2011-03-02

掲示板に「カンニングで大学受かった」と書いた自称おじさんがいる件→補足と訂正あり

産経によると、京大を始めとする入試での「Yahoo!知恵袋」カンニング事件は
 都内2高校生が関与 1人は外で中継 京都府警ほぼ特定
だそうだが、
(補足と訂正 19:34)
どうやら産経の記事はトバシだった模様。NHKの最新ニュース。


投稿関与疑い 東北の受験生と特定
3月2日 19時28分

大学入試の問題が試験中にインターネットの質問サイトに投稿された問題で、警察は、投稿に使われた携帯電話を契約した東北地方に住む京都大学の受験生を特定しました。警察は、この受験生が投稿に関わった疑いがあるとみて、今後、事情を聞くとともに、ほかにも関わっている者がいる可能性があるとみて調べています。
京都大学や同志社大学、早稲田大学、それに立教大学の入学試験の問題の一部が、試験中にインターネットの「ヤフー知恵袋」という質問投稿サイトに『解答を教えてほしい』と投稿されて回答が寄せられ、4つの大学は業務を妨害されたなどとして京都府警察本部と警視庁に被害を届け出ています。警察は、すべての投稿に使われたNTTドコモの携帯電話の契約者などについて捜査を進めていましたが、この携帯電話を契約した東北地方に住む京都大学の受験生を特定しました。警察は、この受験生が投稿に関わった疑いがあるとみて、今後、事情を聞くとともにほかにも関わっている者がいる可能性があるとみて捜査しています。また、警察は、今回の投稿が偽計業務妨害にあたるかどうかについて調べを進めることにしています。

(補足終わり)

掲示板でこんなことを言っている奴がいる。ネタならいいけどな。
【入試問題流出】 都内2高校生が関与 1人は外で中継  警視庁・京都府警が令状請求へスレッドより。青字でヘッダを表示しておく。


385 :名無しさん@十一周年:2011/03/02(水) 14:42:14.89 ID:XgTY9fsB0
カンニングばれたのかwwかわいそうにw
カンニングで某大学受かった俺勝ち組
まぁカンニングって言っても結局実力ないと受からんがね。

早速突っ込まれている。


402 :名無しさん@十一周年:2011/03/02(水) 14:43:18.07 ID:MzaEuXYb0
>>385
別件犯人いた
だれか、こいつの身元割って 

428 :名無しさん@十一周年:2011/03/02(水) 14:44:25.76 ID:XgTY9fsB0
>>402
ああもう遠く昔の話ですよ。
今はもうおじさんですorz

461 :名無しさん@十一周年:2011/03/02(水) 14:45:37.13 ID:MzaEuXYb0
>>428
ちなみに、カンニングして大学受かった人って
どんな職についてどんな役職ついてんの

517 :名無しさん@十一周年:2011/03/02(水) 14:47:51.27 ID:XgTY9fsB0
(略)
>>461
俺は大したとこじゃねーw
カンニング常習犯の友人は有名検索サイトGに努めてるが。

だそうで。もし、この話がネタじゃないのなら、
 随分前から、大学入試ではカンニングが出来た
ってことね。

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2009-10-09

Winny裁判 高裁は逆転無罪 NHK京都局の記者が弁護妨害(その3)朝日・読売も報道

NHK京都局記者の暴走について、今朝の朝日・読売も伝えている。
NHKの天敵朝日より。


ウィニー開発者側の主張、NHK記者が「的外れ」と手紙

2009年10月9日3時8分

 ファイル交換ソフト「ウィニー」の開発で著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪に問われ、8日の大阪高裁判決で逆転無罪とされた金子勇・元東京大大学院助手(39)の一審公判中、NHK京都放送局に勤務していた男性記者が、被告・弁護側の主張を「悪あがき」「的外れ」などと批判した手紙を元助手に送り、インタビューに応じるよう求めていたことがわかった。NHKは同日、「不適切だった」として弁護団に謝罪した。
 弁護団によると、手紙は05年2月に発送された。「(裁判で)負ける」「インタビューに出て世間に本音をさらすことで執行猶予がつくのは間違いありません」とも記述して取材の受諾を求めていた。

なるほど。
 一審公判中の2005年2月にこの非常識きわまりない弁護妨害の手紙を出した
ってことね。2005年2月といえば
 直前の1月25日に辞任した海老沢前会長の専横がNHKを混迷に陥らせていた真っ最中
である。エビちゃんは辞めたけど、そう簡単にNHKの混迷は収まらない。2005年2月当時の拙blogから、NHK関連の記事を一部だけ拾ってみたけど、こんなにあった。
2005-02-01 2003年度のNHKタクシー券は総額43億円、顧問料は年間一人1000万円超
2005-02-02 2003年度のNHKタクシー券は総額43億円、顧問料は年間一人1000万円超 (その2)囁かれる悪評
2005-02-02 2003年度のNHKタクシー券は総額43億円、顧問料は年間一人1000万円超 (その3)更に続く悪評
2005-02-10 何があった、バンコク支局@NHK (その2)やはり不正経理
2005-02-12 NHK、ラグビー日本選手権の放映を「朝日新聞」がらみで深夜枠移動の嫌がらせ、抗議殺到で生放送に戻す
2005-02-12 NHK、ラグビー日本選手権の放映を「朝日新聞」がらみで深夜枠移動の嫌がらせ、抗議殺到で生放送に戻す (その2)2011年ラグビーW杯招聘と国会議員の関係
2005-02-14 NHK、ラグビー日本選手権の放映を「朝日新聞」がらみで深夜枠移動の嫌がらせ、抗議殺到で生放送に戻す (その3)ラグビー協会とNHKに電話したヒトがいた
2005-02-16 NHK海老沢前会長、平成15年度に六億円も大相撲の放送権料アップ、横綱審議委員長狙い?@2/16
2005-02-16 NHKの出田理事と諸星理事、ラグビー放映問題を反省する
2005-02-24 みなさまの受信料はNHK職員(主にPD)の結婚披露宴ビデオ作りにも使われております
2005-02-24 みなさまの受信料はNHK職員(主にPD)の結婚披露宴ビデオ作りにも使われております (その2) その昔、タクシー券やビール券はバイトにもタダでくれた

「従軍慰安婦番組改変問題」で、天敵朝日とは抗争の真っ最中、エビちゃん長期政権下の腐敗が極まり、NHK職員の勘違い度もMAXの頃だ。

ところで、上記記事で
 「みなさまの受信料」を相撲協会につぎ込んで、横綱審議委員長狙いか
と予想されていたエビちゃんは、その後めでたく2007年1月、横綱審議委員長になった。昨年末で退任している。
 「みなさまの受信料」で「横綱審議委員長」の座を射止めた
ってことでしたね。
で、このエビちゃんの盟友、ナベツネ率いる読売も、なぜかこの
 NHK京都局記者による弁護妨害
を報道している。今朝の読売より。


「無罪主張悪あがき」NHK記者、ウィニー開発者に

 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発し、著作権法違反に問われ、8日の大阪高裁判決で逆転無罪となった元東京大大学院助手に対し、NHKの記者が「無罪主張は悪あがき」などとした上でインタビューを要請する手紙を出していたことが明らかになった。
 NHKは同日、弁護団に「不適切な内容だった」と謝罪した。
 弁護団事務局長の壇俊光弁護士によると、手紙は1審公判中の2005年、当時、NHK京都放送局に勤務していた20代の記者から送られた。内容は、「弁護側が的外れな見解を繰り返している」と弁護方針を批判した上、「インタビューに応じて動機を正直に話せば、世間の納得は得られる」と求めていた。壇弁護士は6日付の自身のブログでこの経緯を明らかにし、「露骨な弁護妨害」と批判した。
 記者は、別の部署に異動しているため、現在の上司が弁護団に対して謝罪に訪れたという。

(2009年10月9日03時04分 読売新聞)

ほお、予想通り
 現在は別の部署に異動
ですか。どこに異動したのかな?

