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2019-04-28

機械翻訳「みらい翻訳」試用版が凄い件

21世紀の研究者は
 グローバル化
のかけ声と共に、毎年のように
 国際学会・シンポジウムの開催や参加
がほぼ「義務付」けられるようになっている。
20世紀の恵まれた研究者には
 有能な秘書(書類等作成担当)
がいたり、研究室に
 優秀な留学生(下訳やネイティブチェック担当)
がいたりして、学会への参加申込、発表の題目・梗概・発表本文・スライド/ポスター作成などを手伝ってくれたのだが、昨今の
 大学への予算削減
によって、常勤研究者も研究室のスタッフは減り、非常勤の研究者は増加、それほど予算に恵まれない研究分野では
 ワンオペ研究室/者
の状況かと思う。こうなると、
 国際シンポジウム・学会の参加
においても、
 外国語のフォーマットに不馴れなまま応募
することになったりするわけだ。
 勝負は発表内容
だとしても、人文系では、その前のApplication作成は気が重いと感じる、普段はApplicationの要求する外国語で論文を書いていない研究者は結構いるかも知れない。
そんなあなたに
 救世主
の如く登場したのが
 みらい翻訳の試用版 である。
現段階では
 2000字以内の字数制限あり
だが、web上で
 日本語→英語、中国語
 英語、中国語→日本語
の翻訳が可能。
翻訳精度だが、プレスリリースによれば、英語は

機械翻訳サービス 和文英訳がプロ翻訳者レベルに、 英文和訳 TOEIC960 点レベルを達成 ビジネス文章?和文英訳能力がプロ翻訳者に並び、TOEIC960点日本人ビジネスマンを超える
英文和訳能力 TOEIC960点日本人ビジネスマンと同等レベルを達成

中国語は、

日中翻訳は、プロの翻訳者とバイリンガルビジネスマンの翻訳能力に到達 日中翻訳は、プロの翻訳者とバイリンガルビジネスマンの翻訳能力に到達

という実力とのこと。
実際に、日中翻訳を使ってみたが、
 実務文書の下訳としては十分な出来で、自分で手を入れて使えば大丈夫
というレベルだった。書類作成の一番のボトルネック

 下訳を作る時間が節約できる

のがいいんじゃないかな。もちろん

 手は入れないとダメ

だけど。

スライドやポスター作成の下訳にも使えると思う。

中国語は、ちょっと文章が長くなると、時々おかしな訳を吐き出すので、その辺りは要チェック。

研究者だけでなく、

 外国人との接触がある機関

でも試用してみるといいんじゃないかな。機関によってはネイティブがいないとか、いても実務文書作成には馴れてないとか、そうした問題がある場合は、是非お試しを。もし気に入ったら、製品版を買ってあげて下さい。

twitterには賛辞が。

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2019-04-24

『月刊住職』編集長が転勤族や移住者に喧嘩を売っている件

今朝の朝日新聞より。

(専門誌に聞け)寺と高齢化:4 「月刊住職」矢澤澄道編集長

墓を守る人がいなくなったなどを理由に、先祖代々の墓から遺骨を移す「墓じまい」をする人が増えています。でも故人は生前、そこに埋められることを望んでいたはずです。その遺志を無視する権利が誰にあるのでしょうか。安らかに眠っている先祖を動かすのは、極端な言い方をすれば「墓あばき」です。

えええええええええ!!!!!

ていうか

 先祖代々、同じ土地に縛られて生きている人って日本にどれだけいるの

って話。

地方から都市へ、都市から地方へ、人々が仕事を求めて、あるいは理想の生活を求めて、移動することで、それぞれの地域は活性化する。

実家の高祖父は、明治8年、岩手県黒沢尻から、北海道に移住した。移住前は檀那寺の檀家総代の一人で、弟が檀那寺まで行って聞いてきたところでは、経済的に逼迫して移住したわけではないそうだ。新天地を求めて北海道に渡ったようだ。

