2009-05-04

老境にある司修の装幀とCG あるいは安部公房の晩年

司修というと、コラージュをやりまくっていたかなり大昔の作品とか、絵本の挿絵を描いていた頃とか、そういうのしか思い出せないんだけど、
 最近、CGを使うのはイイが、すげーことになっている
というのをえびまゆさんが、ご自分のblog「さぶかるちゃん」で詳しく紹介されている。
 May 04, 200901:36 司修をしってるかい?〜このところ講談社が文庫化している大江作品の装丁がすさまじい件

ご老体がCGをやってみたのはいいけど、ということですかねえ。
最近、視力が落ちたので、そもそも本屋にあまり行かないから、よりによって大江健三郎の文庫の装幀で、こんな凄い事態が起きているとは思わなかった。

えびまゆさんが発掘したところによれば、94年頃には、CGを自分の作品でどう取り込もうかを、まだ模索してたそうだ。ううむ、
 そもそもソフトの選定とか、それ以前にコンピュータとの馴染み方
に問題があるような気がする。もう15年試行錯誤してるってことなんでしょう?

で、ついでに思い出したのが
 安部公房の晩年と日本語ワープロの関係
で、「ユープケッチャ」(『新潮』1980.2)を初出で読んで、それが『方舟さくら丸』になり、どうして安部公房のそれまでの言語世界が崩れてああなっていくのかよく分からなかったんだけど、87年にマシンを買ったときに、遊びに来た当時日立勤務の高校時代の友人が
 あ〜、安部公房って、最近ワープロ使ってるから、すっかり日本語ヘタになっちゃってさあ
とひょこっと口にした。87年当時というと、一太郎Ver.3が出たばかりで、安部公房はパソコンではなく、ワープロ専用機を使っていたとおぼしいから、書院だろうが、文豪だろうが、当時のローカライズされまくりスタンドアローン上等のワープロ専用機のあの使いにくい仕様では、溢れ出る日本語のイメージを書き留めるのは、実は無理だったのである。なんせ
 日本語タイプライター並みに使いにくかった
のである。文字は出ないは(そもそもJIS第一水準以外は出てこなくても不思議はない)、変換効率は悪いは、フォントはガタガタだは、と、いいところはあまりなかった。でも、なんかユーザは、各派に別れて、それぞれ自分の使っている機種こそが最高だと信じていた。
遅くても拡張性の点は大丈夫、というのなら、漢字ベタ打ちで、中国語文言テクストを入れる分には、EPSON 286-V STDのFDベース辞書で、アクセスするたびカタカタ音のする一太郎Ver.3を使っている方が、よほどストレスがなかった。
そんな日本語ワープロの黎明期に、なぜかプロの書き手がワープロを導入してしまったのが、晩年の安部公房の悲劇なんだろうな、と思ってるんだけど、さて、一体どうやって原稿を書いていたのか、裏は取ってない。

技術が使い手に見合う水準ならいいけど、遙かに劣っているか、あるいは使い手が使いこなせないかという状態だと、手仕事に戻った方がいいことがある。

伯父は、司修よりは遙かに年上だが、もう16年前からIllustoratorやPhotoshopを使いこなして、好きに絵を描いている。(一応、美術関係でご飯を食べている)
司修の場合は
 手ほどきをしてくれている人物が問題あり
なのか、CGソフトの使い方の理解に問題アリなのか、それとも
 もともとコンピュータに馴染みにくい体質
なのかは謎。

おまけ。
司修が嘗て描いた『不思議の国のアリス』挿絵。
ふしぎの国のアリス
文はまどみちおという、今では考えられない豪華コラボ。

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2009-04-26

森鷗外『澁江抽齋』の基礎資料佐藤家蔵の「澁江家資料」が杏雨書屋に寄贈される

武田製薬の大阪工場敷地内にある
 杏雨書屋
は、医学史関連の資料を収蔵・出版する財団法人である。
このたび
 森鷗外の史伝『澁江抽齋』の基礎資料となる「澁江家資料」の寄贈
を受けて、特別展示会(昨日終了)と研究講演会(昨日)が開かれた。


杏雨書屋特別展示会・研究講演会ご案内

第52 回特別展示会および第23 回研究講演会を下記の要領にて開催いたしますので、ご来場賜りたくご案内申しあげます。森鷗外の小説でおなじみの渋江抽斎がテーマです。

第52 回 特別展示会
テーマ:「渋江抽斎資料展」
日 時:2009 年4 月20 日(月)~24 日(金) 10:00~16:00
25 日(土) 10:00~17:00
場 所:大阪市淀川区十三本町2-17-85
武田科学振興財団 杏雨書屋 2階展示室

第23 回 研究講演会
日 時:2009 年4 月25 日(土) 13:00~15:00
場 所:大阪市北区芝田1-1-35
新阪急ホテル 2F 紫の間

演題・講師
I「渋江抽斎と医学館」
二松学舎大学東アジア学術総合研究所
専任講師 町 泉寿郎 先生

II「弘前藩江戸定府医官渋江抽斎とその系譜」
弘前大学医学部 名誉教授 松木 明知 先生
(以下略)

町泉寿郎氏の講演は、
 寄贈された澁江家資料
に即したもので、
 幕末に多紀家の私塾「躋寿館」から幕府の直轄となった「医学館」の実際
についての分析が面白かった。なかでも
 孔子を祭る「釈奠」
を真似て
 神農氏を祭る行事が行われていた
など、医学館の日常が伺える話が興味深かった。抽齋は「医学館講書一件記録」に様々な日常の行事などを事細かに記録しているのだが、町氏は
 澁江抽齋は記憶力に優れていた
と指摘されていた。
恐らく、
 映像記憶能力があった
のではないかと思う。映像記憶能力があれば、実は、後から詳細に記録を綴ることは、それほど困難ではない。
神農氏の祭儀の供え物などの図解が添えられていたり、宴席の献立を事細かに憶えているのも、そうした能力の助けあってではないか、と思った。
もっとも、宴席の献立について言えば、この時期のこうした祭儀の直会などの献立は、割合に決まり切った物なので、バリエーションが豊かになりすぎている現代のわたしたちから見ると献立の一々を憶えているのは驚異のように思えるが、それは食生活の基盤が違うのである。
また、
 森鷗外が17歳の頃付いた漢学の師佐藤元萇は、澁江抽齋がコレラで急逝した後を襲って医学館の講師となった人物
という指摘で
 『澁江抽齋』では、鷗外は「武鑑の蔵書印で初めて抽齋を知ったと言っているが、本当は、17歳で漢学を習ったときから、その名を耳にしていたのではないか」
ということだった。これは中井義幸『鴎外留学始末』でも指摘されている。
鷗外が史伝を書き始めるのは、大正天皇の大嘗祭で応詔詩を上った以降のことなのだが、確かに、
 漢詩を再び作り始める
のが
 澁江抽齋に筆を進める契機
になったのだとしたら、そのトリガーとして、漢学の師が媒介になったということはあり得るだろう。
松木明知氏は、父子二代にわたる『澁江抽齋』研究者でもあり、若い頃から今は亡くなられた澁江家関係者や森於菟などに直接会いに行っているそうで、ご自身が
 鷗外史伝研究の一部
となっていると言っても過言ではない。

杏雨書屋の特別展示会図録は、今回も太っ腹で、カラー図版多数で大変有益。講演会の会場では、レジュメと一緒に配布された。

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2009-04-19

裁判員制度を見据えて、青森県警「津軽弁の供述を翻訳」

日本語の方言の中でも、東北各県の方言は難解な物が多い。
とりわけ
 津軽弁の聞き取り
は、津軽弁に接した経験があっても、かなり難しい。

裁判員制度が始まるのを前に
 青森県警が「津軽弁の供述を翻訳」
することにしたという。
河北新報より。


津軽弁の供述を翻訳 青森県警が調書に導入

 津軽弁の「じぇんこ、出せ」は「金を出せ」の意味。5月の裁判員制度開始に向け、全国の警察が4月から導入している取り調べの一部録画で、青森県警が調書の津軽弁に標準語の訳を付けている。転勤などで青森に移り住んだ人が裁判員に選ばれ、難解な津軽弁の供述に出くわした場合、内容を理解できない恐れがあるためだ。

 警察の取り調べが妥当だったかどうかを示す一部録画は、取調官が容疑者の前で供述調書を読み上げるシーンなどを撮影。裁判員はその映像を法廷で見て、供述の信頼性などを判断する。

 調書には、容疑者が話した内容をそのまま記載するのが原則となっている。ただ、独特な言い回しの方言などが交じっていると、地元出身以外の裁判員は理解に苦しむことも想定される。

 分かりやすさを追求すれば言い換える手だてもあるが、標準語にすると迫真性が損なわれ、真意を伝えきれないという指摘もあり、県警は頭を悩ませていた。

 例えば「わ、たげ頭さきたはんで、ふったいてまったじゃ」という津軽弁の供述。「わたしは大変頭にきたので、殴ってしまったのです」と直すと「リアリティーに欠ける」(県警刑事企画課)というのだ。

 このため県警は、意味が通りにくいと取調官が判断した方言は容疑者に真意を問い直した上で、調書に標準語で「今のはこういう意味です」などと補足することにした。

 県警は「裁判員制度ではこれまで以上に分かりやすさが求められる。調書作成の際にも配慮していきたい」と話している。
2009年04月19日日曜日

いや〜
 わ(わたしは)、たげ(たいへん)頭さ(あたまに)きたはんで(きたので)、ふったいて(なぐって)まった(しまった)じゃ(のです)
って、文字で書いてもアレだが、これを有気音を伴う「は」など津軽弁特有の発音とイントネーションで話されると、まず、わたしも含めて、ヨソものは聞き取れない。

ま、
 わかりやすくする
なら、翻訳もやむなしでしょう。てか、
 他の方言では「翻訳」する必要性を感じないのか
という疑問が。共通語と同じ語彙で、全く意味が違う言葉って、さまざまな方言にあるんだけど、その一言が
 裁判員が罪状について判断するキーワード
だったとしたら、やはり
 翻訳
しないと、いかんのではないのか。