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2009-10-08

Winny裁判 高裁は逆転無罪 NHK京都局の記者が弁護妨害(その2)NHKが弁護団に謝罪

NHK京都放送局の記者が、Winny裁判一審公判中の段階で、
 被告の金子勇氏に対し、弁護妨害を行った
件について、NHKが弁護団に謝罪した。
J-castより。


ウィニー裁判で記者が「弁護妨害」 NHKが弁護団に謝罪

2009年10月8日(木)18時47分配信 J-CASTニュース

ファイル交換ソフト「ウィニー」を開発し、著作権法違反幇助の罪に問われていた元東京大学大学院助手の金子勇被告(39)の控訴審判決で、1審の有罪判決が覆り、無罪判決が下った。金子被告側は、1審の段階から一貫して無罪を主張しており、やっとこれが認められた形だ。ところが、1審の段階で、NHKの記者が金子被告に対して「無罪を主張する限り、減刑の余地はない」などとして、同局のインタビューで、無罪主張を覆した上で犯行動機を明らかにするように求めていたことが、弁護団メンバーのブログで明らかになった。弁護側は「露骨な弁護妨害」と憤っており、NHKは弁護団に謝罪した。取材する側の倫理が、改めて問われることになりそうだ。

弁護団事務局長が自身のブログで明かす

2009年10月8日に大阪高裁で開かれた控訴審判決(小倉正三裁判長)では、罰金150万円(求刑懲役1年)の1審京都地裁の判決を破棄し、金子被告に対して無罪を言い渡した。今回の事件は、群馬県高崎市の男ら2人が、ウィニーを使って映画をネット上に無許可で公開した容疑で逮捕されたことがきっかけだ。金子被告は04年5月、ウィニーを開発・改良して2人の犯行を助けたとして著作権法違反幇助の容疑で逮捕・起訴された。金子被告側は、起訴事実を全面的に否認して争ったが、1審では
「著作権者の利益が侵害されることを認識しながらウィニーの提供を続けていた」
などとして06年12月に有罪判決が下った。検察・弁護側の双方が、判決を不服として控訴。控訴審では、検察側は「1審判決は刑が軽すぎる」と主張する一方、弁護側は1審同様、無罪か控訴棄却とするように求めた。控訴審判決では、弁護側の主張が、ほぼ全面的に認められた形だ。
意外なことに、この判決の2日前の09年10月6日、関係者から「法廷外の戦い」があったことが明かされていた。同日、金子被告の弁護団で事務局長を務める壇俊光弁護士が、自身のブログに「ブログとメディアと」というタイトルで綴ったものだ。ブログでは、04年9月の1審初公判から公判を何回か経た後、NHK京都支局の記者が金子被告に宛てた手紙を、壇弁護士が金子被告から受け取ったとして、その内容が紹介されている。

NHKのインタビューに応じれば、世論を味方にできる

手紙の趣旨は、
「結論から申しまして、公判の途中ですが、近々にNHKのインタビューに応じていただけないでしょうか」
と、取材を申し込むためのものなのだが、その取材趣旨が異例のものだ。文面では、
「現に裁判では、弁護側がいわば的外れな見解を繰り返している間に、検察側は着々と犯罪事実の立証に足る、最低限の条件をクリアしていっています」
と、弁護側の方針を批判し、検察側が有利に公判を進めていると分析。さらにこう持ちかける。
「NHKのインタビューに応じて、その行動にいたった動機を正直に話せば、世間の納得は得られるはずです。仮に有罪判決になってもインタビューに出て世間に本音をさらしたことで執行猶予がつくのは間違いありません。逆に無罪を主張し続ける限り、減刑の余地はなく、実刑になる可能性も否定できません」
いわば「このまま無罪を主張すると実刑になるリスクが高い。だが、ここでNHKのインタビューに応じて犯行動機を話せば、世論を味方にできる。執行猶予も狙える」と決めつけて取材を申し込んでいるということだ。
これに対して、壇弁護士は
「天下のNHKがこれほど露骨な弁護妨害をしてくるとは思わなかった」
と憤る一方、
「しかも、この記者は、地裁判決後の記者会見で、何食わぬ顔で最前列に構えていた」
と、記者の図々しさに嘆息している。

NHK広報局では、ブログで指摘されている手紙については
「金子氏の1審の裁判中に、当時の京都放送局の記者が金子氏に対し、弁護士のブログで紹介されている内容の手紙を送ったことは事実です」
と、その存在を認めた
上で、取材手法の妥当性については
「記者が手紙を書いた意図は、著作権などの問題について金子氏に直接取材するためでしたが、弁護活動などに触れた部分は取材活動として不適切でした。弁護団にはNHKとして既にお詫びし、金子氏ご本人にもお伝えいただくようお願いしました」
としている。

ほお、NHKにしては
 反応が素早い
ではないか。さすがに
 弁護妨害に当たるから、これはマズイ
と判断したのだろうな。

さて、今後この記者はどうなるかというと、
 協会双六の常
からすると
 広報に公式に謝罪させた
という点で、大減点ってことになる。もっとも
 別な要素
も、NHKの出世双六では重要だからどうなりますかね。この辺りは
 協会内の権力闘争の具合
でいくらでも変わってくるからな。
次の赴任地が楽しみだ。

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Winny裁判 高裁は逆転無罪 NHK京都局の記者が弁護妨害 一審公判中に「弁護側は的外れでお前は間違いなく有罪になるだろうが、NHKに出して世間の同情を集めさせてやるから、単独インタビューに応じろ」→NHK京都管内の方、担当記者の名前をご存じだったらご教示下さい

47氏こと金子勇氏がWinnyを開発した廉で、
 著作権違反に問えるかどうか
が争われていた裁判の第二審で
 逆転無罪判決
がいいわたされた。ここは続くトンデモ事件と繋ぐ意味でも
 NHKニュース
より。


「ウィニー」開発者 逆転無罪

10月8日 12時37分
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発した東京大学大学院の元助手が、映画などの違法コピーを手助けした罪に問われた2審の裁判で、大阪高等裁判所は「元助手がソフトの悪用を勧めたとまでは言えない」として1審の有罪判決を取り消し、逆転で無罪を言い渡しました。
東京大学大学院の元助手、金子勇被告(39)は、ファイル交換ソフト「Winny」を開発し、ホームページで公開したことが、映画やゲームソフトの違法コピーを手助けしたことにあたるとして、著作権法違反のほう助の罪に問われました。金子元助手は「ソフトの悪用を開発者の責任にされたのでは技術開発ができなくなる」などと無罪を主張しましたが、1審の京都地方裁判所は3年前、罰金150万円の有罪を言い渡していました。8日の2審の判決で、大阪高等裁判所の小倉正三裁判長は「コンピューターソフトの提供が罪に問われるのは、違法な使用を積極的に勧めたような場合に限られる。金子元助手はソフトが悪用される可能性は認識していたが、悪用を勧めたとまでは言えない」として、1審の有罪判決を取り消し、逆転で無罪を言い渡しました。この事件をめぐっては「コンピューターソフトの開発者は悪用された場合の影響まで考える責任がある」といった意見がある一方、「どのような場合に罪に問われるのか基準があいまいで技術開発が萎縮(いしゅく)しかねない」といった声も上がっていました。無罪の判決を受けた金子元助手は会見で「事実を正確に認識した、いい判断だったと思う。この判決で開発者が罪に問われる基準を明確に示してもらい、わたしだけでなく、ほかの技術者も技術開発がしやすくなったと思う」と話していました。大阪高等検察庁の太田茂次席検事は「無罪判決は意外であり、きわめて遺憾。判決内容を精査し、適切に対応したい」というコメントを出しました。事件の捜査を行った京都府警察本部生活経済課の担当者は「高裁の判決にコメントする立場にないが、捜査は厳正に行われたと考えている」と話しています。

