日本は
少子高齢化社会が凄い勢いで進んでいる国
だ。当然
次代の日本の経済
のみならず
いまの「大人」が「老人」になる10〜30年後の「年金や介護」も担ってくれるはずの子ども達は「大人にとっての最後の頼みの綱」
の筈で、
大事にし過ぎて、し過ぎることはない存在
である。
ところがどっこい、
文科省は、子どもの浴びてイイ年間の放射線量基準を「いきなり20倍に引き上げ」
たので、あちこちで騒ぎが起きている。
端的なものは、これだった。4/29付朝日より。
小佐古参与が抗議の辞意 子供の被曝基準「容認できぬ」
2011年4月29日22時48分
内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(61)が29日、東京・永田町で記者会見を開き、参与を辞任する意向を表明した。小佐古氏は菅政権の福島第一原発事故対応について「法律や指針を軽視し、その場限りだ」と批判した。
小佐古氏は会見に先立って首相官邸を訪ね、今月30日付の辞表を提出した。
会見では特に、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判。「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と訴えた。「通常の放射線防護基準に近い年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」とも述べた。
また、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測が4月下旬までに2回しか公表されなかったことも批判。「今のやり方は、東京で数字をぼっと決めてやっている」と指摘し、政権の対応について「私がやってきたことからは外れているので、これ以上とどまっている理由はあまりない」と語った。
小佐古氏は放射線安全学などが専門で、東日本大震災発生後の3月16日、原発事故の助言を政権に求められて参与に就任した。菅直人首相は小佐古氏ら計6人の原子力専門家らを次々に内閣官房参与に任命した。
で、今日、
日本政府が弱い「ガイアツ」
として、こんな批判が出ている。共同より。
学校放射線基準は「安全でない」 ノーベル賞受賞の米医師団
福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。
PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。
声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。
2011/05/02 09:45
まだ、たぶん、政府は、知らん顔をするだろう。
もっとも、
海外からこうした声明が出る
のは
日本は世界に向けて「日本は放射線量の基準に関しては、20倍危険であることを政府が認めている国で、子どもや女性を経済的利益優先のため平気で見捨てる国」というメッセージを発信している
からに他ならない。
女性に関しては、東電が放射線量管理をきちんとやってなかったことが判明している。4/27付NHKより。
女性作業員 限度3倍の被ばく
4月27日 15時0分
東京電力福島第一原子力発電所で資材の管理などに当たっていた50代の女性社員が、国の規則で定められた女性作業員の被ばく限度の3倍を超える放射線に被ばくしていたことが分かりました。医師の診察の結果、健康への影響はないということです。
東京電力によりますと、限度を超える被ばくをしていたのは50代の女性社員で、事故が発生した先月11日以降、11日間にわたって福島第一原発の敷地内で、消防用の資材の管理や消防隊の案内などを担当していました。この間に受けた放射線量を計算した結果、国の規則で定められた女性作業員の3か月間の限度の3倍を超える17.55ミリシーベルトの被ばくをしていたことが分かったということです。このうち、体の表面からの被ばくはおよそ4ミリシーベルトで、体内に入り込んだ放射性物質から受ける放射線の50年分を1度に被ばくしたものとみなして計算する量が13.6ミリシーベルトと大半を占めていたということです。女性は防護服やマスクを脱ぐ際に放射性物質を吸い込んだとみられていますが、医師の診察の結果、健康への影響はないということです。今回の事故のあと、原発で作業に当たる人たちの被ばくの限度は250ミリシーベルトに引き上げられていますが、妊娠の可能性のある女性については、通常と同じ限度が適用され、3か月で5ミリシーベルトとされています。東京電力では、「女性の被ばく限度については分かっていたが、認識が甘く、空気中の放射性物質にまで考慮が至らなかった。判断ミスで反省している」と話しています。これについて経済産業省の原子力安全・保安院の西山英彦審議官は、「極めて遺憾だ。きょう東京電力に対して、まずは口頭で注意した。ほかの女性作業員も含めて被ばくの全体像を把握することや、なぜ限度を超えたのか原因を究明すること、それに再発防止策を策定することを今後、文書で指示する方向で考えている」と話しています。
