京都・老松「夏柑糖」チャレンジ 白杖突いて、札幌・旭川へハンドキャリー(前編)
夏柑糖は、京都の和菓子店 老松の看板商品の一つだ。
夏蜜柑の中身を綺麗に刳り抜き、夏蜜柑の寒天を詰め、夏蜜柑の形に戻してセロハンで包装されている。
夏蜜柑が出始めてからと夏蜜柑が終わるまで
という、アバウトな販売期間なので、毎年販売終了直前の7月初めになるとドキドキする。
今年は、7/10まででおしまいだった。
老松
で。
今回、仕事で北海道に出張することになった。期間は7/9-11の3日間。札幌には実家がある。agodaでホテルを取ったら、実家のすぐ側にそこそこ値段の安いホテルが取れた。これなら、荷物をホテルに置いて、経路の途中にある檀那寺に軽くお参りをしてから、実家に顔を出せるというものだ。
老松は京都以外にはほとんど出店していない。
老松が出店しているJR京都伊勢丹に行くと、夏柑糖は店頭にあった!
北海道に送りたいんですけど
すると
店頭からの発送はもう終了しています
あらら。さすがに夏柑糖は1つが大きいので、白杖を突いて移動するわたしがハンドキャリーで北海道まで持参するのは難儀だ。
今回は縁がなかったかなあ
と思いつつ、夏柑糖の後に展開する「晩柑糖」が出るとのこと、こちらはグレープフルーツの果汁を使う。
じゃ、満月の阿闍梨餅にしようか。
満月の売り場まで歩く。すると、満月には
早くても北海道着は7/11過ぎになりますね
という返事をもらう。それじゃ間に合いませんがな。
もう一度、老松に足を運んで、「晩柑糖」の出荷日を聞くと、
7/19です
との返事。さあ、困った。JR京都伊勢丹地下食品売り場を白杖を突きつつ、悩んでうろついていたが、時間もない。
もう一度老松に行き
夏柑糖を3つ、1個入を1つと2個入1つお願いします
と告げた。ここからは老舗ならではの丁寧な梱包が始まる。
熨斗紙はいかがいたしましょう
家は旧盆だが、新盆のシーズンでもあるので
1個入をお盆の御供にするので内側に「御供」で
と依頼。名前も入るというのだが、家族同士で特に要らないのでそれはパス。見ると、店頭に熨斗紙を印刷できるプリンターが備え付けられており、大抵の要望はさばけるようになっていた。
老松の紙袋に2個入と1個入を上手に詰めてくれて、
これは北海道にお持ちになるときに
と補助の冷材も入れてくれて、
夏柑糖チャレンジ第一幕終了
だ。
帰宅後、冷蔵庫を空けて、出発まで冷やしておく。
さて、7/9は出発日。幸い雨も上がり、まずは
JR奈良駅大阪空港行きリムジンバス乗車
が最初の難関。
白杖+キャリーケース
で両手が塞がるわけで、そこに
トートバッグ+夏柑糖の入った冷蔵対応バッグ
が加わる。ともかく、夏柑糖が壊れてしまっては話にならない。キャリーケースにトートバッグを載せ、背中に北海道の仕事で使う道具を詰め込んだリュックを背負い、夏柑糖の入ったバッグを肩に掛け、白杖片手に、なるべく平らで自転車等に遭遇しないルートでJR奈良駅に向かう。なんとか到着。
リムジンバスは、そこそこ混んでいたが、満員とまではいかず、席を確保して、夏柑糖の入ったバッグも隣の席に置けた。
お次は
機内での保管場所確保
だ。今回は往復ともANAにお世話になる。
機内に
壊れやすいもの
を持ち込んだ場合、お願いすると、機体後部に預かってもらえることがある。大昔、今は亡き父が
ニュー王子ホテルのアップルパイ(ホール)
を持たせてくれたことがあった。その時も機内預りで支障なく京都に戻ってきた。夏柑糖は、壊れやすさからいうと似たようなものだろうから、ここはプロにお願いする。
実は京都の壊れやすいお菓子を預かって頂きたいのですが
すると、パーサーの方が
まあ! わざわざ京都までお菓子を買いに行かれたのですか
と驚いてらっしゃる。
老松って言って、京都以外にはほとんどお店を出してないんです。夏の名物の「夏柑糖」ってお菓子は普段は配送してくださるんですが、今回はシーズン最後で配送できないということで、ハンドキャリーで北海道まで持っていくことになってしまって……
と説明すると、大変親切に保管の指示を出してくださった。
よし、新千歳空港までは万全の体制だ。介助してくださったANAのクルーの皆様、地上係員の皆様、新千歳駅でエアポートライナーに乗せてくださったJR北海道の皆様、ありがとうございました。
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