おまけ。
津軽弁講座。
JA職員による津軽弁講座
当然、これは序の口。

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2009-03-12

井波律子教授・合庭 惇教授退任記念講演会@3/11 日文研

小雨とまではいかない、霧雨が時々舞う昼下がり、日文研で
 井波律子教授・合庭 惇教授退任記念講演会
があった。
司会は鈴木貞美先生。鈴木先生の「送る」講演会での司会には定評がある。しみじみとした暖かみ溢れる司会が、わたしは好きだ。

合庭教授は
 「ハイデガーとマクルーハン:技術とメディアへの問い」
という題目で、PowerPointを使っての発表だったのだが、ここが日文研のシステムの弱いところで、時々、画面が落ちてしまう。
この
 ハイデガー
が、最後に梅原猛先生を「召喚」するトリガーになる。

井波先生は、今年で最後かと思うと感慨深すぎる。
 「中国の五大小説」
で、現在上巻が出ている岩波新書『中国の五大小説』のダイジェストといえばいいのか。こういうときでも井波先生は謙虚すぎて、
 受付で御著書を売る
などということをなさらない。岩波新書は値段が手頃だから、受付に置いてあれば、今日の受講者は喜んで買う人も少なくないだろうに。後から伺ったら、それをやるのは、個人ではちょっと大変だから止めた、とのお話だった。井波先生は秘書は置いてらっしゃらないからなあ。
 下が出ていたら、また別だったけど
とおっしゃっていたが、下はもうすぐ発売される。

井波先生が冒頭に自らおっしゃったように
 『西遊記』・『三国志演義』・『水滸伝』・『金瓶梅』・『紅楼夢』の5つの白話小説を60分で語る
というのは、少々難しすぎるのだが、ユーモラスな語り口で、聴衆から笑いを誘った。
先生ご本人は後から否定されていたけれども、わたしは井波先生の講演を拝聴していて、
 吉川幸次郎門下
ということをしみじみと感じた。井波先生は
 吉川幸次郎最後の弟子
と呼ばれる。これも有名な話だが、井波先生が3回生で中文に進学されたとき、教養で中国語を履修しておられなかった。中国語ゼロで、吉川先生の3回生向け授業である
 現代文講読
を受講された。その時、吉川先生の選択されたテクストは
 巴金の『家』か『夏』か
だった。巴金を中国語で読むのは、中国語中級以上であれば普通の話だけど、初級中国語も習得していない井波先生にも、中国語履修済みの学生と同じように、予習が求められたと聞いている。それと、一度でも巴金を読んだことがある中国語履修者なら知っているように、巴金の小説は、どれも、言葉はそう難しくはないが、やたらと長い。おまけに、そうでなくても、吉川先生の現代語講読の進み方は速い。ちょっと中国語ができると思っている学生でも予習が大変で、準備が間に合わず、不十分な発表に対し、吉川先生の雷が落ちるのは例年のことだったのだ。
その年の現代文講読の授業は、実に凄まじいものになったというのは、今に伝説となっている。そうした厳しい学部の2年の研鑽の成果が、井波先生の卒論
 「文心雕龍論(ぶんしんちょうりゅうろん)―その文学の根本的原理への道程」
である。(『中国的レトリックの伝統』所収)
卒論の評価が厳しいことで有名だった吉川幸次郎先生が、
 これは良く書けている
と珍しく優を付けた、とこれも伝説になっている。
『文心雕龍』は難しい書物である。六朝梁の劉勰[キョウ]の文芸理論書であり、いかに中国語の勉強が進もうと、読みがたい部分は残る。しかし、22歳の井波先生の筆は奔り、『文心雕龍』と四つに渡り合っている。処女作は、作家のすべてを表すというが、井波先生の卒論は、その後のご活躍を約束する素晴らしい文章である。

もう一つ、京大中文で当時助教授だった高橋和巳の教えを受けた、数少ない研究者のお一人が、井波先生だ。いま一人は小南一郎先生である。だから、井波先生も小南先生も、高橋和巳に言及されるときは
 高橋先生
とおっしゃる。

高橋和巳が筑摩書房と約束し、井波先生と小南先生と、お三人それぞれ分担して始めたのが
 『三国志』(正史)
の現代語訳だった。ところが途中で高橋和巳は亡くなってしまう。それまでに井波先生は担当された『蜀書』の原稿は完成されていたのだったが。
いま刊行されている、今鷹真先生と井波先生、小南先生共同訳のちくま学芸文庫版の現代語訳は、稿を改められたものと伺った。
念のために言っておくけれども
 手書きの時代の『蜀書』全訳の原稿
を、改めたということだ。今みたいにワープロで書いて、ちょいちょい直す、なんて簡単な話ではない。どれだけ労力がかかるかは、想像を絶する。筆圧の高い人なら、書痙になっても不思議はないくらいの量だ。

正史の『三国志』の翻訳を経た上で、井波先生個人全訳の
 『三国志演義』
がある。恐らく、正史と演義の双方を訳した日本人は他にはあまりいないのではないか。文言(中国語文語文)と白話では、同じ中国語といっても、かなり違う上に、『三国志演義』は古白話であり、文言に比べて、より成立した時代のエッセンスを深く吸収している言語で書かれているから、文言と対するのとは別なセンスが必要になる。
正史『三国志』のみならず、六朝期の手の込んだ美文を相手に、一歩も退かない研究を続けられてきた井波先生の学問があってこそ、古白話『三国志演義』の個人全訳が叶ったのである。

お二人の講演が終わったときに、ちょっとしたハプニングがあった。
最前列で、お二人の講演を熱心に聞いておられた梅原猛先生が、
 一言、送る言葉を
と、演壇に立たれたのである。恐らく
 合庭教授の「ハイデガー」論
が、梅原先生のアンテナを刺激したのではないかと思われる。普段、こうしたことはそうは起きない。
梅原流のレトリックで、二人の先生を称揚し、ねぎらわれた。時間が大丈夫かな、と若干ひやひやしたけれども、無事、予定した時間を少しだけ過ぎた辺りで話し終えられた。

その昔、中文研究室のロッカーをみんなで掃除したことがある。
このロッカーには、歴代の先生方の卒業論文が秘蔵されている。というか、すべての卒業生の卒論が入れられている筈なのである。そのことを知っているから、その後京大に赴任された先生の中には、ご自分の卒論をこっそり持ち帰られたりする先生もある。「あ、○○先生の論文がない!」というので、後輩どもはその事実を知るのである。その当時、学部生は、自分が卒論を書くときは、先生方が帰られた夕方5時以降に、あくまでもこっそりとなら、このロッカーを覗くことが出来ることになっていた。
さて、このロッカーには、なぜか
 複数の古い写真
も秘蔵されていた。たまたま、中に入っている何かを探す話になって、ついでに掃除をしたら、
 院生当時の井波先生の映った写真
も出てきた。
 京大東洋学のアイドル
と謳われた当時のものである。十代の少女と見紛う、野の花のように可憐で、こぼれるばかりの笑顔の写真が残っていた。

井波先生が学部から大学院の時代は、大学闘争と重なる。
 研究室なんて、ドアから入ったことがない。窓から入っていた。
と以前伺ったことがある。建て直す前の中文研究室には、廊下側に窓があり、そこが学生や院生の出入り口になっていたそうである。

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2009-02-24

本屋の魂 北京・珍本書店

古中先生のblog「古代中国箚記」の
 珍本書店
という記事で、北京で以前、機関服務の専門書店だった珍本書店が個人向けに書物の販売を始めたと教えられた。
 珍本書店(中国語簡体字)
機関服務の専門書店となると、入手しづらい書物を持っていたり、特別なルートで探求書を見つけてくれたりする特技をもっていたりする。
試しに、4冊ほど注文をしてみた。

すると、昨日


 ご注文の書籍の内、『新安医籍文献学研究』は当店の在庫にもなく、またあちこちに問い合わせてお探ししましたが、手に入りませんでした。
 他の3部の書籍については、すでにございますが、これだけ先に発送しましょうか、ご指示を願います。

というメールが来た。
ないのなら仕方がない。
 3部だけ送って下さい。お手数をおかけしました。
と返事を書いた。
すると、今朝


 著者の手持ちの分を入手できましたので、お送りします。
 他の3部の書籍は、先に発送するつもりでしたが、一緒に届くかと存じます。

という新しいメールが来た。
 著者の手持ち分を入手
って、凄いぜ、珍本書店。出版社が手持ちの分を売ってくれることはあっても
 一介の本屋が、著者手持ち分を分けて貰うことができる
というのは
 北京の書店文化のなせる技
かも知れない。日本では専門書を扱う本屋のオヤジは必ずしも教養人ではないが、
 北京の専門書を扱う本屋のオヤジは教養人
なのである。知り合いの本屋の会長が、以前、北京で本の買い付けに行って、その辺りで往生した、という話を聞いたことがある。
 筆で流麗な文字を書くのは当然
であり、
 古典の教養を始めとして、古籍・書画の鑑定や文房四宝や茶についても一家言あるのが「本屋のオヤジの教養の範囲」
なのだそうだ。

いや〜、何だかんだと批判の多い「拝金主義に堕した最近の中国」ではあるが、
 まだまだ愛すべき、読書人の伝統は根強く残っている
と見た。北京だからかも知れないが、敬服いたしました。
むしろ、こうした
 本屋の魂
ともいうべきものは、日本の本屋からの方が、失われつつあるのかも知れない。

おまけ。
戦前の中国語教科書である
 傅芸子『支那語會話篇』弘文堂書房 昭和13年
を、北京人が録音したテープを大学の先輩から贈られ、それを正月にデジタル化した。
ちょうど、第24課が本屋での会話だった。
内容はこちらに。
 2007-06-15 傅芸子(ふうんし)著倉石武四郎識『支那語会話篇』弘文堂1938
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/1938_bc6b.html

テープをくださった先輩にデジタル化したデータを差し上げたいのだが、問題は、先輩は恐らくほとんどコンピュータを活用されてないということだ。さて、音声ファイルをどうしたものか。
それと、録音データは長いままの音声ファイルなので、各課ごとに区切って編集し直そうと思って、
 Audacity 1.3.7.1
をダウンロードしたのまではいいけど、使い方がよく分らず、各課ごとにファイルを分割できない。一番簡単な操作なんだろうけど。ビデオ編集は出来るのに、音声編集ができないのは相当間抜け。
 

