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2023-07-16

京都・老松「夏柑糖」チャレンジ 白杖突いて、札幌・旭川へハンドキャリー(後編)

新千歳空港からは
 エアポートライナーの指定席
で札幌へ向かう。新千歳駅の方が、キャリーケースは荷物置き場に置いてくださり、足元と両脇にトートバッグと保冷バッグという仕様で最後の1席に座る。
札幌駅にも連絡が行っていて、タクシー乗り場まで介助してくださった。
さて、タクシーなのだが、運転手さんが慣れてないらしく、全然車から降りてこない。
見かねた、後に並んでいたご夫婦が、荷物を積むのを手伝ってくださる。白杖を持っていると、片手が使えないので、荷物を積むのは結構難度が高い。何度も御礼を言って、行き先を告げた。
運転手さんは本当に札幌での営業を始めたばかりのようで、ホテルの名前や場所を言っても、全然わからない。
 地番は?
札幌のホテルに行くのに、地番まで聞かれたのは初めてですがな。しょうがないので、ホテルに電話したけど、やっぱり地番はわからなかった。そりゃそうよね。一筆だけの地面に建ってるわけじゃないだろうしね。なんとかホテル着。
安いプランだし、ビジネスタイプのホテルなので、ベルボーイはいない。さあ、今日の最終コーナー、ここで落っことす等をやらかすと、いままでの苦労が水の泡だ。
白杖突いて、リュック背負って、キャリーケースにトートバッグを乗っけて、保冷バッグを肩に掛けて、なんとか部屋にたどり着く。
お、結構大きめの冷蔵庫じゃん! ラッキー! 2個入り「夏柑糖」は無事に収まる。
では、18:30着と約束した、実家へGO!
途中、
 檀那寺の中央寺
に寄ったんだが、何じゃ、こりゃ!
 午後6時を過ぎると、山門も通用門も、お寺の門という門は全て閉めちゃっている
のね!!! 観音堂にお参りしようと思ってたのに。しょうがないので、観音堂脇の通用門の外から、『般若心経』一巻を誦す。我が家の先祖代々のみなさんはこの観音堂の下にある納骨堂に全員収まっている。

 

さて、実家到着。まずは
 1個入夏柑糖
を仏前にお供えする。亡き父が祀られているのだ。これから食事に出るので、火事になっても困るし、おあかしを点けるのを遠慮したのだが、弟が
 線香ぐらい上げてよ
というので、火の始末が大丈夫なら、と蝋燭を点け、一番短い線香を選び、『般若心経』一巻を誦す。
 いまお供えしたばかりでパパには悪いけど、この京都のお菓子、冷蔵庫に入れないといけないから、下げるね
と、すぐに冷蔵庫に仕舞ってもらった。その後、弟は冷蔵庫に夏柑糖が入っているのを忘れていたらしく、連絡したら、慌てて母と食べた由。まあ、美味しい内に食べてくれたのだからそれで良かった。
これで
 夏柑糖チャレンジ 第二幕終了
である。

 

さあ、問題は明日だ。

 

さて、7/10、まずは冷蔵庫で冷やしておいた夏柑糖に冷材も載せ、また保冷バッグに収めて、待ち合わせの約束の札幌駅へ。S先生が迎えに来てくださる。駅そばのサテライトでまず授業だが、その前にお土産の夏柑糖を差し上げる。喜んでくださった。
午後は、夏柑糖を持って、旭川へ。旭川でも授業2コマ。S先生の学科の皆様に差し上げようと2個にしたところ、1個はS先生が札幌のご自宅までまた持ち帰られるとのこと。長い旅でしたね、夏柑糖。もう1個は学科で召し上がってくださったようだ。良かった良かった。
これにて
 夏柑糖チャレンジは大団円
今シーズンほぼ最後の夏柑糖が、北海道まで旅をして、皆様に無事召し上がってもらえて、わたしも運んだ甲斐があるというものだ。

 

夏柑糖も、シーズン最後でなければ、普通に発送してくれるので、今回のような特別な事情でも無い限り、北海道でも取り寄せることができる。

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京都・老松「夏柑糖」チャレンジ 白杖突いて、札幌・旭川へハンドキャリー(前編)

夏柑糖は、京都の和菓子店 老松の看板商品の一つだ。
夏蜜柑の中身を綺麗に刳り抜き、夏蜜柑の寒天を詰め、夏蜜柑の形に戻してセロハンで包装されている。
 夏蜜柑が出始めてからと夏蜜柑が終わるまで
という、アバウトな販売期間なので、毎年販売終了直前の7月初めになるとドキドキする。
今年は、7/10まででおしまいだった。
老松