さて、この裁判の京都地裁での一審を取材して、上記記事にも関わったと思われる
 NHK京都局の記者
が、地裁で公判中の金子勇氏に対し
 弁護側の主張は間違っていて、「罪を免れないのは間違いない」けれども「NHKで釈明すれば、たぶん世間の同情を得られるから、単独インタビューに答えろ」
という、
 被告と弁護団との「離反をはかる」弁護妨害を行った
上に、
 NHKの利益のみを主張した無礼かつ世間的常識から著しく逸脱した手紙を金子勇氏に送っていた
ことが、担当された壇俊光弁護士のblog「Attorney-at-law」の、高裁判決を控えた10/6記事につぶさに書かれている。
この裁判に興味があり、かつ
 NHK京都局記者の非常識振りを知りたい
と思われる方は、是非以下をご参照下さい。
 2009年10月 6日 (火) ブログとメディアと

いや〜、
 NHK京都の担当記者
とんでもね〜。
 取材してるだけのくせに、自分が裁判官気取り
かよ。
で、
 厚顔無恥なこの記者は、この後も裁判の取材を平気で続け、地裁判決時も最前列で取材していた
そうだ。
 刑事被告人相手なら、何をしても許される
とでも、思い上がっているのか、NHK京都局記者。

で、NHK京都管内の方にお願いするのですが、この
 担当記者名
をご教示頂けると有り難いです。たぶん、
 夕方の「京いちにち ニュース610」でこの裁判の担当記者
として出てきた人物なのではないか、と思うのですが。
地裁判決から時間が経っているので
 NHK京都局の担当記者はひょっとするとAKにご栄転
しているかも知れない。
 弁護妨害になっても、取材することが一番重要で、それがNHKでの出世の要件
ならば、NHKは
 司法などは、報道より重要性が劣っているとして、平気で踏みにじっている「公共放送」
ということになる。
 

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2009-06-20

究極の自己中? 神奈川県警はパトカー197台警官900人あまりを配備した上、山梨・静岡県警と警視庁にも緊急配備を要請 夫婦げんかの末実家に帰る妻子を110番して阻止しようとした男

アホすぎるという段階を通り越してるんですが。
この男の110番通報のために
 使われた税金の額
が知りたい。
読売より。


実家に帰る妻子、パトカーが取り囲む…夫がウソの110番

 夫婦げんかで家を飛び出した妻子を警察に捜してもらうため、「子供が乗った車を盗まれた」とウソの110番をしたとして、神奈川県警厚木署は19日、同県厚木市の無職男(43)を軽犯罪法違反(虚偽犯罪申告)の疑いで書類送検した。
 発表によると、男は5月28日夕、妻(36)と仕事を巡ってけんかになり、妻が長男(8)を連れて軽自動車で家を出た直後に、「コンビニエンスストアで買い物中に車を盗まれた。中に子供が乗っている」と、ウソの110番をした疑い
 誘拐・監禁事件と判断した県警通信指令課は「全署配備」を指示県内全54署と機動捜査隊、交通機動隊など7隊のパトカー197台、警察官約900人を投入して検問などを実施。山梨、静岡県警と警視庁にも緊急配備を要請した。

 “手配車両”が発見されたのは通報から約1時間半後の午後9時10分頃。鎌倉署のパトカーが、鎌倉市の海岸沿いの国道134号で停止を求め、計4台のパトカーで取り囲んだ。署員が「どこで車を盗んだ」と聞くと、妻は「これは私の車、この子は私の子供です」と回答
 署員が通報内容を説明すると、「そんなくだらないことをするのは夫に違いない」と話したという。妻は千葉県内の実家に向かう途中だったという。
 厚木署の調べに対し、男は「悪いことだと分かっていたが、妻を連れ戻してほしかった。自分の行為が恥ずかしい」と供述。妻は「心底あきれ返っている」と憤慨していたという。

(2009年6月20日02時55分 読売新聞)

ええと、
 神奈川県警全県レベルで緊急配備+山梨・静岡県警と警視庁にも緊急配備要請
ってことは
 一体何人の公務員がこのアホな通報に振り回されたのか
考えただけで、くらくらするな。

日本だと
 警察が損害賠償を求めることはない
んだろうけど、費やされた人手と税金は、まさに
 くだらない理由で浪費された
ってことになりますな。
 緊急配備が「ウソの通報」で解除
されたときの現場の脱力感・徒労感はどれほどだったことだろう。

だいたい喧嘩の原因って
 夫の無職
をめぐるゴタゴタだろうと推察される。その
 自ら招いた「愛想づかし」

 警察に探して貰おうと思う
辺りで、すでに正常な判断ができなくなっている。ていうか
 世間に迷惑掛けても「妻子を捜したい」
って、理解できませんが。

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2009-04-19

裁判員制度を見据えて、青森県警「津軽弁の供述を翻訳」

日本語の方言の中でも、東北各県の方言は難解な物が多い。
とりわけ
 津軽弁の聞き取り
は、津軽弁に接した経験があっても、かなり難しい。

裁判員制度が始まるのを前に
 青森県警が「津軽弁の供述を翻訳」
することにしたという。
河北新報より。


津軽弁の供述を翻訳 青森県警が調書に導入

 津軽弁の「じぇんこ、出せ」は「金を出せ」の意味。5月の裁判員制度開始に向け、全国の警察が4月から導入している取り調べの一部録画で、青森県警が調書の津軽弁に標準語の訳を付けている。転勤などで青森に移り住んだ人が裁判員に選ばれ、難解な津軽弁の供述に出くわした場合、内容を理解できない恐れがあるためだ。

 警察の取り調べが妥当だったかどうかを示す一部録画は、取調官が容疑者の前で供述調書を読み上げるシーンなどを撮影。裁判員はその映像を法廷で見て、供述の信頼性などを判断する。

 調書には、容疑者が話した内容をそのまま記載するのが原則となっている。ただ、独特な言い回しの方言などが交じっていると、地元出身以外の裁判員は理解に苦しむことも想定される。

 分かりやすさを追求すれば言い換える手だてもあるが、標準語にすると迫真性が損なわれ、真意を伝えきれないという指摘もあり、県警は頭を悩ませていた。

 例えば「わ、たげ頭さきたはんで、ふったいてまったじゃ」という津軽弁の供述。「わたしは大変頭にきたので、殴ってしまったのです」と直すと「リアリティーに欠ける」(県警刑事企画課)というのだ。

 このため県警は、意味が通りにくいと取調官が判断した方言は容疑者に真意を問い直した上で、調書に標準語で「今のはこういう意味です」などと補足することにした。

 県警は「裁判員制度ではこれまで以上に分かりやすさが求められる。調書作成の際にも配慮していきたい」と話している。
2009年04月19日日曜日

いや〜
 わ(わたしは)、たげ(たいへん)頭さ(あたまに)きたはんで(きたので)、ふったいて(なぐって)まった(しまった)じゃ(のです)
って、文字で書いてもアレだが、これを有気音を伴う「は」など津軽弁特有の発音とイントネーションで話されると、まず、わたしも含めて、ヨソものは聞き取れない。

ま、
 わかりやすくする
なら、翻訳もやむなしでしょう。てか、
 他の方言では「翻訳」する必要性を感じないのか
という疑問が。共通語と同じ語彙で、全く意味が違う言葉って、さまざまな方言にあるんだけど、その一言が
 裁判員が罪状について判断するキーワード
だったとしたら、やはり
 翻訳
しないと、いかんのではないのか。

おまけ。
津軽弁講座。
JA職員による津軽弁講座
当然、これは序の口。

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2008-03-10

中国、新疆で独立運動活動家を弾圧 去年も1月に18人殺害 今年は2人殺害→中国南方航空機内で可燃物発見、これも新疆独立派のテロ計画と発表

なんだか去年あった
 2007-01-08 新疆で中国公安が独立運動家18名を殺害 国内で報道
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/18_3937.html
とよく似た話なんですが。今年は
 「平和の祭典」五輪を狙ったテロ
というレッテルを貼って、新疆の独立派を貶めたいわけね。
朝日より。