その時、札幌に岩手から伏見稲荷を勧請し、婿養子の曾祖父は札幌神社(現北海道神宮)の創立に関係、円山公園の石碑には名前が刻まれている。今の檀那寺では、総代の一人となり、当時の橘の御前様と上海に渡り、新たに作った地下式の納骨堂の上に立つ観音さまを将来してきた。(今はその上に祖母が寄進した覆い堂が建っている)
地下式の納骨堂は、個々のお骨を納める形式ではなく、納骨堂の上に開いた口に、骨壺からお骨を入れる形式で、イメージとしては散骨に近い。この納骨堂は、札幌は道外から来た人が亡くなる場所でもあるし、仏様の無縁有縁を問わず、希望する人が納骨できる場所として作ったものだ。実家では、亡くなった人はみな四十九日にこの納骨堂にお骨を納める決まりだ。家では、お骨は長い年月の後に融けて水になる、と伝えられている。曾祖父は、自分が東京から札幌に来たように、子孫が札幌から別な土地に行っても、先祖供養等で煩いの起きないようにと、この形式を取ったようだ。

納骨堂とは別に、お骨の入らないお墓は市営墓地にあって、こちらは近年、札幌に若い世代がいないので整理して市に返した。檀那寺には、位牌堂があり、そちらでもお祀りしているので、お墓がなくなっても特に問題ない。

従兄は、同じ檀那寺に位牌堂を持っていたのだが、八王子に家を建てたので、八王子の同じ宗派のお寺に移った。寺格からいうと札幌のお寺の方が上なので、八王子のお寺のご住職に

 え、あのお寺さんからうちに移されるんですか!?
といたく驚かれたと聞く。

いくらお寺の格が高かろうとも、普段お参りできないのでは意味は無い。

というわけで、『月刊住職』の編集長は

 出身地のお寺にお墓がある檀家という形態が「デフォルト」

という、大変狭い範囲の話を

 一般的な話に拡大して、今生きていて、自分がし得る供養を果たしたい人達が「引き墓」をするのを非難

しているわけだ。

ま〜、お寺の数も、ご住職の数も、平成が終わろうとしている今、減っているから、

 ご住職相手に雑誌を売る商売が立ちゆかなくなる

という「危機感」で、こんな暴言を平気で文字にしてるんだろうけど、

 モラハラだわ、一種のヘイトだわ

で、サイテーですね。

おまけ。吉田兼好『徒然草』第三十段末。

はては、嵐にむせびし松も千年をまたで薪にくだかれ、古き墳はすかれて田となりぬ。そのかただになくなりぬるぞ悲しき。

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2019-04-22

よりによって医療資源の限られる10連休のど真ん中に出産予定 AbemaTVの「蒼井そら出産当日アジア同時生中継」がよく分からない件 「予定帝王切開」をアジア同時生中継するのか!?→(追記)双胎ですよ……

(追記 4/23 10:09)

肝心なことを書き忘れていた。

 双胎の予定帝王切開

ですよ。多胎児というだけで母体の負担は大きいし、様々な危険を伴う確率も高くなるのだが、何だかな〜。

で、双胎だと赤ちゃんが小さく生まれる可能性があり、場合によっては

 1人または2人がNICUヘ

ということもあり得るのだけど、そもそも

 出産当日にNICUに「運良く」最大で2人分の空きがあるのかどうか

も謎だ。どこで出産するのか知りませんが

 首都圏でもNICUが足りない

ってことは充分ある。でもって

 4/30〜5/1
って

 10連休のど真ん中

で、そうでなくても

 医療資源が限られる時期

ではないか。赤ちゃんやおかあさんの状態によっては
 十分な医療が受けられるかどうかは「賭け」

になってくるわけなんですが。大体、TVクルー引き連れて緊急搬送されるなんてことはあり得ないし、そんなことしたら

 必要な医療行為を妨害

することになりかねないので、AbemaTVにおかれましては、取材方法を今の内に詳細に検討しておいた方が良いんじゃないの?
まあ、ともかく、蒼井そら氏とAbemaTVクルーは

 医療資源が乏しい10連休のど真ん中にNICU搬送や母体搬送の危険がある双胎の予定帝王切開の「当日アジア同時生中継」を敢行

することで、

 主治医以外の全国の産科医と新生児小児科医と医療スタッフとを敵に回す

のは確実なようですな……。てか

 敢行するまでもなく、TV取材付の「双胎の予定帝王切開」を予告

するだけで

 怒り心頭
の産科・新生児小児科関係者は少なくないと思われる。

(追記終わり)