そして昨日のNHKより。
女性の被ばく限度超え 2人に
5月1日 17時20分
東京電力福島第一原子力発電所で、40代の女性社員が、原発で働く女性の限度量の1.5倍に当たる被ばくをしていたことが分かりました。女性の被ばくが限度量を超えたのは、これで2人目です。
東京電力によりますと、福島第一原発で3月11日から15日まで勤務していた40代の女性社員の被ばく量を調べたところ、7.49ミリシーベルトでした。原発で働く人のうち、妊娠の可能性のある女性については、3か月で5ミリシーベルトという基準が設けられていて、今回の被ばく量は基準の1.5倍に当たります。被ばくのうち、体内に取り込まれた放射性物質による「内部被ばく」が6.71ミリシーベルトと大半を占め、東京電力は、女性が医務室に勤務していたことから、作業員の衣類などに付着していた放射性物質を吸い込んだのではないかとしています。女性の被ばくが限度量を超えたのが明らかになったのは、これで2人目です。また、福島第一原発では、仕事で放射線を浴びることはないとして被ばく量が管理されていなかった女性が4人いて、いずれも、一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる1ミリシーベルトを超え、最大で3.42ミリシーベルトに上ったということです。東京電力は「緊急時とはいえ、被ばくを抑えるための管理が不十分だった。3月23日以降、女性は福島第一原発では勤務させていない」としています。
いまだに
長期間微量の放射線を継続して浴びた場合の健康への影響についての信頼すべき疫学的調査
はないと聞いている。いまやってることは
福島を舞台にした「日本政府による人体実験」という批判
が出てるけど、そう言われてもしょうがない。
子どもの被曝量管理について、政府が言を左右にして
国民が納得するに足る科学的根拠を示さない理由
は、
年間1ミリシーベルトという国際基準を守るため
には
強制的集団疎開以外に根本的解決はない
が、そのことを誰も言い出せないからじゃないのか、と勘ぐりますがね、ええ。
ところで、
今、がんになってないからいいじゃん
的な楽観的解釈が政府内にあるとすればだ、当然
今から数十年以内に、不幸にして、長期的に微量の放射線を浴びたと確定できた人々に有意な疫学的変化が起きた場合
に
国がその方々の治療に関する費用を全面的に支える必要性
が出てくるだろう。
その場合の
社会的損失(医療費はもちろん、治療等によってその期間労働できなくなり、労働人口も減少する)をちゃんと政府は計算している
のだろうか? それとも
その時は、俺達はもう政権内にいないから、どうでもイイ
という
投げやりな態度で、現在の政策が決められている
のだろうか?
菅政権におかれましては
なぜ「20倍でも大丈夫なのか」を日本と世界に向けて「みんなが納得できるように説明する義務」
がある。ともかくも
20倍危険でも日本政府は大丈夫と認定
したってことは
20倍も危険な国には短期間でも行きたくない
と思う
外国人
いても、おかしくないだろう。てか、もし、日本以外の国で
日本の安全基準より20倍緩い基準がいきなり許容される
ようなことがあったら、
外務省の海外安全情報
で、警告が出るレベルじゃないのか。
ともかく
女子どもは守らない国日本
という定評ができつつあることを、日本政府はもう一度考えた方がイイ。そして、それは市民社会においては
実に卑怯な政策
と思われても、しょうがない。それとも
菅政権は、日本は民主主義の皮を被った「女子どもに基本的生存権を認めない国」と見られることを容認
するつもりなのだろうか?
自国の女子どもを守らない国
は、当然ながら
外国人の人権など守りっこない
と、考えられていることだろう。てか
現政権の人権意識に対する信頼は、世界的に地に墜ちている
ということを、菅ちゃんが全く考えてないだろうということは、今の様相を見れば、誰だって気がつくはずだ。そして、そのことを発信もしないマスメディアも同罪である。