新疆で五輪狙ったテロ計画 独立派組織を摘発
2008年03月10日07時36分

 中国・新疆ウイグル自治区のウルムチで今年1月、北京五輪を狙ったテロを計画していたとして、地元警察当局が独立派組織「東トルキスタン・イスラム運動」のメンバーとみられる2人を射殺、15人を逮捕していたことを9日、同自治区トップの王楽泉共産党委書記らが明らかにした。党幹部が具体的なテロ事件を公表するのは珍しく、五輪に向けて組織的な摘発を強めていくとみられる。

 9日に北京市の人民大会堂で開かれた全国人民代表大会(全人代)の同自治区代表団の会合後、王書記とヌル・ベクリ副書記が記者団の質問に答えた。事件について王書記は「警察当局者が摘発の際、テロリストから手製の手投げ弾を投げ付けられて7人が負傷した」と説明した。

 またヌル副書記はウルムチ発北京行きの中国南方航空の機内から今月7日、可燃物が発見され、緊急着陸していたことも明らかにした。同日午前10時半にウルムチを出発後、乗務員がトイレ内で可燃物を見つけたため、午後0時40分、甘粛省蘭州の空港に緊急着陸した。乗客らにけがはなかった。

 ヌル副書記は、何者かが飛行機の爆破を狙ったテロとの見方を示したうえで、「だれがどのような目的を持って爆破しようとしたのか、現在捜査中だ」として詳細を明らかにしなかった。王書記は「どんな民族によるテロリストの計画や活動も制圧していく用意ができている」と強調した。

 王書記らの発言は、中国政府による同運動の摘発を「弾圧」と非難する国際社会の一部の声を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

1〜3月というと
 民族運動の頻発する時期
で、中国が躍起になって弾圧をするのも年中行事だ。

烏魯木斉発の南方航空機から可燃物が見つかったというニュースは、CNNも報じている。
こちらは日本語版。


「北京五輪標的のテロ計画阻止」と中国当局


(CNN) 中国当局は9日、国営メディアに対して、今年8月の北京五輪などを狙ったテロ計画2件の阻止に成功したことを発表した。いずれも新疆ウイグル自治区の分離独立を求める過激派が関与しているという。

新華社によると、新疆ウイグル自治区で今年、北京五輪を標的とするテロを計画していた複数の過激派が射殺された。計画の具体的詳細は不明。

また、別の中国当局者は新華社に対し、中国南方航空の搭乗客の中にハイジャックを計画していた者がいたため、旅客機が緊急着陸していたことを明らかにした。旅客機は新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ発で、犯行は乗員によって阻止された。

新疆ウイグル自治区の中国共産党関係者は、同自治区の「3つの邪悪な勢力」として「テロリストと分離主義者、過激派」を挙げ、厳しく対応する用意があると言明した。

新疆ウイグル自治区の住民は1900万人前後。大半はイスラム教徒や少数民族で、中国政府による統治に反対している者も多い。

中国側は
 イスラム勢力がテロを起こした
と発表すれば
 9.11以来、イスラム勢力への反感が強いアメリカなどが中国の人権弾圧を見逃す、もしくは問題を重要視しないでくれる
ことを狙ったんだろうな。いつものやり方ですな。

BBCが詳しく報じている。
China says militant plots foiled

美国之声中文版では、香港から昨日付でこのニュースを報じている。


新疆負責人:挫敗劫機[手高]空難陰謀
記者: 海濤
香港
2008年3月9日

中國當局説,南方航空公司挫敗了一起劫持飛機的陰謀事件。這一航班飛機是星期五從烏魯木齊飛往北京的客機。中國當局説,劫機嫌疑人已經被制服,乘客和機組人員安然無恙。

新華社星期天報道,南方航空公司客機(CZ6901)是星期五上午十點三十從烏魯木齊機場起飛的,兩個小時後,迫降在蘭州機場。新華社的消息來源是正在北京開會的新疆自治區主席努爾白克力。

努爾白克力在北京人大會議上對記者説:“從現在了解的情況來看,可以肯定,這是一次企圖[手高]空難的事件。所幸的是,我們機組人員採取果斷措施,及時發現並制止了這一行為。我們的所有乘客,我們的飛機,機組人員都安然無恙。”

新華社報道説,這一航班客機是星期六才飛抵北京的。報道援引南方航空公司官員的話説,他不能肯定這是恐怖襲撃,需要公安部門來鑒定和判斷。不過,這位官員説,這肯定是一起企圖製造空難的事件。他説,當局正調査“這些人的身分,他們來自何地,他們的背景如何。”

*王樂泉:維吾爾人作案*

香港有線電視報道,有記者追問劫機人士是否維吾爾人,中共政治局委員、新疆區委書記王樂泉點了點頭。王樂泉説,總有人想破壞奧運會:

“在我們北京舉辨奧運會,這是個大好事,有人就是要千方百計地進行破壞。但事實上他們的這個舉動是遭到全世界愛好和平人民的堅決反對的。”

新華社援引王樂泉的話説,當局將先發制人,打撃恐怖分子,分裂分子和極端分子這三種疆獨邪惡勢力。

香港電視臺引述王樂泉的話説,將盡力阻止疆獨分子到北京製造事端。

*詳情不明*

至於企圖劫機人士有幾個?他們在飛機上到底採取了什麼行動?機組人員如何制服了他們?這些情況,新疆領導人和官方報道都沒有説明。不過,路透社援引消息人士的話説,起碼有兩名乘客被當局帶走加以訊問。這位要求不透露姓名的消息人士説,在這個航班的廁所,發現了易燃品。

*“穩定壓倒一切的高壓政策”*

新疆自治區黨委書記王樂泉曾對記者説,有些疆獨人士非常猖獗,他自己也是他們暗殺的頭號目標。香港電視記者報道説,王樂泉説,當局在新疆採取的是穩定壓倒一切的高壓政策。

香港電視報道説,這幾年來,從事新疆獨立活動的東土耳其斯坦組織不斷[手高]恐怖活動,已經造成了幾百人死亡。

*疆獨和恐怖組織問題*

9/11以來,中國把一些疆獨組織定性為恐怖組織而加以打撃,而這一決定和行動得到了聯合國和美國的首肯。但是,在歐洲活動的新疆獨立組織的[東土耳其斯坦資訊中心]發言人迪裏夏提説,他們的組織從不[手高]恐怖活動。他還抱怨國際社會為了安撫中國而抛棄了新疆人的幸福和自由。

新疆地域遼闊,占中國六分之一。人口是1千9百34萬,少數民族是1千1百萬,維吾爾族人有8百萬。他們信奉伊斯蘭教,他們的語言也和周邊國家阿富汗、土耳其、巴基斯坦還有其他的中亞國家非常相近。

朝日の記事では、新疆独立派弾圧を正当化している人物の名前も地位もちゃんと書いてないけど
 王楽泉新疆自治区党書記
であることが、上記記事から分かる。この王楽泉
 バリバリの独立運動弾圧当事者
で、
 1990年代には独立派の暗殺リストに筆頭として名指しされていた
という話が、星島環球網の2/20の記事だ。
1990年代的疆獨闘爭 王樂泉是頭號暗殺對象

この王楽泉、1990年初頭から現在に至るまで
 17年間、新疆自治区でせっせと新疆独立派を弾圧している人物
なのだ。

一部報道はこの事件を
 五輪への9.11事件
としてフレームアップするつもりのようだな。
星島環球網より。


疆獨攜汽油彈劫機 險釀中國版“911”空難
星島環球網 www.stnn.cc

【星島網訊】全國兩會期間和北京奧運前夕,疆獨分子企圖製造機毀人亡自殺式恐怖襲撃,險釀成中國版“911”空難。據透露,上週五(3月7日),四名維吾爾族人在烏魯木齊飛往北京的南方航空公司航班上,攜汽油欲引爆客機,幸被空中特警制服。

  中共新疆自治區党委書記王樂泉同一時間表示,此次“兩會”他不會上調中央,“我會繼續留在新疆工作”。按照官場傳統,為了防止地方勢力坐大,党委書記一般是五年一任。王樂泉已經鎮守新疆十三年。但是,中央有意讓擁有豐富反恐經驗的王樂泉暫時留任,嚴防疆獨分子“[手高]事”。中國公安部2007年就曾警告過,恐怖主義是北京奧運面臨的最大威脅。

