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2018-10-29

中国 独生子(一人っ子)政策の後遺症 「誰も子どもを躾けない」

最近、何人かの中国の友人から同じ質問をされた。
 どうして日本の小さい子ども達は、ちゃんと「きまり」を守れるのか
と。不思議に思いながら、
 小さい頃から、家や幼稚園や保育園で、ちゃんと躾けるからだよ。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんももちろんだけど、いけないことをしたら、周りの大人が叱るよ。
と答えると、一様に
 ああ、今、中国では誰も子どもを叱らない。叱る人がいない。
と、困りきった表情になった。
日本の子ども達だって、みんながみんな「きまり」を守っているわけではないが、大抵は
 大人の言うことを聞いて行動する
ことはできる。どうやら、中国の子ども達は
 大人の指示に従って行動する
のが、難しくなっているらしい。

人口抑制のために1979年から中国は
 独生子(一人っ子)政策
を推進したのだったが、
 独生子の弊害
もたくさん生まれた。1989年2月、万里の長城で見たのは
 宝物のように大事にされる独生子達
で、子ども達は、舐めるように育てられていた。とりわけ、
 男の子の双子
の親は得意げにしていた。社会主義国家中国であっても
 男の子が優先
されるのは、変わらなかった。男子尊重と独生子という社会的な「枠」との軋轢は
 どうしても男の子が欲しい家庭
では、女の子が生まれても戸籍に載せなかったりして、所謂「黒戸(無戸籍)」の子どもが発生する歪みを生んだ。

一方で、
 祖父母と父母の6人の大人に大事にされて育つ独生子

 小皇帝
と揶揄されるほど、好き勝手を許される存在になった。

その小皇帝たちも、上はもう40歳間近だ。

40年近く
 ちゃんとした躾をしない時代
が続いた結果、
 今の中国では「子どもを叱る人がいない」
という。もう小皇帝たちも、上の方は家庭を持っているのだが、
 叱られず、躾けられずに育てられた子どもが親になって、どう子どもを育てるのか
は、大変興味がある。
中国の若い人達に聞いて見ると、中国の現在の親達は
 躾をして、子どもの社会性を育む
よりも、一日中
 「いい点数を取りなさい」
と、競争に勝つことだけを口にすると言う。

躾は、子どもを社会化する大事な作業である。
躾ける側からすると
 躾は辛い作業
だ。それが身に付くまで繰り返し同じことを言わねばならない。
言われたことが子どもの身に付かない間は、親はひどく傷つく。
躾がともすると
 暴力を招く
結果になるのは、親が
 自分が傷つくのに耐えられない
からだ。
子育てで、自分が傷つくのが耐えられないようなら、到底躾など出来ないし、しない方がまだましだろう。
子育ては忍耐だ。
 子どもに嫌われる
のがイヤなら、躾などできやしない。よくいる
 甘いパパ
は、
 単に子どもに厳しいことを言って「嫌われる」のがイヤ
なだけだ。
 子どもを社会化する
という観点からは
 子どもを持ったことに責任を持たない、いい加減な態度
に見える。
 躾ける方も、自分の行動や言動を正さなければ躾などできない
わけで、
 親も子も共に成長する
のが、小さい子どもを躾ける過程だ。言行一致しない親が躾けようとしても、子どもはよく見ている。口だけ立派で、普段の態度がいい加減なら、子どもは
 大人はウソをついてもいい
と思い、そういう大人に育っていくだろう。

躾が一番面倒なのは
 1度決めた方針はぶれないようにすることが大事
な点である。これが、子どもが成長するまで続く。

「いい成績を取りなさい」と子どものお尻を叩く方が、よほど楽なのだ。
成績は、点数としてすぐに目に見える形になるからね。

少子高齢化が進む日本も、その内中国のように、
 誰が子どもを躾けるのか
が、問題となるかも知れない。

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