で。
今回、仕事で北海道に出張することになった。期間は7/9-11の3日間。札幌には実家がある。agodaでホテルを取ったら、実家のすぐ側にそこそこ値段の安いホテルが取れた。これなら、荷物をホテルに置いて、経路の途中にある檀那寺に軽くお参りをしてから、実家に顔を出せるというものだ。
老松は京都以外にはほとんど出店していない。

老松が出店しているJR京都伊勢丹に行くと、夏柑糖は店頭にあった!
 北海道に送りたいんですけど
すると
 店頭からの発送はもう終了しています
あらら。さすがに夏柑糖は1つが大きいので、白杖を突いて移動するわたしがハンドキャリーで北海道まで持参するのは難儀だ。
 今回は縁がなかったかなあ
と思いつつ、夏柑糖の後に展開する「晩柑糖」が出るとのこと、こちらはグレープフルーツの果汁を使う。
じゃ、満月の阿闍梨餅にしようか。
満月の売り場まで歩く。すると、満月には
 早くても北海道着は7/11過ぎになりますね
という返事をもらう。それじゃ間に合いませんがな。
もう一度、老松に足を運んで、「晩柑糖」の出荷日を聞くと、
 7/19です
との返事。さあ、困った。JR京都伊勢丹地下食品売り場を白杖を突きつつ、悩んでうろついていたが、時間もない。
もう一度老松に行き
 夏柑糖を3つ、1個入を1つと2個入1つお願いします
と告げた。ここからは老舗ならではの丁寧な梱包が始まる。
 熨斗紙はいかがいたしましょう
家は旧盆だが、新盆のシーズンでもあるので
 1個入をお盆の御供にするので内側に「御供」で
と依頼。名前も入るというのだが、家族同士で特に要らないのでそれはパス。見ると、店頭に熨斗紙を印刷できるプリンターが備え付けられており、大抵の要望はさばけるようになっていた。
老松の紙袋に2個入と1個入を上手に詰めてくれて、
 これは北海道にお持ちになるときに
と補助の冷材も入れてくれて、
 夏柑糖チャレンジ第一幕終了
だ。
帰宅後、冷蔵庫を空けて、出発まで冷やしておく。

さて、7/9は出発日。幸い雨も上がり、まずは
 JR奈良駅大阪空港行きリムジンバス乗車
が最初の難関。
 白杖+キャリーケース
で両手が塞がるわけで、そこに
 トートバッグ+夏柑糖の入った冷蔵対応バッグ
が加わる。ともかく、夏柑糖が壊れてしまっては話にならない。キャリーケースにトートバッグを載せ、背中に北海道の仕事で使う道具を詰め込んだリュックを背負い、夏柑糖の入ったバッグを肩に掛け、白杖片手に、なるべく平らで自転車等に遭遇しないルートでJR奈良駅に向かう。なんとか到着。
リムジンバスは、そこそこ混んでいたが、満員とまではいかず、席を確保して、夏柑糖の入ったバッグも隣の席に置けた。
お次は
 機内での保管場所確保
だ。今回は往復ともANAにお世話になる。
機内に
 壊れやすいもの
を持ち込んだ場合、お願いすると、機体後部に預かってもらえることがある。大昔、今は亡き父が
 ニュー王子ホテルのアップルパイ(ホール)
を持たせてくれたことがあった。その時も機内預りで支障なく京都に戻ってきた。夏柑糖は、壊れやすさからいうと似たようなものだろうから、ここはプロにお願いする。
 実は京都の壊れやすいお菓子を預かって頂きたいのですが
すると、パーサーの方が
 まあ! わざわざ京都までお菓子を買いに行かれたのですか
と驚いてらっしゃる。
 老松って言って、京都以外にはほとんどお店を出してないんです。夏の名物の「夏柑糖」ってお菓子は普段は配送してくださるんですが、今回はシーズン最後で配送できないということで、ハンドキャリーで北海道まで持っていくことになってしまって……
と説明すると、大変親切に保管の指示を出してくださった。
よし、新千歳空港までは万全の体制だ。介助してくださったANAのクルーの皆様、地上係員の皆様、新千歳駅でエアポートライナーに乗せてくださったJR北海道の皆様、ありがとうございました。

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