 

将棋の対局を生中継するので、AbemaTVの将棋チャンネルだけは見るのだが、

 合間に入る番宣

がまあひどい。いま、盛んに流しているのはこれだ。

蒼井そら出産当日アジア同時生中継

4月30日(火) 22:00 〜 5月1日(水) 17:00

https://abema.tv/channels/special-plus-6/slots/B6gPLd4XbLFpST

全然意味分かんないんですけど。

ご本人のblog「今日のSOLA模様」4/12付記事より。

https://ameblo.jp/aoi-sola-official/entry-12453815454.html

 

出産当日の生中継は

出産シーンを生放送するわけでは無いと言うことを言っておきますね。

私は予定帝王切開の為

当たり前ですが手術中、

その場の放送はできません。(略)

今のところ51日が予定帝王切開になっているので

放送が430日の夜(仮)からになってます。

ただ、

その前に、陣痛や破水等が起きた場合には緊急帝王切開になるので

予定は変更され、急遽その日の放送になると聞いています。

なので、予定は未定です。

出産は命がけです。

もしかしたら、

これが私の最後の姿になるかもしれない。

子どもが、目に見える障害を持って生まれてくるかもしれない。

はたまた、死産や長く生きれない子かもしれない。

それを、踏まえてもこの密着をやる意味があると思っています。

私が見てほしいのは出産当日の生中継ではなく、密着していただいたこの3ヶ月間の私です。

だそうだ。

タイトルが惹起する誤解を拭い去って番組内容を推察するに、何も問題がない場合は病室から手術室へ行く所まで撮影して、帝王切開終了後に

 予定帝王切開で赤ちゃん産まれました〜! 妊娠中はこんなんで、帝王切開したらこんな子が生まれましたよ〜!

というのを

 アジア同時生中継

するってことですかね。で

 帝王切開術の間は「密着取材ビデオ」を流す

って構成?

 安産は結果論

であって、ご本人が懸念するとおりどのお産も

 無事に済むかどうかは分からない

訳で、その場合も配信して欲しい、というのがご希望のようだが、果たしてそんなことが可能なのかどうか。

で、謎なんだけど

 産科の主治医および予定帝王切開を行う医療スタッフの了解

は取れてるんでしょうな。また、

 取材によって病院や他の患者さん/産婦さんに負担や迷惑を掛けない
てのも徹底して頂きたいものですな。少なくとも、いつでもお産が始まったり、救急搬送(送り出しも受入も)の可能性がある

 普通の産科には普段取材なんて入ってない

訳なんで。

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2019-04-02

令和異聞 毎日新聞の整理部、やっちゃったな 「1〜2世紀の『文選』にも」って梁(502〜557)・昭明太子撰『文選』のこと?

なんか凄いモノを見た。

令和の出典、漢籍の影響か 1~2世紀の「文選」にも表現

https://mainichi.jp/articles/20190401/k00/00m/040/256000c 

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令和異聞 「令和」以外の候補は「英弘」「久化」「広至」「万和」「万保」@NHK

令和以外の候補について、NHKがすべてを特定。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190402/k10011870221000.html

新元号案 残る1つは「久化」 6案すべて判明

新元号の選定作業で、政府が示した6つの原案すべてが明らかになりました。新元号に決まった「令和」以外は、
▽「英弘(えいこう)」、
▽「久化(きゅうか)」、
▽「広至(こうし)」、
▽「万和(ばんな)」、
▽「万保(ばんぽう)」の5つの案でした。新元号の選定にあたって政府は、考案を委嘱した専門家から提出された候補名を、読みやすく、書きやすいなどの「元号選定手続」に定められた留意点に沿って絞り込み、1日、「元号に関する懇談会」などに6つの原案として示しました。

関係者によりますと、新元号に決まった「令和」以外の原案は、

▽「英弘」、
▽「久化」、
▽「広至」、
▽「万和」、
▽「万保」の5つの案でした。

「英弘」は日本の古典を、また「広至」は日本と中国の古典の両方を典拠、いわゆる出典にしているということです。

 

ええっと
 英弘→人名じゃんね。園田英弘先生、岡田英弘先生……。
 広至→同上、ヒロシっ!
 久化→すぐに字形から擬人化されそう
 万和→人和、地和、天和、ロンっ!!!
 万保→Oh! Mambo!!!!! Uh!
結果として一番マシだったのが
 令和
ってことですかい?