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2009-02-06

情報の可視化幻想 一番大事な物は見えないかも知れない

古典文献学などという
 長期衰退分野
に関わっていると、
 なんでも見えるところにある、見えるところにあるものは信頼できる
という考え方はヘンだな、と感じる。
たとえば、いくらデジタルアーカイブがたくさん出来ているにしても、まだまだすべてを網羅できてはいない。木簡や竹簡、文書など手で書かれた文字資料は
 釈読
というプロセスが必要になるが、それは個々に任された作業で、
 他人の作った釈読は、現物か写真を見て確認する
のが、ベストだ。それが出来ない場合に初めて、釈読の典故を明かした上で利用する。

ところが
 可視化の作業
では、この
 デジタル化された画像
ではなく
 最後に得られた釈読だけ
を無批判にコピペすることが結構まかり通ったりする。
逆に言えば、
 コピペできない資料はオミットされる
ということが出てくるのだ。

以前、CMの歴史を研究しているヒトと話をしてもの凄く違和感があったのは
 まだ、CMの草創期を知っている人間が生きているのに、その本人達に全く話を聞かず、単に「同時代の雑誌資料など、文字化された資料に依拠」
していたからだった。
 実際に携わった人間に話を聞くより、CM昔話の方が「文字化されている分、信頼できる」
と思っていたのだろうか。それとも
 インタビューは別人にやってもらって「文字化されたものだけおいしく頂く」
ということだったのだろうか。

そろそろ、テレビの草創期に仕事してた人たちはお亡くなりになるか、病気でインタビューが取れなくなるんだけどな。

自分で文字起こしをする、という作業を抜きにして
 コピペできる資料だけに依拠する
のであれば、
 情報の可視化とは「実は見えない壁の中の騒動」
ということになるだろう。喩えて言うなら
 シナプスを切りまくって、脳味噌を自ら萎縮させている
ってことになる。

会員制BBSのログのように
 誰も保存せず、いつか消えてしまう記録
は、電子界の藻屑なのかも知れないが、かなり貴重な情報を含んでいる。これは
 広く可視化されてない、デジタル情報
である。デジタル化された情報でも、すべてが世界に開かれているわけではないのだ。

googleなど検索ソフトは偉大だが、こぼれ落ちている中に、大事な物があったりする。

本当に大事な物は見えないかも知れない、という恐れを常に懐きつつ、資料に当たるよう、自分も含めて気をつけないとね。

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2009-01-27

梶井基次郎『檸檬』の舞台の一つ「八百卯」が閉店

寺町二条角の青果店
 八百卯
といえば
 梶井基次郎『檸檬』の舞台の一つ
だ。以前、寺町二条に東方書店があった頃は、本屋帰りに寄ったりもした。寮にいる頃は、寮生と一緒に出かけて、二階のフルーツパーラーで、ちょっと余所にない変わったメニューを注文したりした。下の青果店はともかく、上のフルーツパーラーは半分道楽でやっているとかで、学生でもたまには寄れる程度の、割と良心的な値段だった。
覚えているのは
 フルーツサンドと無花果パフェ(季節限定)
だったかな? 店主とおぼしき男性が一人で、黙々と作ってくれたのがまだ目に浮かぶ。
階下の青果店には、かつて
 中京のいけずな京美人
を絵に描いたようなおばさんがいて、京都の怖さを、うっかり果物を買いに来た余所者に思い知らせていた。さすがにもう生きてはいまい。

で、その八百卯が閉店してしまった。
京都新聞より。


中京、「檸檬」の果物店閉まる 梶井基次郎の小説 4代目急逝で

静かに創業130年の歴史に幕を下ろした八百卯。小説「檸檬」の舞台として親しまれた(京都市中京区)

 梶井基次郎(1901−32年)の小説「檸檬(れもん)」の舞台として知られる京都市中京区寺町通二条角の果物店八百卯(やおう)が26日までに、店を閉めた。もう一つの舞台だった書店はすでになく、多くの文学ファンに親しまれた京都の「名所」がまた一つ姿を消した。

 八百卯は1879(明治12)年の創業。梶井基次郎が1925年に発表した「檸檬」で、主人公が三条通にあった丸善・旧京都店の書棚に、爆弾に見立て置き去ったレモンを買い求めた店として知られる。後に同区河原町通蛸薬師上ルに移転した丸善(京都河原町店)は、2005年に閉店している。

 八百卯関係者によると昨年10月、4代目の店主村井義弘さんが63歳で急逝し、創業130年の歴史に幕を下ろすことになったという。

 シャッターが下ろされた店先では、道行く人たちが閉店を知らせる小さな張り紙に驚いたように足を止め、名残を惜しんだ。店を手伝ってきた親族は「檸檬の店と、長い間、大事にして頂いてありがたかった。本当に残念です」と話した。

 「そこは決して立派な店ではなかったのだが、果物屋固有の美しさが最も露骨に感ぜられた。」(梶井基次郎「檸檬」より)

フルーツパーラーをやってたのは、この四代目だったのか、それとも先代だったのか。息子さん、と聞いたような気がするから、四代目だったのかな?

かつてまだ丸善が河原町に健在だった頃、八百卯に檸檬を買いに来て
 丸善はどこですか
と聞く、酔狂な人がたくさんいたとか。たぶん、丸善に檸檬を置きに行ったのだろう。丸善にしてみれば、迷惑な話である。
その丸善もなくなり、八百卯も閉店してしまった。これで
 檸檬ごっこ
もできなくなったわけで、まあ、それはそれで結構なことかも知れない。

寺町二条界隈には最近、全然足を向けてないな。うろうろすると、結構、面白いところなのだが。
寺町御池まで下がって、亀屋良永で御池煎餅を買って帰るのが、一つの楽しみだった時期がある。いまは、御池煎餅は、割とどこにでも売ってるからな。それでも、古い店の黒い引き戸を開けて、御池煎餅を求めるのは、京都に住んでいる楽しさの一つではあった。亀屋良永も長いこと行ってないな。
御池煎餅が好物であるのは、変わらない。

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2008-07-28

2年ぶりの初校

締切を間違って、慌てて一昨年提出した論文の初校が届いた。どこで出すかが決まらなくて、長い間店晒しになっていた模様。どうなったのかな〜、と時々案じていたのだが、一応形になることになったので、まずは一安心だ。
主たる専門ではなく、現代のある地域についてのものなので、校正もかなり気楽。古典文献学のものを2年も放置していると、集めた資料がすぐ出てこなくてかなり焦る。

久しぶりに、フィールドに出たくなった。サーチャージが高くなったので、以前ほど簡単に調査に行けないのがネックだ。

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2008-06-28

立松和平の栃木弁

立松和平が、
 二度目の盗作騒動
を起こした。前回
 光の雨事件
では、立松の盗作は大騒ぎになったが、今回はそれほど騒がれてないのは
 立松が作家としては終わっている証拠
でもあるし、それ以上に
 文学がとっくに終わっている状況
を示している。いまの立松は
 小説も書いたりする「文化人」
であり、講演やイベントに顔を出して稼ぐ方が多いだろう。このシステムは、芥川龍之介在世の頃にはすでにあった。
 文学の原稿料は驚くほど安い
んだそうで、作家は
 いくつか文学作品を出して賞を取る
ことで、「作家としての地位」を上げ、同時に
 講演料がアップする
仕組みになっているらしい。
 執筆の合間に講演
なのだが、講演の方が、遙かに小説を書くよりは簡単で時給も高い。ま、最近は
 「受賞小説」は宣伝用の材料
って位置づけなんだろうと思う。こんなサイトを見ていると、現代の日本で、文学のポジションがどうなっているか、よく分かるのだ。
新人賞をとって作家になる!
新人作家が講演で稼いで、執筆時間を確保できない風潮を、30年くらい前に嘆く評論を文芸誌で読んだことがあるが、今は、もうそれは「当たり前」で、
 自分の才能を見極めて、話題性のある内に手っ取り早く稼いで消えていく作家
というビジネススタイルもありだろうな。誠実に書き続ける営為はしんどいからね。でも
 以前〜賞を受賞した
という経歴は消えないから、別な仕事についていても、そのことがプラスに働く仕事であれば、いいわけだ。少なくともマスコミに対しては使えるカードだ。しかも、一度受賞しちゃうと
 断筆宣言でもしない限り「作家」
扱いだからね。

朝日より。完全に、立松擁護体制の報道。


立松和平氏の小説「二荒」絶版、他の著作と類似指摘受け

2008年6月28日10時9分

 作家の立松和平氏の小説「二荒(ふたら)」(新潮社)の内容の一部が、「日光鱒釣紳士物語」(山と渓谷社)と類似していることが、著者の福田和美さんからの指摘でわかり、新潮社は28日までに「二荒」を絶版とした。

 新潮社は指摘を受けて検討した結果、「福田氏の著作の創作部分の一部を、立松氏が歴史的事実と誤認して使用した個所がある。参考文献として明示してはいるが、参考の域を超えた使用の仕方だ」と判断したという。

 立松氏は「大変驚きました。『はじめに』で福田氏は歴史的事実を書いたと強調しているし、私の知識や取材結果と内容が合致しているので、『日光鱒釣紳士物語』の内容はすべて歴史的事実と思いました。紛争を回避するため、新潮社と相談のうえ絶版としました。書き直したものを再出版する予定です」とのコメントを出した。

朝日は立松と仲がいいから、立松寄りの報道である。つかさ、
 版元に盗作と認定されているのに、この立松のコメントは何だ
って話で。まるっきり
 立松の代弁者
じゃないか、朝日新聞文化部。そんなに、
 立松の擁護をしないと、売り上げに響く
のか。
朝日の天敵NHKも
 立松をよく使うテレビ局
なので、今回の話を大事にしたくはないだろう。「奈良で仏教関係」などの番組制作のとき
 文化人キャスティングのトップの方に入っているのが立松和平
だったりするからな。これから遷都1300年祭があるので
 是非、どこかで立松を使いたい
という企画を立てているCPがいるだろうと思われる。てか、NHKのキャスティング能力ってそんなもん。一度
 この人は仏教ネタで使える文化人
というキャラ付をすると、何十年経っても、同じキャスティングで使う。