  海外媒體對此也進行了報道,路透社援引一名不願意透露姓名者的話説,在飛機的洗手間内找到了易燃材料。英國廣播公司中文網的報道則持懷疑態度,其標題為《奧運臨近:中國又現“恐怖疑雲”》的報道指出,人權組織一直指責北京當局在新疆採取壓制行動。
  香港《星島日報》報道,新強自治區政府主席白克力3月9日證實事件,強調將採取高壓手段打撃疆獨,保證奧運會順利進行。他透露,上週五上午約10時35分,南方航空一班原定由烏魯木齊飛往北京的客機險遭襲撃,“可以肯定這是企圖製造空難的事件”,所幸機組人員果斷採取措施,及時發現和制止了這一行為,12點40分航機緊急降落蘭州中川國際機場,前天上午抵達目的地北京,所有乘客和機組人員都安然無恙。

  白克力説,案件正在審理中,當局仍在調査疑犯的身分及犯案動機,調査完畢後將對外公布。在會議現場,有記者問中共新疆自治區党委書記王樂泉,疑犯是否維吾爾族人,王樂泉點頭響應。

  據消息透露,出事的航班編號為cz6901,當時四名恐怖分子偽裝成巴基斯坦商人,將裝有柴油的汽水罐帶上飛機,企圖在飛機降落在北京機場時引爆客機。幸虧機上一名空勤人員發現四人神情有異,及時通知空中警察,迅速將他們制服,從而避免故意在兩會期間和奧運前夕製造機毀人亡的恐怖襲撃。

  在當天的全國人大代表新疆團討論會,身兼中央政治局委員的王樂泉強烈譴責疆獨千方百計企圖破壞北京奧運,但強調將毫不含糊打撃一切企圖破壞北京奧運的活動。王樂泉透露,這些疆獨分子是受阿富汗的恐怖組織東突厥斯坦伊斯蘭運動(簡稱“東伊運”)支配,他們製造的炸藥和手雷等武器,都獲得“東伊運”支援,“目的很明確,就是要破壞北京奧運會”。

  王樂泉稱疆獨勢力在新疆是少數,主要在境外,他還點名流亡海外的前新疆首富熱比[女亜]“鼓噪煽動”。他強調,不應該將奧運會政治化,並且誓言“誰[手高]分裂,就打撃誰。”白克力強調,對疆獨和恐怖勢力將採取高壓手段,主動出撃,露頭就打,把破壞民族團結[手高]分裂的一切圖謀消滅于萌芽状態,來保證新疆的長治久安。

9.11とは大袈裟な。自爆テロが未遂に終わったというのだけど、これまでの中国当局のやり方から推せば
 本当に自爆テロを計画してたのか、爆発物自体が当局のでっち上げじゃないのか
とか、いろいろ考えますな。
記事中の「熱比[女亜]」とは「ルビア・カディア」のことで、こんな人物。「宮崎正弘の国際ニュース・早読み発行日時: 2007/6/10」より。


ブッシュ大統領、プラハでウィグルの人権活動家と面談
   北京は「犯罪者と会って内政干渉」と強い非難をブッシュに浴びせた

 6月7日。プラハ。ドイツで開催のG8に先立って、チェコ入りしたブッシュ大統領は、人権関連の国際会議に列席して演説した。
 「中国は経済開放のみならず、政治制度も開放するべきである」。
 とくにブッシュ大統領は「人権活動家のルビア・カディア女史の息子だからというだけの理由で、彼女の子息のアビリキム・アブデラレイム氏を四月に拘束し、九年間の禁錮などとは(なにごとか!)」と中国を批判した。
 
 ブッシュ大統領は、昨秋、ノーベル平和賞に擬せられながら北京の圧力で受賞をのがしたとされる新彊ウィグル自治区の人権活動家ルビア・カディア女史とプラハで面談した。
 カディア女史は新彊ウィグル自治区の実業家として知られ、また十一人の子持ちという肝っ玉かあさんとしてウィグル族の人気がある。
 
 中国は、彼女の一家が「脱税」をやらかし、しかも「アルカィーダに繋がっている」などとして、他の息子二人も逮捕。
過去にカディア女史自身も、冤罪で九年間監獄にぶち込まれ、05年に米国に亡命した。その後、世界をまわってウィグル自治区内での中国共産党の激しい人権弾圧の情況を訴えてきた。

 8日、北京の中国外交部は「犯罪者と面会し、中国の内政に干渉した」と語気を荒らげ、強く米国ブッシュ政権を非難する談話を発表した。

アメリカでは人権活動家として知られる。

9.11の見出しを付けてるのは、木子網の記事も。
疆独劫機図恐怖襲撃京奥 北京9.11恐慌 2008-03-09

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2007-12-17

「マスコミたらい回し」とは?(その111)大淀病院産婦死亡事例民事裁判第四回弁論@12/17 大阪地裁→追記あり

亡くなられた産婦さんには心からお悔やみを申し上げます。またご遺族にもお見舞いを申し上げます。
わたしはこの3月まで奈良県南部の産科医療を支えてきた大淀病院と産科医の先生を支持します。

今日は、大阪地裁で、大淀病院産婦死亡事例の民事裁判の第四回弁論だった。
傍聴記が、続々とblogに上がっている。

まず、僻地の産科医先生の「産科医療のこれから」
 2007 12-17 NICUのなかった場所で、児の救命なんてありえない!大淀病院事件
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/12/post_1341_6.html
産科医として現場に立たれている僻地の産科医先生の言葉は重い。


裁判資料の閲覧から、私の感想を。
「NICUのない病院での児の救命はあり得ない!」です。
原告ともなられている赤ちゃんですけれど。


4:10頃 母体搬送OKの返事をもらい、
     妊婦さんを動かして救急車に乗せた途端、呼吸停止
     (↑子癇には移動は禁忌!なんですよね。。。)
     これも子癇が病態として先にあった証拠じゃないかと思うんですが
     挿管して、救急車でそのまま搬送しています。
     そもそもⅢ-200台だった意識はここからⅢ-300みたい。
5:50頃に国立循環器センターに搬入。
7:15頃 手術室、入室。

   
6:00~CTをとる(6:15頃?)の間の、NSTを今日はじめてみました。
1分3cm。 base line:190  non-reasuring pattern  (←重要!)
   
しかも、緊急帝王切開と同時に、開頭術を同時施行していますが、
児のApgar score 1/6
(専門外の方にはわからないでしょうが、これで救命のみならず
 よく後遺障害がでなかったものです!)

  
羊水混濁あり、MASになることが十分に予想されたので、挿管と同時に
気管内洗浄実施しています。pH7.172ですね。状態悪い。。。

   
胎盤病理の結果もみてきました。
胎盤は著明に浮腫状、胎盤梗塞を2箇所おこしていたようです。
浮腫浮腫の胎盤からもわかるように、
相当、児は頑張ったのだろうと思います(;;)。
かなり、状態悪いです。

   
この状態で 「脳外科だけの病院」なんてよく主張できるものだ。
そもそも妊娠中で、脳外科のみしかない病院がうけるとは
まったく思えないけれど、産婦人科医と小児科医がいなかったら
児は明らかに助からなかった
んじゃないですか。

文中 Apgar score(アプガースコア) 新生児の状態を示す指数。3点以下は重症仮死だから、この原告になっている赤ちゃんは出生時に、産科医と小児科医に、懸命に集中的な蘇生措置を施された結果、命が助かり、しかも、重症仮死の場合、起こりうる重篤な障碍を一切負っていない。これは奇蹟に近いのではないか。
MAS=胎便吸引症候群 胎内に排出された胎便を胎児が肺に吸い込んで起こる症候群。わたしの友人は、双生児の一人をこのMASで亡くした。過期産だったが、適切な処置が早期に受けられなかったことによる悲劇だった。
羊水混濁がある、ということは、胎便が羊水に排出されている証拠だから、出来るだけ早く帝王切開で赤ちゃんを外に出してあげないと、胎便を吸い込んでしまって、肺に詰まり、最悪の場合は亡くなる。
胎盤梗塞 胎盤の血管が詰まり、胎児に血液が流れなくなる状態。妊娠早期に起こると、胎内で胎児が死亡し、流早産の原因になる。今回の場合も、帝王切開で緊急に外に出さなければ、亡くなっていた可能性がある。僻地の産科医先生が「産科・小児科がいてNICUがなければ、赤ちゃんが助かっていない」と仰る理由の一つである。