 

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令和異聞 安倍ちゃんの名前は1文字もないが、共産党志位和夫委員長の名前から1文字入っている件

おおおおお、この発想はなかったわ。
@araichuuさんのtweetより。

 

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令和異聞 朝日新聞年号担当(たぶん文化担当)記者の劣化が凄い件

朝日新聞もここまで来たか〜。

その感を否めないのは次の記事(有料公開)

令和典拠の万葉集序文、「中国の文章ふまえた」が定説

https://digital.asahi.com/articles/ASM4154Z4M41UTFK00Z.html?ref=tw_asahi

だ。

今回、わたしは当然ながら見てなかった(というか、普通中国学の専門家は引かない)のだが、

 大漢和

 令月

を引くと、

一、よい月。
[儀禮、士冠禮]令月吉日。
[張衡、歸田賦]仲春令月、時和氣清。
[孔子家語]頌曰、令月吉日、王始加元服。

とある。何故、国文学畑のヒトが、当然の出典の一つ晋・王羲之『蘭亭序』をすっ飛ばしていきなり後漢・張衡の『帰田賦』に行ったのかと思ったら

 『大漢和』を引いたから

だったのね〜。一つ賢くなりました。

ま、それはいいんだが、昨日の記事でも引いたように

 契沖の『万葉集代匠記』で、『蘭亭序』にも『帰田賦』にも言及

しているので、

 上に引用した朝日の「出典探し」記事

は、普通なら

 すでに契沖が『万葉集代匠記』で指摘しているように

とかいう言辞があってしかるべきなんですが、どうしてオミットしてるんですか、朝日新聞担当記者。

まさか

 契沖の『万葉集代匠記』は確認してない

とか、そういうオチじゃないでしょうな。

で、契沖の『万葉集代匠記』の件が抜けてるから、上記に引用した記事は

 それぞれの先生方の「個人的感想」に堕している

わけで、取材した先生方にも大変失礼な記事になっている。

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令和異聞 ラ行の文字は所謂「やまとことば」では語頭に立たないのが原則 ラ行がくるとしたら外来語からの借用語

さて、新元号は

 令和

に決まったのだが、

 日本出典

とか

 日本の伝統

とかが随分強調されているようだ。

出典『万葉集』で

 日本古来の〜

とかいう言辞があるようだけど決定的な問題は

 所謂「やまとことば」では、奈良時代においては、ラ行の文字は語頭に立たない原則

がある点だ。従って

 れいわ

と、ラ行で始まる言葉は

 出典が『万葉集』

だろうとなかろうと

 外来語を借用したものに間違いない

のである。ま、

 音の響きがいい

という意見が多いので、それでいいじゃんね。

ついでに言えば

 上代のやまとことばでは「濁音」も語頭に立たないのが原則

で、借用語が多くなるにつれて

 濁音が語頭に立つように変化していく

のだが、少なくとも

 『万葉集』の時代のやまとことばでは、ラ行も濁音も語頭に立たない

というのが国語史の常識であるとのことですよ。

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2019-04-01

新元号は「令和」出典は『万葉集』巻五「梅花謌卅二首并序」「于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。」→「令月」の出典は『儀礼』「風和」は晋・王羲之「蘭亭序」(さらに張衡「帰田賦」)

さて、新元号は
 令和
と決定。
出典は『万葉集』巻五「梅花謌卅二首序」で
 于時、初春月、気淑風、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
と菅官房長官が発表した。

さて

 出典は『万葉集』

 エヘン、日本古来の文学だよん

てことなんだけど、細かく見ていこう。

「令」を含む「令月」の出典は五経の一つ礼経の

 『儀礼』士冠礼

 令月吉日。

で、「和」を含む「風和」の出典は

 晋・王羲之「三日蘭亭詩序」の

 天朗気清、恵風和暢。
じゃないかな。てか

 「梅花謌卅二首并序」は漢文で書かれているので、必ず出典がある

わけで、元をざっと辿ったらこんな感じ。(12:05)


