、バスの乗降にさほど支障がない身障者にとっては
広く社会に出かける手段
として、
空港リムジンバスなどの長距離バスは便利な存在
である。身障者は
移動や口頭での連絡が苦手な場合が多い
ので、
電話を掛けたり、直接窓口に出かける事無く、手元のパソコンやスマホで予約・購入が出来る
のが、一番楽なのだが、残念ながら今はそうしたシステムがない。
JR奈良から空港リムジンバス
は
電話で予約
という
アナログな手段が一番面倒がない
状況である。ただ、
電話の応答には問題のある身障者もいる
わけで、すべての身障者が自由に使えるわけではない。FAX番号は予約画面に出ていないので、聴覚や口話に障碍がある人が予約する場合は、どうするのかな? 窓口で筆談?
スマホアプリ「バスもり」は
次期以降のバージョンアップで是非身障者料金への対応
をお願いしたい。
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