この訴訟のおかしなところは
 命が助かり、しかも障碍もなく、すくすく育っている赤ちゃん
が、大淀病院の産科医の先生を訴えているところだと前から言われているが、僻地の産科医先生が調べて下さった資料を見る限り
 NICUのある、産科と小児科が完備している大病院に搬送され、かつそこで脳外科手術を受ける
という条件がなければ、到底助かっていなかった。原告は
 脳外科にすぐに搬送しなかったのがいけない
と大淀病院を訴えているのだが、これは、訴える方向がおかしいと思う。問題は
 緊急搬送できるシステム作りをしてこなかった県と国の周産期医療体制の不備
にあるのだ。従って、本訴訟は、大淀病院と担当の先生相手に起こすのではなく
 県と国
を訴えるべき裁判だと思う。

その他には、以下の方々が傍聴に赴かれ、傍聴記を書いておられる。
みなさまに感謝します。

ただの(ry先生の「ただの(ry」
 2007-12-17 奈良大淀町立病院事件 第4回公判 傍聴記 14:36
http://d.hatena.ne.jp/tadano-ry/20071217#1197869802
 2007-12-17 感想 15:17
http://d.hatena.ne.jp/tadano-ry/20071217#1197872228
ここには、僻地の産科医先生もコメントを寄せておられる。重要な内容なので引用する。


僻地の産科医 2007/12/17 17:15
児の状態、相当悪かったです。びっくり。
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/12/post_1341_6.html

それから、移動時に、呼吸が停止して救急外来で挿管しているようですね。
臨床的にみて、脳出血が先ではなく、
子癇に間違いない
のではないか。
(カルテ上、脳出血が先なら、麻痺が出ますが記載なし、
 また移動時に増悪していること、
 マグネゾールが効いていること

 (↑産婦人科的に、マグネゾールが効かない場合は子癇以外の疾患を疑え、という格言があります。実際そう書いてありますが)など)

それから被核出血のオペ記載はみつけられませんでした。
小脳出血と、前頭葉の巨大血腫という記述は何度も見かけたけれど。
その場にいなかったからなんともいえないけれど、
カルテ上は、十分子癇ですべて説明できる気がします。


Yosyan先生の「新小児科医のつぶやき」の本日の記事のコメント欄でも、ただの(ry先生が概略を述べられている。
2007-12-17 ネタであって欲しい


たまりょさんの「お決まりの日々?」
 2007.12/17 [Mon] 2007.12.17.の「大淀事件」系
 http://okimari.blog26.fc2.com/blog-entry-1697.html

これからアップされる予定のところでは、三上藤花さんの「日々のたわごと・医療問題資料館」
2007.12.17 Monday 大淀病院母体死亡「事故」 第4回裁判傍聴記(その1)

(追記 12/18 11:40)
三上藤花さんの「日々のたわごと・医療問題資料館」に続きが載っている。
大淀病院母体死亡「事故」 第4回裁判傍聴記(その2)

Yosyan先生が、傍聴記を元に、原告側主張の荒唐無稽さを論じている。
 新小児科のつぶやき
2007-12-18 奈良事件第4回裁判・原告側主張編
(追記終わり)
(追記 12/19 11:25)
Yosyan先生が、閲覧資料を基に、いかに今回の赤ちゃんの状態が悪かったのにも関わらず、無事に生まれ、育っているかを小児科医の立場から論じている。
 新小児科医のつぶやき
2007-12-19 第4回奈良裁判・閲覧資料編

三上藤花さんが、「日々のたわごと・医療問題資料館」で
 ご遺族が「陣痛促進剤のせいで産婦さんが死亡したと思いこんでいるのではないか」
という指摘をされている。じわじわ来ますね。
 2007.12.19 Wednesday 大淀裁判4回目最終回〜感想とちょっと違った方向のツッコミと悪寒
(追記終わり)

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2007-09-01

「マスコミたらい回し」とは?(その97)大淀病院産婦死亡事例民事訴訟第二回弁論@8/28 大阪地裁→「除脳硬直が起こるほど重症の脳出血」が大淀病院で起きていたなら搬送しても助からなかったのに、その事実を原告側も報道するマスコミも知らないという驚愕の展開

奈良県の産科崩壊を招いた第一章となった
 大淀病院産婦死亡事例
だが、
 民事訴訟の第二回弁論
が開かれた。ここに
 僻地の産科医先生・三上藤花さん
などのみなさんが酷暑の中を傍聴に足を運ばれ、blogに第二回弁論の内容を詳しく書いておられる。是非、ご一読を。
 僻地の産科医先生の「産科医療のこれから」
奈良大淀病院の裁判傍聴にいってきました!
奈良大淀病院の裁判! その2
 三上藤花さんの「日々のたわごと・医療問題資料館」
大淀病院母体死亡「事故」 第2回公判傍聴記(その1)
大淀病院母体死亡「事故」 第2回公判傍聴記(その2)
同じく傍聴されたたまりょさんの「お決まりの日々?」
奈良は燃えましたな(大淀事件 12)
第二回口頭弁論感想(大淀事件 12’(ダッシュ))
同じく傍聴されたkonakiさんの「konakiの言いたい放題」
大淀病院訴訟
引続き大淀病院、救急車事故
さらに引続き

僻地の産科医先生は、大阪地裁で
 大淀裁判の裁判記録の閲覧
をされて、ご覧になった情報をblogにアップされている。ありがとうございます。
大淀裁判、裁判記録の閲覧情報
ここにとんでもない事実が記録されている。僻地の産科医先生のコメントと併せて引用する。


■経緯
※担当産科医の記録、看護師の記録、原告および被告の主張がない交ぜになっています。
※病院側の記録が一番正確に近いと思いますので、これを基本とし、原告が主張した事柄は[原]としたつもりです。
※いざまとめてみると、忘れていたり記憶違いも多そうです。
既にネットでみなさまで行われた検討の方が詳しく正確かと思います。
(略)
2時00分 Vital良、瞳孔大
夫の身内 (当病院の救急で勤務経験) 来院
[原]身内が除脳硬直と判断し、CT等の検査を要求したが、担当産科医は「子癇なので、動かさないほうがよい」として検査せず、「転院先を探している」と言うだけ。
(略)
6時00分 国循到着
これ以降は国循の記録
JCS(JSC?)300、瞳孔5mm、対光反射-、自発呼吸+(挿管中)、痛覚反射-
CT
脳血管撮影の余裕なし、直ちに開頭手術
右脳(?)に7cmの血腫、明らかなMidline Shift、脳幹にも出血、脳室穿破

・・・

8月16日 亡くなった後、国循の医師から、患者の夫の父に病理解剖を勧める
心揺れ動いたが、結局「このまま引き取らせてほしい」との回答
(略)
(ここからは僻地の産科医先生のコメント)
これらを組合わせて考えていただくと、
資料がない時点では、「除脳硬直」があるといっていたのかな?と思いましたが、
「除脳硬直を主張しているのは原告側」ということになります。
まぁ、除脳硬直があったところで、脳出血で除脳硬直といえば
基本的に助からない状態
ですけれど。(原告が搬送の遅れを主張するなら
その時点で搬送して助かった、という主張をせねばならず、これは変
です)

脳出血で除脳硬直が出る、すなわち
 頭をそらす特異な姿勢を取る
ということは、人間の生命活動を維持する脳の内部に出血があり、脳そのものが壊されている、重い病状が疑われる。現在の医学では、一度こうした形で壊れた脳が元に戻ることはほぼない。命を取り留めたとしても、植物状態で、やがて死に至る。(もし誤りがあったら指摘してください)