立松は、朝日やNHKには都合のいい文化人で、最近では、
 仏教系イベントでスピーカーとして立松を呼ぶ
なんてことをしている。朝日もNHKも
 商売の関係で、立松にあまり傷を付けたくない
だろう。テレ朝「ニュースステーション」時代には、立松はレポーターとして、
 こころと感動の旅
を担当、出演していた。立松は栃木弁で訥々と話すので、
 容貌や服装も含め、いかにも純朴で、誠意がありそうに見える
のが、テレビ的にも、本人のイメージづくりにも実においしかった。
立松を呼ぶようなイベントに来る善男善女は
 後期高齢者の方々がメイン
だろうからな。こうした方々は
 情報弱者であって、かつ一度ついたイメージがなかなか払拭できない
から、
 「ニュースステーション」時代の立松
を見に、イベント会場に足を運ぶだろう。

読売は客観的。


立松和平氏「二荒」絶版、日光市職員の著作と類似点

 作家の立松和平氏の小説「二荒(ふたら)」(新潮社)の内容の一部が、栃木県日光市職員の福田和美氏の著作「日光鱒釣紳士物語」(山と渓谷社)の記述と類似していることが分かり、新潮社は27日までに「二荒」の絶版を決めた。


 福田氏からの指摘を受けて同社が調査したところ、昭和初期に中禅寺湖で鱒釣りに来ていた外国人と地元のガイド役との交流を描いた「二荒」の第二章の冒頭部分が、福田氏の作品の創作部分と類似していた。

 立松氏は、本の巻末の参考文献に同書の名前を挙げていたが、新潮社は「使用の仕方が参考の域を超えていると判断せざるを得ない」とし、立松氏と協議の上、絶版とした。

 立松氏は「内容は、歴史的事実と思いました。紛争を避けるため、絶版にしました。書き直したものを再出版する予定」などとコメントを発表した。

(2008年6月27日15時18分 読売新聞)

毎日はそれほど擁護してない。


絶版:立松さんの小説「二荒」、別人の著作と類似--新潮社

 作家、立松和平さん(60)の小説「二荒(ふたら)」(新潮社)の記述の一部が、栃木県日光市職員、福田和美さんの著書「日光鱒釣紳士物語」(山と渓谷社)と類似していることが分かった。新潮社は27日までに「二荒」を絶版にした。

 「二荒」は、日光市を舞台に、実在の人物をモデルにした恋愛小説。昨年9月に刊行され、今年2月、福田さんが自分の本に似ていると指摘。新潮社が調査したところ、第2章の冒頭、登場人物のせりふなどが福田作品の創作部分と似ていた。新潮社は「参考文献として挙げていたものの、参考の域を超えて使用していると判断せざるを得ない」と、4月末に絶版を決めた。

 立松さんは「福田さんの前書きなどからすべて歴史的事実と思いました。紛争を回避するため、絶版としました。該当部分を書き直したものを再出版する予定です」など文書でコメントを発表した。

 立松さんは93年に小説「光の雨」を文芸誌に連載中、小説が連合赤軍事件の坂口弘死刑囚の自伝的著作に酷似していたことから「盗用だ」と、支援者らの抗議を受けた。この時立松さんは無断引用を認め全面的に謝罪、連載を中止している。【岸桂子】

毎日新聞 2008年6月28日 東京朝刊

光の雨事件について、字数を割いている。

スポニチは鋭く突っ込んでいる。


立松和平氏またパクリ…新潮社は小説「二荒」絶版に

◆ 日光市職員著書と類似 ◆

 作家・立松和平氏(60)が昨年発表した小説「二荒(ふたら)」(新潮社)の一部が、9年前に出版された本と酷似していることが分かり、新潮社は27日までに同書を絶版にした。

 立松氏は1993年、雑誌に連載中だった連合赤軍リンチ事件を扱った「光の雨」が、メンバーの手記と似ているとの指摘を受け連載を打ち切ったことがある。当時、立松氏は関係者に謝罪するとともに、テレビや講演会活動を自粛した。

 立松氏が引用していたのは日光市職員・福田和美さんの著書「日光鱒(ます)釣紳士物語」(山と渓谷社)。新潮社などによると、日光に釣りに来た外国人をめぐって「二荒」の中で描かれたガイドの会話が、福田さん創作のせりふと類似していた。

 立松氏は福田さんの著書に「本の内容は『歴史』である」と書いてあったことを挙げ「同書を歴史的事実であると思った」と説明。巻末で「日光-」を参考文献として挙げたが、同社は「参考の域を超えている」として絶版を決めた。

 立松さんは「紛争を回避するため、新潮社と相談し絶版にした。該当個所を書き直したものを再出版する予定」とコメントした。「二荒」は人間の生について描いた長編で“作家生活30年の到達点”との触れ込みで出版された。
[ 2008年6月28日付 ]

スポニチは、前提となる
 光の雨事件の顛末
にちゃんと触れているし、今回問題になった「二荒」が
 作家生活30周年の「記念出版」的作品
であることにも言及している。こうした
 立松の「作家としての誠意」を疑わせるような事実
を、なぜか全国紙の方が書かないんだから、いかに、最近の新聞社が
 イベントを重視してるか
って話ですな。
 「客を呼べるタレント文化人立松和平」の値打ち
を、あまり下げたくはない、ってことだろうね。

で、ちょっと呆れる話をすると、立松が今回盗作した書籍の出版元「山と渓谷社」は、立松の書籍の版元でもあるわけだ。自分の版元から出ている他人の出版物を盗作ってところが、モラル的に信じられない。

やっぱり
 立松の栃木弁
に騙される人が、世の中には多いってことだな。二度も盗作問題を起こす人間が
 作家として誠実
であるとは、到底思えない。盗作問題というと山崎豊子が有名だが、こちらは社会小説のヒトだ。立松はいわゆる「文学」としての小説を書いてたはずなんだが、文学って
 作家のオリジナリティが生命線
だったんじゃないのか。
たぶん、今後も立松は生き延びていくんだろうし、それは
 日本の文化水準がそういうもの
だということだ。

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2008-06-24

2ch語訳『徒然草』

keenさん経由。

ワラノート 徒然草を現代語訳してみる 2008-06-21

現代語訳というより超訳かつ2ch語訳。ま、ご一読を。

こんな感じ。


1 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/20(金) 21:58:25.79 ID:efdoNEKd0
【序段】
暇だから書いてみた。反省はしていない。

6 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/20(金) 22:02:45.42 ID:wEy1808r0
つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて

109 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/21(土) 02:03:36.75 ID:diXUlC+20
【第39段】
誰かが法然上人に「念仏を唱えてたら眠くなってついついサボっちゃいます。どうしましょう」
と聞いたら、「起きてるときに唱えたら?」と答えたって。深いよwwwwwww
あと、「極楽に行くのも確実と思えば確実、不確定と思えば不確定」とも言ったそうで。これも深いwwwwwwwww
あとは「疑ってても結局極楽には行くから」って。ちょwwwマジパネェwwww


原文
*第三十九段
或人(アルヒト)、法然(ホフネン)上人に、「念仏の時、睡(ネブリ)にをかされて、行(ギヤウ)を怠り侍る事、
いかゞして、この障(サハ)りを止(ヤ) め侍らん」と申しければ、「目の醒(サ)めたらんほど、念仏し給へ」
と答へられたりける、いと尊(タフト)かりけり。
また、「往生(ワウジャウ)は、一定(イチヂヤウ)と思へば一定、不定(フヂヤウ)と思へば不定なり」と言はれけり。これも尊し。
また、「疑ひながらも、念仏すれば、往生す」とも言はれけり。これもまた尊し。

119 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/21(土) 02:50:19.94 ID:diXUlC+20
【第56段】
久しぶりに会ったのに自分のことばっかり話すやつってちょっとキモいよね。
親しいって言っても久しぶりじゃん。ちょっとくらい遠慮しろっつーのwww
バカはちょっと出かけたくらいでも今日は何とかがあっただのベラベラしゃべりまくってセルフ受けしてやんの。もうバカ丸出し。
できる子はいっぱい人がいて、そのうちの一人に話してたってみんなが聞くもんなのにね。
バカはどこにでもしゃしゃり出てきてまるで見てきたかのようにDQN全開でしゃべってくれやがるから当然のごとくフルボッコwwww
話題転換で話を振ってもガン無視、またくだらねー話題でセルフ受け。もうね、アホかと、バカかとwwwww
人がマジレスで話してるときにテメーのおしゃれとかの話をしだすなっつーのwwww半年ROMってろwwwwww


*第五十六段
久しく隔(ヘダタ)りて逢ひたる人の、我が方にありつる事、数々に残りなく語り続くるこそ、あいなけれ。
隔てなく馴れぬる人も、程(ホド)経て見るは、恥づかしからぬかは。
つぎざまの人は、あからさまに立ち出でても、今日(ケフ)ありつる事とて、息も継ぎあへず語り興ずるぞかし。
よき人の物語するは、人あまたあれど、一人に向きて言ふを、おのづから、人も聞くにこそあれ、
よからぬ人は、誰ともなく、あまたの中にうち出でて、見ることのやうに語りなせば、皆同じく笑ひのゝしる、いとらうがはし。
をかしき事を言ひてもいたく興ぜぬと、興なき事を言ひてもよく笑ふにぞ、品のほど計(ハカ)られぬべき。
人の身ざまのよし・あし、才(ザエ)ある人はその事など定め合へるに、己(オノ)が身をひきかけて言ひ出(イ)でたる、いとわびし。

140 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[sage] 投稿日:2008/06/21(土) 03:44:25.02 ID:diXUlC+20
【第78段】
最近のトレンド? 流行? 追っかけてるのを見たらバカとか思っちゃう。
こういうのにうとい人のほうがむしろ知的だろwww
新参に対して超ローカルな話題とかスラングで会話しちゃってニヤニヤしてんの、
社会不適格者によくあることだよねwwwwwwwwwwwwww


原文
*第七十八段
今様(イマヤウ)の事どもの珍しきを、言ひ広め、もてなすこそ、またうけられね。
世にこと古りたるまで知らぬ人は、心にくし。
いまさらの人などのある時、こゝもとに言ひつけたることぐさ、物の名など、心得たるどち、
片端(カタハシ)言ひ交し、目見合(メミア)はせ、笑ひなどして、心知らぬ人に心得ず思はする事、
世慣れず、よからぬ人の必ずある事なり。

1 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 15:06:14.14 ID:4zCkW4W+0
じゃ、続き続き。時間もないから飛ばし飛ばしやって行きます。


