亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
また、行方不明の方が一刻も早く発見されますよう、願っています。
何故、北京周辺では11/2頃から荒天が予測され、中国国内のテレビ等でも注意を呼びかけていたのに、わざわざ交通が不便な方の万里の長城に出かけたのか、と思っていたら、
今回の万里の長城遭難事故のツアーを企画したのは、あのトムラウシ遭難事故のツアー会社
ということが判明した。
トムラウシの遭難事故についての初報はこちら。
2009-07-17 北海道大雪山系のトムラウシ・美瑛岳で合わせて10人遭難死 道外中高年登山ツアーの強行日程が悪天候を軽視か→トムラウシでは過去にも7月に凍死者
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/07/10-7-f99d.html
NHKより。
万里の長城遭難 日本人4人の名前
11月5日 11時16分
中国の河北省の万里の長城を訪れていた、日本人観光客4人を含む5人が大雪で遭難した事故で、4人は、東京・千代田区の旅行会社「アミューズトラベル」が企画したツアーに参加していました。
会社では5日午前、総務部の板垣純一課長が記者会見を行い、死亡、あるいは行方不明の3人について、埼玉県の渡辺邦子さん(68)、東京都の小川陽子さん(62)、福岡県の柳井俊一郎さん(76)であることを明らかにしました。もう1人の参加者の渡辺美世施さん(59)は無事だということです。
会社では、板井克己社長や社員らが、対策本部を立ち上げるために、5日朝、現地に向かったということです。
4人が参加していたのは、「世界遺産・万里の長城グレートウォール・100キロトレッキング」という、先月28日から今月5日までの9日間のツアーで、北京の郊外から長城の遺跡までおよそ100キロを歩く計画になっていました。
ツアーには、4人の日本人客以外に、中国人の添乗員1人とガイド1人が同行しており、遭難事故があった今月3日は、およそ5時間かけて万里の長城を14キロ歩く予定でしたが、午後から天候が急変し、身動きができなくなったということです。
会社では、このシーズンの北京市北部での平均的な気温を基に、薄手のセーターやフリースなどを参加者に用意させていたということですが、雪山に対応できるような装備は求めていなかったということです。
3年前に北海道の大雪山系のトムラウシ山で、ツアーガイドを含めた登山者9人が低体温症で死亡する遭難事故が起きたツアーも、この会社の企画で、会社は観光庁から51日間の業務停止命令を受けていました。
板垣課長は「トムラウシ山で起きた事故を受けて、社員研修を行うなどしてきたが、このような事態になり申し訳なく、深くおわびします。安全面の事前の想定が十分だったのかどうか、今後詳しく調べたい」と話していました。
このNHKの報道を見る限り
今回もガイドの判断ミスの可能性が大きい
と思われる。
天気図よりも「ツアー遂行」を重視した結果の悲劇
ではないか。
続報を待ちたい。
ところで、アミューズトラベルの今回の旅程だが、来年3月出発のツアーの内容がサイトに出ている。
万里の長城グレート・ウォール100kmトレッキング9日間
おすすめポイント
●万里の長城城壁の遺跡100kmを歩く
●民宿に宿泊し、現地の人達とふれあいます
●民宿から民宿へ荷物託送サビース
●15名限定少人数制
●紅葉の美しい時期に設定
旅行条件
ツアーコード C13507
旅行日数 9 日間
代金 298,000 円 ~ 325,000 円
出発日 2013年 03月 16日 (土)
歩行クラス(体力) 歩行クラスの詳細は次のリンクをご覧ください。詳しくはこちら
ツアーリーダー 同行致します (明銘)
※現地合流の場合あり
補 足
最少催行人数 8 名
限定人数 15 名
日程
1 各地より、空路北京へ。着後、故宫を見渡す景山公園散策します。
2 朝、専用車にて関上村駅へ。着後、有名な“V”字長城、密雲壁子路長城歩きます。「歩行15km約5時間半」
3 臥虎山長城から望楼の形の多様化の特徴をもつ金山嶺長城まで歩きます。「歩行15km約5時間半」
4 専用車にて蓮花池村登山口へ。着後、射撃用の穴があり、22の望楼が50メートル間隔で作られている慕田峪長城を楽しみます。「歩行15km約5時間半」
5 専用車にて謝字石村へ。着後、登山口の栗の園の中を登ります。川で分けられた万里の長城“水長城”まで目指します。「歩行11km約4時間」
6 いよいよ八達嶺を目指します。途中、雄大な峰々のパノラマが広がります。「歩行16km約8時間」
7 横嶺長城から観光客が訪れなく、静かに大地に存在している様邊長城経由大営盤長城まで歩きます。「歩行14km約5時間」
8 午前、鎮辺長城から登り、唐儿庵北溝峠を越えて、横嶺長城まで縦走します。午後、専用車にて、北京市内のホテルへ。「歩行16km約6時間」
9 空路、帰国の途へ。着後、解散。
宿泊施設
1 日目: 北京(ホ)泊
2 日目: 密雲(民)泊
3 日目: 密雲(民)泊
4 日目: 懐柔(民)泊
5 日目: 懐柔(民)泊
6 日目: 延慶(民)泊
7 日目: 延慶(民)泊
8 日目: 北京(ホ)泊
食事条件 朝食: 8 回 / 昼食: 7 回 / 夕食: 8 回
今回の遭難は
旅程の七日目
にあたる。キャッシュに今回の旅行の案内が残っていた。画像はこちら。
この旅程を見ると
ホテルではなく「民宿へ泊まる」予定
になっている。つまり
気象情報を得るにしても、参加者には無理だった可能性が高い
わけだ。ホテル泊なら、大抵
テレビ
は部屋にあるだろうから、少なくとも天気予報やニュースを目にすることはあるだろう。簡体字が読めなくても
気象の警報や警告
が出ていることは、自分でもキャッチ出来ただろう。要するに
気象情報等、トレッキングを実施するのに大事な情報を参加者は自分で得られない状況下
にあり、
トレッキングに向かうかどうかの気象条件を判断するのは、ガイドの任務
だった。果たして
ガイドが、登山に関する「最低の気象に関する知識」を持っていたかどうか
は、今の所謎だ。