僻地の産科医先生は、次のようにもお書きになっている。
原告側石川弁護士の知り合いの方とお話しされたようだ。


奈良大淀病院の裁判! その2
(略)
それでお話ししていく過程なのですが。
「子どもなんか助けんでも、お母さんを助けてほしかった」
と考えていると仰います。原告側はそのように考えているとも。
「だって脳出血ですよ?」と私は申しあげました。
「除脳硬直がでるほどの脳出血ですよ?助かるわけがないじゃないですか」
「えっ!?でも脳外科に送れば助かるでしょう」
話がかみ合わないんです。
どうやら岡本さまの奥さまは、「くも膜下出血」で手術をして助けてもらったとのこと。

「。。。えっと。くも膜下出血や硬膜外血腫は脳出血と違うんですよ」
「え、どう違うんですか」
「聞いてらっしゃらないんですか?」
「似たようなもんだって」
「えっ。。。」
ちょっと開いた口がふさがらなくなってしまいました。

くも膜下出血も、硬膜外出血も、脳出血ではありません。
頭蓋内出血ではあるけれど、脳出血は「脳実質」の出血です。
その区別も、まさか原告側はついていない?

 
 
そういえば。。。

法廷で石川弁護士が脳の解剖図を予習していた光景
脳裏によみがえりました!
あっ!なんだあの人、わかってないんだ。
硬膜外出血やくも膜下出血とのちがいも!

解剖図の前に、大事なことが分かっていない!
脳出血がいかに重篤な結果をひきおこすかということも!
そして搬送する前にすでにもう助からない兆候が出ていたってことも。
 

訴える前に調べておいてよ、そんなこと!
とおもいました。
すくなくとも、訴えた後でもいいから、調べてよ。
「医学的なことはわからない」じゃないよ。

 

私たちは滔々と、「脳出血」「除脳硬直」がどんなものであるか、
一生懸命説明しましたが、わかっていただけたかどうかはわかりません。
しかし、ひょっとしたら裁判官にもわかっていないのかもしれません。

 

逆に。
証人尋問で必要なのは、実は脳外科医だということがわかりました
「脳外科医」にカルテを読んでもらえば、一発でこの事件は終了です。
彼らが言っているのは、赤ちゃんうんぬんではないのです。
なぜ母親が助からなかったか。

脳出血が「予見不可能」「一気に起こる」
「除脳硬直までおこった場合には、もう救命はほぼ不可能」
であることを証明してもらえば、
(これはしかし医学生でも十分にわかる基本的事項なのですが)
話が終わってしまうような裁判
だったのです。びっくり。


つまり、まだ彼らはその点がわかっていない
ということがわかったという貴重なお話でした。

いや〜、
 大淀病院産婦死亡事例の民事裁判
って
 原告側が「脳出血が何か分かってない」裁判
だったんですね。凄いぜ、マスコミ。マスコミも、また原告のご遺族のバックアップをしているとおぼしい
 陣痛促進剤による被害を考える会
も 
 脳出血で除脳硬直が起こるほど重症だったら、助からない
ということを知らないから
 「なぜ産婦さんが亡くなったのか理由を知りたい」という裁判を起こした
ってことじゃないのか。なんかとんでもないことになってきました。

一体、この国の裁判制度はどうなっているのだろう。
もし、僻地の産科医先生の読み通りだとすると、医学生の教科書に書いてある程度の基礎的な事実が分からないままに
 なぜ、産婦さんが亡くなったか、その理由を知りたいという訴訟
が続いているんですか。まさか、医療訴訟のプロ、石川弁護士ともあろうヒトが、そんなコトはないと思うのですが。
それって
 本当に裁判を起こして、明らかにしなくてはならないような問題
なのか、極めて疑問だ。ましてや
 「原告側が大淀病院で除脳硬直があったと主張」する「重症の脳出血」について、まったく勉強もせず、大淀病院を叩き続ける毎日新聞・共同通信や民放各局の報道
は、
 日本の医療を絶滅するための「反医療キャンペーンを張っているだけ」
ではないのか。
だって、おかしいでしょ?
 大淀病院の段階ですでに「除脳硬直があった」
のなら
 どこに運んでも、早晩亡くなる
のですが、原告側は
 CTを撮れといったが拒否された
という点だけを主張している。
 除脳硬直があるから速やかな転院を主張したのではない
のだ。
 CTは単に出血部位を確認するだけで、CTを撮っても、除脳硬直が起きるほどの脳出血は治療できない
のだから、
 そんな時間があるならすぐに開頭手術のできる病院に転院
というのが普通の主張なんじゃないのか。
しかも
 解剖してない
から、ご遺族には医学的に不利な裁判なのである。
大淀病院が除脳硬直があったと主張するなら分かるけど、主張しているのは、大淀病院を訴えている原告側なのだ。
原告側が自分に不利になる主張をしているとおぼしい、非常に不思議な裁判だ。それを援護している
 毎日新聞奈良支局と共同通信
は、一体何を考えているのか?

続き。(14:50)
亡くなられた産婦さんが除脳硬直を起こしていた、という話は、
 大淀病院産婦死亡事例にメディアスクラムがかかっていた当時のワイドショー
で取り上げられていた記憶がある。僻地の産科医先生がblogに書かれている裁判記録の通り
 大淀病院で長く総婦長をされていたご遺族のお一人がカメラの前で主張
されていたように記憶する。そして
 除脳硬直を起こしているのに、CTを撮らなかった
と仰っていたように記憶している。
その点で、上記裁判記録とワイドショーに流れたご遺族のお一人のインタビューとは齟齬しない。
逆に言えば、
 ワイドショーのカメラの前で除脳硬直があったと主張したことを、裁判でも主張している
わけで、そのことが
 一切の印象操作を抜きにした、裁判記録に出てくると、残念ながら亡くなった産婦さんは大淀病院で搬送先を探している段階で、手の施しようのない脳出血が一気に起こっていたことを証明している
のである。
ご遺族に関して言えば、民事訴訟を起こした後に放映された、ABCの「悲鳴病棟」でも、明らかに原告不利になると思われる映像の公表を許しており、その点でも疑問に思う。

おまけ。
2006-10-20 「マスコミたらい回し」とは? (その9) 今度は大阪府立母子保健総合医療センター産科部長が「搬送拒否」のいい訳か? 「脳内出血と分かっていれば」と大淀病院を非難
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/9_dc74.html
2006-10-21 「マスコミたらい回し」とは (その11) 今回の大淀病院の事例でどうすべきだったのか 産科救急担当医の見解
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/11_d82d.html
2006-10-22 「マスコミたらい回し」とは (その14) 今回の大淀病院の事例でどうすべきだったのか 産科救急担当医の見解(続き) 一方で毎日新聞奈良支局長は「大スクープ」に大喜び
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/14_9c46.html
とくに(その14)では
 産婦さんが脳内出血を起こした場合の基本的な処置
について、詳しく書かれている。これが昨年10月22日には、ネットではすでに議論されていた内容だ。この議論と上記裁判記録とを、是非比較していただきたい。

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福島県立大野病院事件第七回公判@8/31(しばらくこの記事をトップに表示します)→順次追記あり→ロハス・メディカルブログで血も凍るような検察の恫喝が詳述されています

昨8月31日は
 福島県立大野病院事件第七回公判
が開かれた。
例によって、
 ロハス・メディカルブログの川口恭さんが傍聴
している。
福島県立大野病院事件第7回公判(0)
福島県立大野病院事件第七回公判(1)
(追記 21:24)
福島県立大野病院事件第七回公判(2)
福島県立大野病院事件第七回公判(3)
(追記 9/5 12:40)
福島県立大野病院事件第七回公判(4)
福島県立大野病院事件第七回公判(5)