【第79段】
何でも口挟んじゃう痛い子いるよね。知ってる奴はわざわざ言わないのにね。
田舎モンとか知ったか多いよねwwwwww
聞いてるほうが痛々しいっていうか、厨二病全開すぎwwww
ま、知ってても余計なことはぺらぺらしゃベんなっつーこった。


原文
何事も入りたゝぬさましたるぞよき。よき人は、知りたる事とて、さのみ知り顔にやは言ふ。
片田舎よりさし出でたる人こそ、万の道に心得たるよしのさしいらへはすれ。
されば、世に恥づかしきかたもあれど、自らもいみじと思へる気色、かたくななり。
よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言はぬこそ、いみじけれ。


4 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 15:20:30.40 ID:4zCkW4W+0
【第85段】
人にはツンデレ要素があるから、うそとかたまにはあると思う。でも素直クールなのもありだと思う。
普通はできる人を見てちょっとうらやましい、くらいなんだけど、馬鹿は逆恨みして
「どうせ商業主義の偽善者なんだろ」とかくだまいちゃうwww
ほんとバカwwバカ丸出しwwwwwwww
この手の馬鹿は治らないwwもう手遅れwwちまちま小銭稼いで一生バカやってろwwwwwwwwwwww
道端で⊂二二二( ^ω^)二⊃とかしたら、こいつはバカ決定。
俺は悪い奴だぜとかいきがって人殺したら犯罪者。
馬だって駿馬になる努力をしたら駿馬になる。国家一種狙ってたら地方の公僕くらいにはなるよね。
バカでも死ぬ気で勉強したら賢いって言っていいかも(笑)ですwwwww


原文
人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。されども、おのづから、正直の人、などかなからん。
己れすなほならねど、人の賢を見て羨むは、尋常なり。至りて愚かなる人は、たまたま賢なる人を見て、これを憎む。
「大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽り飾りて名を立てんとす」と謗る。
己れが心に違へるによりてこの嘲りをなすにて知りぬ、この人は、下愚の性移るべからず、
偽りて小利をも辞すべからず、仮りにも賢を学ぶべからず。
狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。
驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

13 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 16:21:33.18 ID:4zCkW4W+0
【第111段】
「ひがな一日ゲームばっかりやってる奴は死ねばいいと思うよ」
とある偉い人の言葉です。ありがたく聞けよ^^


原文
「囲碁・双六好みて明かし暮らす人は、四重・五逆にもまされる悪事とぞ思ふ」
と、或ひじりの申しし事、耳に止まりて、いみじく覚え侍り。


14 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[sage] 投稿日:2008/06/22(日) 16:25:07.98 ID:AxcmwJgV0
今日一日ゲームやってた俺涙目


15 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 16:33:46.89 ID:4zCkW4W+0
【愛113段】
40超えたおっさんがイロコイに目覚めて、黙っとけばいいのに男がどうのとか女がどうのとか、
調子にのって他人事にまで首つっこんじゃうのが痛々しくて見てらんないwwww
おっさんがゆとりに混じってウケ狙い、クズのくせにまるで有名人みたいに自分語り、
貧乏人が見え張っておごりでオフ会、こういうのマジ痛いからwwwwwwwwwww自重しろよwwwww


原文
四十にも余りぬる人の、色めきたる方、おのづから忍びてあらんは、いかゞはせん、言に打ち出でて、
男・女の事、人の上をも言ひ戯るゝこそ、にげなく、見苦しけれ。
大方、聞きにくゝ、見苦しき事、老人の、若き人に交りて、興あらんと物言ひゐたる。
数ならぬ身にて、世の覚えある人を隔てなきさまに言ひたる。貧しき所に、酒宴好み、客人に饗応せんときらめきたる。


16 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 16:41:17.24 ID:4zCkW4W+0
【第116段】
寺の名前とか物の名前とか、昔は普通につけてた。最近はひねってるか何かわからんけど、アホな名前が増えてる。
子どもにDQNネームつけてる親とか何なの?死ぬの?
そういうの、アホがやることだからwwww普通の人はしないからwwwww


原文
寺院の号、さらぬ万の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。
この比は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。
人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。


19 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 16:46:57.37 ID:4zCkW4W+0
【第120段】
中国産は、薬以外いりません。本も大分ひろまったからコピ本とかも結構出回ってるしね。
中国から日本海の荒波をガラクタ積んでえっちらおっちら来てるんでしょ?バカじゃねーの?
「海外品は宝じゃない」「レア物はほしがっちゃいけない」って中国の本に書いてるじゃんwww


原文
唐の物は、薬の外は、みななくとも事欠くまじ。書どもは、この国に多く広まりぬれば、書きも写してん。
唐土舟の、たやすからぬ道に、無用の物どものみ取り積みて、所狭く渡しもて来る、いと愚かなり。
「遠き物を宝とせず」とも、また、「得難き貨を貴まず」とも、文にも侍るとかや。

33 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中[] 投稿日:2008/06/22(日) 17:58:13.57 ID:4zCkW4W+0
【第234段】
釣りっぽい質問に対して、知ってるクセにマジレスしないのはよくない。
もっと深く知りたいと思ってるかもしれない。もしかして釣りじゃないかもしれない。全力で釣られてこそVIPだろ。
あんまり世間に広がってないものを、自分が知ってるからって「あいつがあんなことをするなんて……」
なんてメールを送ったりしたら「は? 何それ?」とか聞き返されるだろ。
広まってることだって情報逃してるかもしれないじゃん。だからそういうのはちゃんとわかるように書いてやるのが真のVIPPER。
文章が足りないのは頭が足りないからなんだよwwwww


原文
人の、物を問ひたるに、知らずしもあらじ、ありのまゝに言はんはをこがましとにや、心惑はすやうに返事したる、よからぬ事なり。
知りたる事も、なほさだかにと思ひてや問ふらん。また、まことに知らぬ人も、などかなからん。
うらゝかに言ひ聞かせたらんは、おとなしく聞えなまし。
人は未だ聞き及ばぬ事を、我が知りたるまゝに、「さても、その人の事のあさましさ」などばかり言ひ遣りたれば、
「如何なる事のあるにか」と、押し返し問ひに遣るこそ、心づきなけれ。
世に古りぬる事をも、おのづから聞き洩すあたりもあれば、おぼつかなからぬやうに告げ遣りたらん、悪しかるべきことかは。
かやうの事は、物馴れぬ人のある事なり。

泉下の兼好法師が、くしゃみしてるんじゃあるまいか。

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2008-05-24

「難波津の歌」と『万葉集』収録歌が裏表に記された木簡見つかる@紫香楽宮跡(滋賀県甲賀市信楽)

やはり
 木簡としては薄すぎるのが問題
だ。

木曜日は少し夜遅く帰ってきたのだが、
 紫香楽宮跡と推定される滋賀県甲賀市信楽の宮町遺跡から出土した木簡の裏表に「歌」が書いてある
のが、大きなニュースになっていた。昨日の大阪本社版朝日の朝刊では一面トップの扱いだ。


万葉集成立前?に万葉集収録の歌を書いた木簡が出土
2008年05月22日

 滋賀県甲賀市教委は22日、奈良時代に聖武天皇が造営した紫香楽宮(しがらきのみや)跡とされる同市信楽町の宮町遺跡(8世紀中ごろ)から、国内最古の歌集の万葉集の歌が書かれた木簡が見つかったと発表した。万葉集収録の歌が木簡で確認されたのは初めて。出土した他の木簡に記載された年号から、この歌が収められた万葉集16巻の成立(750年前後)より数年から十数年前に墨で書かれたとみられる。
 
万葉集の歌などが記された木簡=滋賀県甲賀市、諫山卓弥撮影
  
 木簡は上下二つに分かれて出土し、上部は長さ7.9センチ、下部は14センチ、いずれも幅2.2センチ、厚さ1ミリ。上部の片側には漢字1字で1音を表記する万葉仮名で「阿佐可夜(あさかや)」、下部には「流夜真(るやま)」と書かれている。万葉集16巻には、陸奥国に派遣された葛城王をもてなした前(さき)の采女(うねめ)(元の女官)が、王の心を解きほぐすため宴席で詠んだ「安積香山(あさかやま)影さへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに」が収録されている。

 反対側の面にも「奈迩波ツ尓(なにはつに)」「夜己能波(やこのは)」「由己(ゆご)」とあり、10世紀初めの平安時代に編さんされた古今和歌集収録の「難波津(なにはつ)に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」の一部とみられる。「難波津」の歌が書かれた木簡は奈良県の平城宮跡などで見つかっている。

 この2首の歌について紀貫之は古今和歌集の仮名序(905年)で「歌の父母のやうにてぞ手習ふ人の初めにもしける」と、初心者が最初に習う一対の歌として紹介している。2首を手本とする考え方はその150年前から存在していたといえそうだ。

木簡の元の長さは文字の大きさから約60センチと推定。宮廷の儀式や歌会などで用いられた可能性が高いとみている。

 市教委は25日午後1時から同市内の信楽中央公民館で報告会を開き、木簡を展示する。定員150人(先着順)。26〜30日にも同市内の宮町多目的集会施設で展示する。いずれも無料。

     ◇

 「安積香山(あさかやま) 影さへ見ゆる 山の井の 浅き心を 我が思はなくに」(安積香山の影までも見える澄んだ山の井のような浅い心では私は思っていないのです)=小学館の「日本古典文学全集」などから

     ◇

 「難波津(なにはつ)に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」(難波津に梅の花が咲いています。今こそ春が来たと、梅の花が咲いています)=小学館の「新編日本古典文学全集」などから

     ◇

 〈上野誠・奈良大教授(万葉文化論)の話〉 万葉集の原本は見つかっておらず、これまでの研究はいわば写本の比較にとどまっていた。今回の発見は、人々の間に広まっていた歌が書き記され、歌集になるという万葉集の一連の成立過程を明らかにする上で極めて重要な発見だ。