『万葉集』研究では

 「梅花謌卅二首序」は「蘭亭序」をなぞって書かれたもの

とされているので、特に不思議はない。(12:23)
さて、twitterでGEISTさんに教えて頂いたのだが、https://twitter.com/J_geiste/status/1112554095334825984

あと、契沖先生が張衡「帰田賦」の「於是仲春令月 時和気清」も出典じゃね?って言ってるな。こっちの方が「令」も「和」も入っててやばいw

とのこと。契沖『万葉集代匠記』の該当箇所Photo_1 を国会図書館デジタル化資料から拾ってきた。常用漢字に直しておきますね。

 于時、初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香ハ、張衡帰田賦云、於是仲春令月,時気清。蘭亭記云、是日也、天朗気清、恵風和暢。

ま、契沖先生の昔から

 出典は中国の古典

と認識されていたのでありますね。国会図書館デジタル化資料『万葉集代匠記』の該当箇所が含まれている部分は以下に。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/936703

NHKの報道はこちら。

新元号は「令和」 出典は「万葉集」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190401/k10011868721000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

続き(13:39)

すぐやる日本人。令和ちゃん爆誕。

https://twitter.com/pivsixvu773/status/1112561632620638208

更に続き(13:44)

今回の元号案の撰進者は、『万葉集』「梅花歌」で学士院会員とくると、ご専門は『万葉集』じゃないけれど和歌研究の

 久保田淳先生
と予想。対抗は日本漢文研究の

 揖斐高先生

でどうかしら。
更に更に続き(15:11)

毎日は、学士院会員じゃない中西進先生を推す。学士院縛りだとダメなんだけど

 梅花歌三十二首研究

っていえば、中西進先生だもんな。中国学は

 池田温先生

ではないか、と推測している。

https://mainichi.jp/articles/20190401/k00/00m/010/116000c

更に更に更に続き(21:23)

『蘭亭序』以外の出典。後漢・張衡の「帰田賦」の画像。

Photo_2 

『文選』巻十五 張衡『帰田賦』

於是、仲春令月,時気清。
李善注、儀礼曰、令月吉日。鄭玄曰、也。

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「長進」とか、こっそりある文字を元号に入れる方法

あと8時間ほどで
 新元号
が発表される。

 

で、巷間噂されているのは
 首相が自分の名前から一字取る説
だ。
具体的には
 安倍晋三のどれかの文字が入る
と言うのだ。
さてね。そこまで露骨に出来るかね。

もっとも、
 こっそり自分の名前を入れちゃうやり方
というのもある。
一番簡単でバレにくいのは
 同義の文字を入れる方法
だ。

中国語では、古くから、文字の説明に別な文字を使っている。

 A、B也

という説明の仕方をする。そうすると
 似た意味の文字列
が出来上がり、それぞれの文字は、ある意味については
 類似のものとして扱う
ことができる。
例えば、後漢の劉煕の作った字書『釈名』には
 晋、進也
という訓が見える。もし
 晋
は使わなくても
 進
が入っていれば、こっそり自分の名前を入れることに大成功。
ついでに
 出身地の「長州」の「長」
も入れて
 MTSH以外の頭文字
にするなら
 長進(Choshin)
で行けるじゃん!!!

さてどうなりますかね。(4:35)

「安」の代用なら、例えば『爾雅』釈詁下には、「安」を含む者は
 訖、徽、妥、懐、安、按、替、戻、底、廃、尼、定、曷、遏、止也。
 予、寧、綏、康、柔、安也。
 妥、安、坐也。
 貉、暯、安、定也。
がある。元号は常用漢字の範囲で選ぶのだが、この内で常用漢字は、
 妥、懐、替、戻、底、廃、尼、定、止、予、寧、康、柔
だから、これらも安の代わりに使える。
「三」は、漢数字の偽造を防ぐ大字の「参」があるよね。
「倍」は、「ふやす」という意味と「そむく」という意味がある文字だ。ちょっと使いにくいかもね。

もうひとつ
 人名の漢字
というなら、首相のパパは
 安倍晋太郎
だった。郎はジェンダーが何かと問題になる現在は、使いにくいだろう。ただ
 太
はイケるね。(6:04)

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