読んでて、どんよりしてきます。
医学的根拠に基づかず、「検事の作文」の文脈に沿って、K医師を法廷で締め上げる検察の尋問。
K医師は、現在、一切の産婦人科医療に携わることが出来ず、休職中です。
福島県は、産科不足の自治体で、そこで一人の働き盛りの医師がいなくなることは、県民の健康福祉の点から見ても、非常に大きなマイナスですが、刑事でやる以上、検察は、暴走を続けるでしょう。
誰も救われない裁判です。
川口さんの結びの言葉がすべてを表しています。


文字起こしを経て、今思うのは
S検事の尋問は鋭かったということと
であればこそ、時間引き延ばしなど姑息なことをせず
正々堂々となぜ尋問しなかったのかということである。

この事件、堀病院事件と続いた刑事司法の動きが
その後の大淀病院事件、先日の奈良死産事件の
引き金となったことは間違いのないことであり
それでもK医師の起訴が正しかったと考えているのなら
策を弄するのでなく正々堂々と立証すべきである。
でなければ、検察はそういう所か、と世の中から見放される。

「周産期医療の崩壊をくい止める会」のサイトにも、第七回公判の詳報が掲載され始めています。(現在作業中)
第七回公判(2007/08/31)について
(追記おわり)

日経メディカルの橋本佳子編集長の傍聴記。


2007. 8. 31「私に落ち度はない、精一杯やった」福島・大野病院事件の第7回公判が開催

検察:「冒頭陳述の際、患者さんを死亡させたことについて忸怩(じくじ)たる思いがあると話したが、結果について落ち度があると考えているのか。『あの時、あれをやれば良かった』と思うことがあるのか」
加藤医師:「特にありません。精一杯のことをやりました。だからこそ、その結果にすごく悔しい思いをしています」

検察:「(事件)当時の知識や経験で足りなかったことはあるのか」
加藤医師:「医師は日々勉強していくものであり、そういう意味ではもっと勉強しようという思いはあります」

検察:「癒着胎盤を疑い、MRIをやっておくべきだった、癒着胎盤の知識・認識が不足していた、医局に応援医師を頼んでおくべきだった、という思いはあるのか」
加藤医師:「ありません」

検察:「(胎盤剥離の際)、用手剥離にクーパーを併用したことは問題だったと思うか」
加藤医師:「思いません」

検察:「あなた自身、自分の知識、手技、判断に落ち度があったと思うか」
加藤医師:「特に落ち度はありません」

 これは、8月31日に開催された福島県立大野病院事件の第7回公判の終盤に行われた、検察側と被告である加藤克彦医師とのやり取りだ。この日の公判は被告人尋問で、9時30分に開始し、途中昼食の休憩などを挟んで、19時までという長丁場だったが、加藤医師は終始冷静に、言葉を選びならが尋問に答えていた。

1日9時間に及んだ取り調べ
 この日は被告人尋問が行われるとあって、15人の一般傍聴券を求めて121人が並んだ。逮捕から起訴に至る取り調べの段階で、本人の供述通りに調書が作成されたとは必ずしもいえないこと、胎盤剥離にクーパーを使った妥当性をはじめ起訴事実に疑問符が投げかけられたことが、今回の公判のポイントだといえよう。なお、公判は通常、主尋問(この日は弁護側)、反対尋問(検察側)、再主尋問(弁護側)という流れで進むが、この日は検察側の反対尋問が長時間にわたり、再主尋問は次回以降に延期された。

 最初に尋問を行った弁護側はまず、逮捕から起訴までの拘留期間の取り調べについて尋問した。加藤医師が逮捕されたのは、2006年2月18日、起訴は3月10日だ。その間の取り調べは、1日7〜9時間に及んだという。留置場から検察庁まで往復約2時間の道のりも含めると、ほとんど自由な時間はなかった。「逮捕ということで、変な緊張があり、頭がぼおっとして何が事実か分からなくなることもあった」(加藤医師)。留置場に戻っても、医学書はなく、物事を考える時間的余裕もなかったという。

「あなたは殺人者だ」と検察に言われた
 そんな状況でまとめられた調書は、加藤医師の主張がそのまま記載されないこともあった。例えば、本事案は、子宮と胎盤を剥離する際にクーパーを使ったことが大量出血につながり、妊婦の死亡原因となったとされている。
 調書には、「まず用手剥離を行ったが、指が3本、2本、1本と入らなくなったためにクーパーを使った」という内容は記載されている。ところが、実際には、用手剥離とクーパーを併用したのであり、(1)用手剥離で3分の2くらい胎盤をはがし、もう少しですべてはがれる段階だった、(2)用手剥離が難しい部分は、クーパーを使えば、剥離部分が見え剥離作業がしやすい、(3)クーパーであればピンポイントで力をかけることができる——など、クーパーを使った理由を丁寧に説明したにもかかわらず、その辺りの事情は記載されなかった。

 「クーパーを使うこと自体、違法行為であり、『あなたは殺人者として、クーパーを使った』」など、取り調べの場で検察官に言われた場面もあったという。

診断や手技の妥当性を主張
 その後、弁護側、および午後の検察側の尋問は、妊婦の初診時からの診察の流れや、帝王切開手術時の状況について行われた。本事案では、(1)癒着胎盤が術前に予見でき、その対策を講じるべきだったか、(2)胎盤を子宮から剥離する際、クーパーを使ったことが妥当か、(3)出血量はどの程度だったか、(4)死因は何か——などが争点だ。

 両者の尋問に対する加藤医師の証言を簡約すると、以下のようになる。

 まず、(1)の癒着胎盤の予見性については、加藤医師は、初診からの診察過程で何度も超音波検査を行い、癒着胎盤が認められないことを確認していた。検察側の鑑定を行ったある産婦人科教授(「注目の鑑定人・産婦人科教授が証人に」)では、「MRIを行い、癒着胎盤の有無を確認すべきだった」とも述べているが、加藤医師は、「超音波所見で異常が認められなかったこと、MRIによる癒着胎盤の診断の信頼性は高くはない」とした。前回の帝王切開創には胎盤はかかっておらず、術中も癒着胎盤を疑うことは容易ではなかったという。

 (2)のクーパー使用については、前述の通り、用手剥離との併用には妥当性があると主張。(3)の出血量は、「無理にクーパーで剥離したことが大量出血につながった」というのが検察の主張だが、加藤医師は、「クーパーで剥離中、血液で見えなくなったことはなく、急に出血が増えたことはない」などとした。

 さらに(4)について、手術当日の深夜書いた死亡診断書には、「直接的な死因は心室細動であり、それは癒着胎盤による出血性ショックに起因」という旨が記載されている。だが、加藤医師は「弛緩出血やDIC(播種性血管内血液凝固)などのいろいろな原因を考えつつ、この時点ではこれが妥当かなと思っていた」と述べた。

医療事故を刑事裁判で裁く意味はあるのか
 長時間にわたった本日の公判を傍聴して特に感じたのは、揚げ足取り、あるいは重箱の隅を突くような尋問が散見されたことだ。もちろん、特に医療事故の裁判の場合、最終的な判断を下すには、細かな事実の積み重ねが不可欠だ。一つの事象で、有罪か無罪かが決まるわけではない。ただ、これらを差し引いても、質問の目的に疑問符が付くものが少なくなかった。また、何度も同様の質問が繰り返される場面も散見された。

 こうした尋問を聞くにつけ、仮に有罪判決が出た場合、何らかの問題解決になるのかという疑問もわいてくる。刑事裁判は、同様な事例の再発防止、癒着胎盤事例をはじめ周産期医療の安全体制の確立などにつながらず、もとより期待すべくもない。

 では果たして、遺族の救済につながるのか、いったい誰が何の利を得るのか——。今回も含め、この1月の初公判から数えて、計7回の公判を傍聴して筆者に浮かんだのは、こうした素朴な疑問だった。もちろん、現行制度下では、医療過誤に業務上過失致死罪を適用するのはやむを得ない面があるが、このままでは萎縮医療、そして医療崩壊を加速させるだけだ。早急に新たな法体系を確立する必要がある。

(橋本 佳子=日経メディカル オンライン)

(追記おわり)

各メディアの報道から。
朝日より。

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