歌木簡の話は、昨年12月の木簡学会で、今回の調査に当たられた栄原先生が発表された。
その時、わたしは次の点を指摘した。
 長さについてだが、漢代の竹簡の長さは、その記される書物や文書の性格によって決まっている。約2尺という長さは、そうした竹簡の長さとの関わりとも比較すべきだ
と。
今回の木簡は長さは60cmと推定されているから、これも
 約2尺
の木簡である。儀式や歌会で用いられる木簡の長さとしては申し分ない。
問題は
 薄過ぎる
点だ。宴席で歌を詠むために使われるような正規の木簡であれば、ちゃんとした厚さが必要なのだが、
 たったの1mm
なのだ。これでは、宴席に持ち運ぶことが出来ない。
実物を見てないから、何とも言えないのだが、読売の報道では、次のように指摘している。


裏側に着目、至宝発見…栄原教授

(略)
2006年、大阪市中央区の難波宮跡から、和歌とみられる万葉仮名が書かれた木簡が出土。以来、「歌を書くための木簡があるのではないか」と考え、全国各地の「歌木簡」とみられる14点を調べてきた。

 甲賀市の文化財作業所を訪れたのは昨年12月10日。紫香楽宮跡で1997年度に出土した「難波津の歌」が書かれた木簡が気になったからだ。

 「表面がきれいに整えられている。歌木簡に違いない」。調査を終え、ガラス板の上に置かれた木簡をぬらしたガーゼでくるもうとした時、ふと裏側の墨痕に気付いた。「阿佐可夜(あさかや)」の4文字が読めた。「電撃が走ったような驚きだった」

 出土から10年余り。難波津の歌を表にして保管され、薄さから片面にしか文字が書かれていない削り屑(くず)とみられてきた。「歌木簡を考えていなければ、気付けなかったろう」。出土した7100点の木簡から、〈至宝〉の1点を探りあてた。

(2008年05月23日 読売新聞)

恐らく、
 難波津の歌
が記されている方が本来の表面で、こちらは綺麗に表面を削ってあるところに、難波津の歌を書いてある。
問題は、
 裏面の『万葉集』所収の「安積香山の歌」
の方だ。これまで、この歌が気がつかれなかったのは、上記記事のように
 薄すぎて、削り屑木簡だと考えられてきた
からだ。これはやはり
 表面を削った裏に書いた
と考えるのがよいと思う。
現在公開されている写真からでは、裏表が
 同じ人間の手によるのか、それとも違う人間が書いたのか
まではわからない。これは、木簡研究で常に考えなければならない問題で、同じ面に書いてある文字でも、
 手が同じかどうか
は、現物を見ないとわからないのだ。

今回の木簡の価値は
 『古今和歌集』仮名序に「歌の父母」として紹介されている二首が裏表に書かれている点
にある。
『古今和歌集』仮名序。〈〉は仮名を漢字に直したもの。[]は注釈部分。岩波の古典大系本による。


なにはづ〈難波津〉のうた〈歌〉は、みかど〈帝〉のおほむはじめなり。[おほさゝぎのみかど〈大鷦鷯帝=仁徳〉、なにはづ〈難波津〉にて、みこときこえける時、東宮をたがひにゆづ〈譲〉りて、くらゐ〈位〉につきたまはで、三とせ〈歳〉になりにければ、王仁といふ人のいぶかり思ひて、よみてたてまつりける哥也。この花はむめ〈梅〉の花をいふなるべし。]
あさか〈安積香〉山のことばは、うねめ〈采女〉のたはぶれよりよみて、[かづらきのおほきみ〈葛城王〉を、みちのおく〈陸奥〉へ、つかはしたりけるに、くにのつかさ〈国司〉、事おろそかなりとて、まうけなどしたりけれど、すさまじかりければ、うねめ〈采女〉なりける女の、かはらけ〈土器〉とりて、よめるなり。これにぞ、おほきみ〈王〉のこゝろ〈心〉とけにける。]
このふたうた〈二歌〉は、うた〈歌〉のちゝはゝ〈父母〉のやうにてぞ、てなら〈手習〉ふ人の、はじ〈始〉めにもしける。

ただ、
1. 「儀式用木簡」としては薄すぎる
2. 字が汚い
3. 裏表の筆者が、同一人物かどうか分からない
ので、
4. 「歌の父母」が同時に書かれたものではない
だろう。もっとも、
5. 宴席で最初に詠まれると推定される「難波津の歌」が書かれた「歌木簡」を削ったもの
というのは動かないと思う。で、
6. 歌木簡の表面をこけらのように薄く、一枚のものとして削り、裏に「歌の父母」として一対をなす「安積香山の歌」を書き付けた
のが、今回発見された
 『万葉集』成立以前に『万葉集』収録歌が書かれた木簡の正体
だと思う。記事はミスリードしかかっているが
 「歌の父母」が記された状態で「宴席に持ちこまれた木簡」
ではない。
7. 「難波津の歌」の書かれた「儀式用の歌木簡」の本来の裏側に書かれていたものは不明
である。たまたま、削られた表面だけが、今のところ残っているのだ。
で、「難波津の歌」の部分だけれども
8. 字が汚いので、実際に宮中の宴席には持ちこまれてない
と思う。いくらなんでも、この字はまずいでしょう。
上野誠先生が、上記の読売の記事で


一方、仮名序の説明に注目する上野誠・奈良大教授(万葉文化論)は「二つの歌は、英語の『ABCの歌』と同じ。聞いた歌を書き留め、文字を学ぶ練習に使った木簡ではないか」と推測している。

とコメントされているように、
 法量としては「儀式に使われた歌木簡」だが、実際には儀式では使われてない
と見るのがいいのではないか。平城宮やその周辺から出てくる木簡の書風から推定するに、今回の「両面歌木簡」は、
 習書(お習字)
と見た方がいい書風である。儀式に使うものであれば、もう少し丁寧に書くだろう。ま、紀貫之が「仮名序」に書いた如く
 手習ふ人の始めにもしける二首
なわけで、まず、文字を習い始めたときに覚えるのが、この二首という伝承が、貫之の頃にもあったってことね。その現物が出てきた。

今回の木簡は、『万葉集』成立前に『万葉集』収録の歌が書かれていた。上記の推論のように、本来の木簡の表面を薄く削った裏に「安積香山」の歌を記したこの木簡が『万葉集』の稿本だとは、到底考えられないが、歌の編集に木簡を使っていただろうことは、不思議でも何でもない。
長いテクストを、細長い竹や木の札に書き付けて、紐で編んでいたのが、中国の古い書物の形態だ。日本では、「細い簡を編んで大きな面を作る」という部分はなく、板に短いテクストを書き付ける形態が一般的だと思う。
そういう使用法だと、和歌は、ちょうど木簡に書き付けるにはちょうどいい長さだ。
カルタを考えればよい。木簡はカルタより遙かに細長いけれども、そこに、歌を書き付けて、編集する過程があったとも考えられる。いくらでも並べ替えが可能だからな。少々乱暴な言い方をすれば、北海道の
 木札カルタ(百人一首の下の句だけが変体仮名で記された木のカルタ)
を想定するといいのではないか。木札カルタを並べるときは
 心
とか
 今
とか、文字別に並べたり、得意な札を手前に持ってきたり、自由に並べるけど、そうした操作性は、木簡でも同じだろう。
 木簡→編集→紙に清書
という段階が想定できる。

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2008-03-08

平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト(その10)朝日新聞奈良版に見る「平城遷都1300年事業」へのすりより方

本日、平城遷都1300年記念事業協会は、
 朝日×松岡正剛(バックは電通)のバブルの残り香漂うシンポジウムを開催中
だ。
 2008-02-26 平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト(その2)電通が牛耳るこのイベント、デザインコンペではなく、籔内佐斗司に絞ってデザイン料は500万円って県民の税金の無駄遣い 来月は朝日×松岡正剛というバブルの残り香漂うシンポも開催→県立病院医師の残業代はバックレても、電通に県民の税金をほいほい使う奈良県
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/02/13002500_99e7.html

奈良の文化記事をたくさん書いている
 小滝ちひろ編集委員がコーディネーター
なので、朝日がこの
 平城遷都1300年記念事業とはベッタリ
なのは明白。
したがって、
 鹿坊主(仮称)問題についても、提灯記事
を書いている。
朝日新聞奈良版より。


身捨てて浮かぶPR?
2008年03月08日

  ◆遷都1300年キャラ/“かわいくない”…TV触手
 県などでつくる事業協会は、愛称を募集している平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターの「宣伝効果」を広告代に換算して試算する。テレビの情報番組などで連日取り上げられ、愛称の応募件数も急増して気をよくした。が、番組での取り上げられ方は主に「キャラクターの容姿が批判を集めている」。図らずも“捨て身の戦法”となってPRに成功したかっこうだ。
 2月12日に公表されたキャラクター=写真=はリアルな画風で、公表直後から「かわいくない」などとインターネット上で批判され始めた。協会によると、全国ネットのテレビ番組で取り上げられだしたのは2月末から。東京のキー局で15番組、計1時間18分。関西のテレビ番組では9番組計約30分。ネットニュースでも流れている。
 その効果あってか、愛称の応募は先月末時点で2300件だったのが、7日までに7千件を突破した。批判に気をもんでいた協会も「費用対効果を示したくて」と行け行けムード
 締め切りは12日。

この記事に貼られている「鹿坊主(仮称)」の画像は
 紙に印刷された物を撮影
という、非常に汚いものだな。なんじゃ、この処理は。

出たな、官僚得意の
 「費用対効果を示したくて」と行け行けムード
発言。どう考えても
 総務省出向キャリアの杉田憲英総務部長(38)
あたりの発言でしょう。でもって
 毎日新聞奈良支局の花澤茂人記者には逆ギレした「協会担当者」
は、
 朝日には機嫌良く取材に応じている
わけね。単に
 日本中に奈良の行政にセンスがないという恥をさらしているのに「気をよくしている」
そうだから、
 奈良の平城遷都1300年記念事業協会関係者は「スキャンダルでも有名になればいい」という感覚の持ち主
ってことですな。ということは
 県民税の使い方に不透明な流れという不祥事報道があってもOK
なんだろう。

次は産経。鹿坊主(仮称)発表当初から、厳しい見方を示していた。


平城遷都1300年祭キャラ 「厳しい意見あり頭抱える」
2008.3.8 03:29

 平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターについて、県などでつくる事業協会の杉田憲英総務部長は7日、県議会の特別委員会で「愛称の応募件数が7000件を超えた」と報告する一方、反響については「厳しい意見もあり、頭を抱えている」と述べた。また、マスコットについてはこれまで、東京キー局のニュース番組や情報番組で計1時間18分放送されたとの統計も紹介。今後、その宣伝効果について検証していく意向を示した。
 マスコットの愛称は、同協会がマスコットを発表した2月12日から1カ月間募集している。答弁で杉田部長は、応募のペースがここ最近急増していることを報告。「非常に反響がある。県内だけではなく、全国から応募がある」と述べた。
 一方、テレビでは、これまでに東京キー局だけで15番組に取り上げられたほか、「関西キー局でもかなりある」と報告。「週刊誌やインターネットでも紹介されており、取材依頼は相次いでいる」と述べた。

え〜と、産経と朝日のニュースソースが同じ
 県議会の特別委員会の取材
だとすると、
 全く方向が違う
んですが。いかに
 朝日が提灯記事を書いているか
が明白ですね。

朝日と奈良県の文化キャンペーンの話をすると
 朝日が正倉院展のPRを一手に引き受けていたときには、正倉院展の入場者数はそれほど伸びなかった
のだが、
 読売に変わったとたん、積極的に全国にPRを展開し、一気に入場者数が増加した
のである。要するに、奈良県内では、
 朝日の文化キャンペーンの無力さ

 はっきりと数字に表れている
のだ。
そんな恥ずかしい経過があるので、朝日としては
 平城遷都1300年事業に乗っかって、一気に失地回復
というハラがあるのではないか、と邪推。

小滝ちひろ編集委員は、編集委員となった当初はともかく、最近は
 筆を枉げる
ことが増えた。
 誰しもエラくなると、有力者とのつながりが深まり、自由に書けなくなるジレンマを地で行っている
印象があるね。ま、この程度の器量の人物が奈良の文化担当なんで、今後、朝日の奈良の文化記事は
 大本営発表に近い
と見た方がいいだろう。だいたい、いつも
 朝日の文化記事の出方は他紙より遅い
しな。遅くて充実しているのならいいが、最近はそうでもない。

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2008-02-26

平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト(その2)電通が牛耳るこのイベント、デザインコンペではなく、籔内佐斗司に絞ってデザイン料は500万円って県民の税金の無駄遣い 来月は朝日×松岡正剛というバブルの残り香漂うシンポも開催→県立病院医師の残業代はバックレても、電通に県民の税金をほいほい使う奈良県

ssd先生にコメントを頂いたので、調べてみたら、確かに
 デザイン料に500万円
で、しかも
 広告代理店電通が籔内佐斗司に決め打ちして提案
だってよ。裏で
 どういう金の流れになっているのか
是非知りたい。つまり
 籔内佐斗司を電通が推薦するに至った経過でどれだけ県民の税金が電通に行ってるのか
ってことだ。

まずは、
 デザイン料500万円、電通が決め打ち
を報じる2/13付産経。


平城遷都1300年祭 協会「走りながら考える」
2月13日7時51分配信
(略)

 また、マスコットキャラクターの選考過程にも疑問が残る。公募することもなく、大手広告代理店を通じて選んだデザイナー候補者の中から、すでに昨年3月には1人に絞りこんでいたという。

 国宝彦根城築城400年祭の「ひこにゃん」を顕著な例として、マスコットキャラクターが大規模イベントに果たす役割は決して小さくない。なのに、なぜ公募もなく約1年も前にキャラクターを内定し、かつ公表しなかったのか。愛称募集でも盛り上がりに欠けることが懸念される。

 デザイン料や著作権料は500万円。前回の仏の手をイメージしたシンボルマークには1300万円をかけた。こうした出費の「説明責任」を、関係者は満足に果たしているだろうか

(土塚英樹)

おお、産経土塚記者、GJ!
毎日の花澤記者の腰が引けてた理由は
 奈良県庁にたてついて、毎日新聞奈良支局が出している、奈良検定の参考書が売れなくなると困るから
だろう。

ほおお。すると
 21案あった
というのは
 全部、籔内佐斗司デザイン
かい、電通。

平城遷都1300年記念事業は、
 あの最低最悪、糞だった「平安建都千二百年祭」と同様、電通が仕切っているイベント
である。
電通のサイトより。
平城遷都 1300 年記念事業をサポートするための専門部署を設置

前の柿本善也知事の時の契約のまま、電通を使っているのは
 松岡正剛がやってくる時点でわかった
のだ。松岡正剛は、
 平安建都1200年祭
にも深く関わり、わたしが見に行ったシンポではパネラーの1人で、その後、会場の京都ホテルのロビーで、同じパネラーだった田中優子となにやら話し込んでいたのを見かけた。
で、松岡正剛が、朝日新聞の小滝ちひろ編集委員などと3月8日に奈良でシンポをやるのだ。



発表日:平成20年1月23日
荒井・奈良県知事、藤原・奈良市長らが平城京の未来を語る!
平城遷都1300年記念シンポジウムを開催します!

  奈良の地に平城京が誕生して1300年となる2010年まであと2年!この年に開催される平城遷都1300年記念事業を契機にしていかに奈良を飛躍させるか、国営公園化により往時の姿がより一層再現されようとしている平城宮跡を、今後どのように活用し、未来の世代に引き継いでいくのか、などをテーマに、荒井正吾奈良県知事、藤原昭奈良市長らがその思いを熱く語ります。
 また、編集工学研究所所長で、わが国の歴史、特に古代史に深い造詣と優れた観点をお持ちの松岡正剛氏を招き、ご講演をいただき、知的好奇心を高めていただきます。参加は無料。ただし、希望者多数の場合は抽選とします。

1.日  時 平成20年3月8日(土) 13:30~16:00 (開場13:00)
2.場  所 奈良県新公会堂・能楽ホール(奈良市春日野町) 500名(抽選)
3.ねらい 貴重な歴史的財産である平城宮跡の未来像(いかに活用し、いかに未来の世代へ引き継ぐか。)、平城遷都1300年記念事業の意義と2010年に向けての事業展開等の点について、県民、市民とともに考える。
3.内  容 ○基調講演 「平城宮跡が持つ意義と未来像」(仮題)
   松岡 正剛氏(編集工学研究所長)
○パネルディスカッション 「平城宮跡を活用し、未来の世代へ」(仮題)
   小滝ちひろ氏(朝日新聞社編集委員)(=コーディネーター)
   松岡 正剛氏(編集工学研究所所長)

   荒井 正吾氏(平城遷都1300年記念事業協会副会長、奈良県知事)
   藤原  昭氏(平城遷都1300年記念事業協会副会長、奈良市長)

■ 申込方法等(抽選制、2月29日(金)〆切)
1 参 加 費 無 料
2 申込方法 ハガキ、FAX、またはEメールに住所・氏名・年齢・電話番号・参加人数を明記し、下記までお申し込みください。
抽選後、聴講券を送付します。
2月29日(金)〆切(必着)
(以下略)

おや、まだ締め切ってないのか。松岡正剛の法螺話を聞きたい人は、申し込みを。

というわけで、このシンポは
 大朝日と松岡正剛のカップリング
でやるわけですか。てか、松岡正剛、いつもやり口が同じで笑えるんですが、最近は
 地方自治体の「東京文化人コンプレックス」を利用する方向
なんですか。いったい
 奈良県から松岡正剛がいくらむしっていくのか
に関しても、目が離せませんな。

ssd先生の仰るとおり
 電通にむしられる前に、県立病院の産婦人科医師の残業代払ってやれよ、奈良県
だ。松岡正剛を呼ぶ暇があるなら
 労基法違反の病院職員の勤務状況是正に県民税を使え
と言いたい。
 

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橋下徹大阪府知事、文化軽視政策で全国の博物館に迷惑を掛ける

畏友monodoi氏のblogで、
 橋下徹大阪府知事の文化軽視政策
で、
 全国の博物館に迷惑がかかっている
という話を知ったのは、バレンタインデーのことだった。


2008-02-14歴史地理表象の危機、とでも表現すべきでしょうか。

「大阪府立の博物館などで4月以降に予定されていた特別展などが、橋下徹知事の補助金や委託料の大幅削減方針の影響を受け、中止に追い込まれるなど大混乱に陥っている」そうで。
橋下ウオッチ:府立博物館、特別展すべて中止 35人学級も見直し - 毎日jp(毎日新聞)*1
私が関心があるのは歴史系博物館ですが、公式サイト上などで動きがあればリンクを追加します。

上記記事が引いているリンク先の記事はこれ。毎日より。


橋下ウオッチ:府立博物館、特別展すべて中止 35人学級も見直し

 ◇補助金カット「文化切り捨て」批判も

 大阪府立の博物館などで4月以降に予定されていた特別展などが、橋下徹知事の補助金や委託料の大幅削減方針の影響を受け、中止に追い込まれるなど大混乱に陥っている。府の08年度暫定予算で、橋下知事は府費で行うイベントや講座などを認めない意向だからだ。府の25施設をゼロベースで見直すとしており、8月以降の本予算で復活するかどうかも不透明。関係者は「歴史教育や生涯学習の場を切るのはおかしい」と反発している。【坂口佳代】

 「特別展の事業費は全く認められない。人件費と維持管理費以外はゼロ査定になる」。8日午後、府立弥生文化博物館(和泉市)に府教委から連絡が入った。4~6月に予定していた春季特別展「倭人がみた竜-竜の絵とかたち」が急きょ中止となり、担当者は関係企業や自治体への連絡に追われた。

 約1000万円の補助金カットで、同博物館は常設展だけの「開店休業に近い状態」(幹部)となる。

 特別展は少なくとも半年前から準備を始めるため、8月の本予算で補助金が計上されても、1年間は特別展を開催できないという。

 府立近(ちか)つ飛鳥(あすか)博物館(河南町)でも、同様に4~6月の春季特別展が中止に追い込まれ、既に準備していたポスターや図録の作成をストップした。幹部は「他の博物館から展示物を借りる約束もあり、信頼関係が損なわれる」と話す

 府立女性総合センター(ドーンセンター)は、啓発講座や利用者向けの一時保育サービスの補助金がカットされた。毎年行う市町村職員向けの研修もできなくなる。

 事業中止などの影響がない施設でも、今後の見直しで民営化・売却される可能性も残る。府立上方演芸資料館(ワッハ上方)の関係者は「収集した資料は府民の財産として残さないといけない。赤字だからと文化まで切るのは暴論だ」と話している。
(以下略)

博物館の特別展は
 自館の所蔵品以外に、よそから展示物を借り受けて、全体を構成する
から、
 企画時点で、他の博物館に所蔵品の貸し出しを願い出る
わけで、実際の展示が始まるかなり前から、そうした交渉をしなくてはならない。お願いしても全部を貸して貰える訳じゃないから、何度か交渉して、全体の展示を決定、そこでやっと図録を作ったりというその後の作業が出来る。だから、
 急に予算を凍結
されると、
 貸し出しをお願いしていた他の博物館に迷惑がかかる
のである。お互いに所蔵品を貸借する関係は、信頼関係で保っている。一度、こうした
 自館の責任で相手に迷惑がかかる
事態になると、以後の特別展で、他館に貸し出しをお願いするのに支障が出るのは誰が考えても明らかなことだ。つまり
 現場の地道な努力を無視した、橋下徹府知事の「大向こう受けを狙った、スタンドプレー」
で、
 長年の関係で築き上げてきた大阪府立の各博物館の全国的な信頼が地に墜ちた
のが、この記事の示すところだ。

で、実際に、これは奈文研の都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)の話だろうと思うんだけど、
 大阪府立博物館から貸し出し中止の連絡が来た
のだ。プロフィールに名前がないので、誰が書いているか不明だけど、藤原宮日記より。


2008年2月25日 (月)中止

 大阪府立の某博物館から、春の特別展への貸し出し中止という連絡が入った。知事が替わった影響が早くも出始めた。準備を進めていた学芸員さんにとっては、たまらん事態だろう。

某博物館の特別展というと
近つ飛鳥博物館
のことかな。
準備を進めていた学芸員の方は大変だと思う。

もっとも、特別展の内容は別にして、残念ながら、文化施設としての近つ飛鳥博物館に関して言えば、実によろしくない。以前行ったときの感想はこちら。
2004-06-19 アンチ・バリアフリー博物館No.1の安藤忠雄作「近つ飛鳥博物館」
http://d.hatena.ne.jp/iori3/20040619/p2

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2008-02-25

平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト

友人から
 これヒドイね
と、2ちゃんねるのログをまとめたサイトのurlが送られてきた。
2008年02月24日【ゆるキャラ】“滋賀のひこにゃんに強力なライバルが!”平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター…奈良

ああ、触れたくなかった話題なのに。
問題のキャラクターはこれ。
Nara1300
現在、愛称募集中だ。どんな名前になっても、わたしは
 鹿坊主
としか呼ばないだろう。
シンボルマークは、モチーフは大仏とはいえ、まだ少しマシだったんだけどな。
平城遷都1300年記念事業シンボルマークの使用について

これまでも奈良は
 2004-12-10 奈良=鹿でいいのか、脱力キャラクターシリーズ
http://d.hatena.ne.jp/iori3/20041210/p5
で、2004年に指摘したように
 奈良は鹿
という、
 頭の悪いキャラクター展開
を続けてきた。奈良市に限っていえば、
 大仏
も、キャラクターとして頻用される傾向にあり、
 デザインがとんでもなく、見るに堪えないキャラクターが町中に溢れている状況
なのである。
そこへ来て鹿坊主ですよ。
さすがに毎日新聞奈良支局の花澤記者も、呆れているような筆致だ。


鹿笛:先日発表された平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター… /奈良

 先日発表された平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター。知人や同僚8人に感想を聞いてみたところ、7人が「すごく違和感がある」と答え、1人が「何が受けるか分からない。キモ可愛い(気持ち悪い+可愛い)ということで一部で人気が出る可能性はある」という意見だった。

 高名な彫刻家の作品ということもあり芸術性は高い気がする。が、この着ぐるみに子どもがなつくだろうか? このキャラクターのグッズが売れるだろうか? 個人的には、見通しは暗いと思う。

 21あった候補の中から選んだそうだ。このキャラクターに負けた他の候補をぜひとも見てみたいのだが。(花澤)

毎日新聞 2008年2月24日

しかし、花澤記者は
 文化ものを書いたことがないのか、肩書きに騙されるマスコミ人らしい誤り
を犯してますな、
 高名な彫刻家の作品ということもあり芸術性は高い気がする
って、
 平山郁夫とか東山魁夷など有名作家の名前がついていれば何でもありがたがる、そこらの金持ちの見識と変わらない
じゃん。
 裸の王様状態
ですな。この
 鹿坊主のどこが「芸術性が高い」のか
小一時間問い詰めたいものだ。

ちなみに作者はこの先生。
籔内佐斗司の世界
東京芸大の彫刻の先生で、大阪生まれ。

どうも
 平城遷都1300年記念事業のマスコット選定関係者
も、
 花澤記者と同じ過ちを犯している
ような気がしますね。てか、これを
 国際的に発信して「平城遷都1300年記念事業」に海外から観光客を
って、本気で考えているとしたら、「官僚病の末期症状」だ。それとも、海外の人たちは
 カワイー!
って、本気で言ってくれる?
友人が教えてくれたurlは「痛いニュース」のログをまとめたものだが、こんな反響があることを併記しておこう。


552 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/02/24(日) 17:30:27 ID:+3CL3w520
ギョウ虫検査のやつにこんな顔のキャラがいたような

585 名前:名無しさん@八周年[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 17:35:11 ID:eYyTa4Ma0
>>552

http://image.blog.livedoor.jp/dqnplus/imgs/e/8/e8eb6968-s.jpg

似てる〜

皆様おなじみ、
 蟯虫検査キットに封入されている「使い方を教えるキューピーさん」
のことである。

奈良県民としては
 このマスコットがこれから街のあちこちに氾濫して「環境公害化」
するのは目に見えているので、勘弁して欲しい。しかも
 このマスコットを決めるまでに、わたしたち県民の税金が使われている
と思うと、実に腹立たしい。

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2008-02-17

唐家[玉旋]と胡錦涛が奈良にやってくるらしい

唐家[玉旋」が20日に奈良に来る。
胡錦涛も来月の訪日時に奈良に来るつもりらしい。
読売より。


中国・胡主席、来日の際に奈良訪問へ…唐招提寺など検討

 今春に来日予定の胡錦濤・中国国家主席が、滞在中の奈良県視察を検討していることが16日、分かった。

 視察先としては、奈良市の唐招提寺などが挙がっている。同寺は、奈良時代に苦難の末に唐から日本に渡った高僧、鑑真が創建したことから、「日中の切っても切れぬ結びつきを確認する」(外務省幹部)狙いがあるという。斑鳩町の法隆寺も訪問する方向だ。

 昨年末に中国を訪問した福田首相は、「日中の古くからの思想的な共通点を確認したい」として、孔子の故郷、山東省曲阜で孔子廟(びょう)を視察している。胡主席の奈良訪問には、「答礼」の意味合いもあるとされる。

 胡主席の来日準備のために20日に来日する唐家セン・国務委員も、大阪経由で奈良を視察する予定だ。

(2008年2月17日09時03分 読売新聞)

胡錦涛国家主席がどこに来るかはわかったけど、唐家[玉旋]国務委員は奈良公園付近まで来るんじゃなかろうな。
たぶん、訪問先には、奈良女子大に留学している中国人学生なんかをフィーチャーするんだろう。奈良にも日中友好協会はあるから、すでになんらかのアクションはあるんだろうな。
大阪からなら来るのはすぐだから、別に構わないけど、唐招提寺はまだ
 平成の金堂大修理
だ。ま、鑑真和上像は、御影堂だけど、金堂が普通に公開されてないと、唐招提寺の値打ちは半減する。平成の修理は、来年終わる予定だから、金堂の修理工事現場でも見せるのかしら。
法隆寺も、金堂の工事が始まるところだ。
 法隆寺で仏像の魂抜く法要 修理と展覧会前に 2008年02月12日13時54分

そういう意味では、奈良に来ても、ベストの状態ではない。

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2008-02-11

ソウルの南大門(崇礼門)炎上→日本は「1500年後の恩返し」が可能か

瓦の崩壊する音が痛々しい、動画つきニュース。
中央日報より。


“国宝1号”崇礼門5時間で全焼・崩壊

大韓民国の国宝第1号の崇礼門(スンレムン)(南大門)が火災により崩壊した。

崇礼門は朝鮮時代である1398年に創建された。ソウルにある木造建築物の中で最古だ。

10日午後8時40分ごろ、崇礼門で放火とみられる火災が発生した。首都のど真ん中で起きたこの火災は11日夜遅くまで続いた。初期火災鎮圧に失敗したためだ。消防当局と文化財庁の安易な対応で、国宝1号が消えてしまったのだ。

一時火は消し止められたように見えた。しかし11日0時になるとさらに激しく炎上、一歩遅れて消防当局は屋根をはずして放水しようとしたが、炎が崇礼門全体を覆うと断念した。

出動した消防車50台余りと消防署員150人がはしごやホースなどを利用して水による鎮火作業を試みたが、火災発生4時間後に崩壊が始まった。

11日0時40分、樓閣2階と屋根が崩れ落ちた。時間が経過し、骨組みだけ残して形がわからなくなるほど崩壊が進んだ。消防関係者は「指針で文化財庁と協議の下、鎮火作業を行うことになっている。これにより文化財庁と協議を経た後で、ようやく屋根を取り除けることになったため、火を消し止められなかった」と話した。

個人タクシー運転手イ・サングォンさん(44)は「午後8時40分ごろ短髪にミリタリージャンパーと黒の登山用ズボンをはいた50代ほどの男が紙袋を持って崇礼門のそばの階段を登っていた」と話した。イさんは「1~2分後、崇礼門左側の1階樓閣と2階樓閣の間から赤い花火が上がった」とし「崇礼門に上がった男は火花が起こると階段を下り、南山の方に消えた」と付け加えた。警察は目撃者の陳述から放火である可能性が高いものとみて捜査を進めている。

◇崇礼門(南大門)=1962年12月、国宝1号に指定された国内を代表する文化財だ。漢陽都城の8門のうち最も重要な正門であり、現存する国内城門建物としても最も規模が大きい。現在、ソウルに残っている木造建物のうちで最も古いものだ。朝鮮王朝が漢陽に遷都後、1395年(太祖4年)に建築を始め、1398年に完工された。2005年5月、崇礼門周辺に広場が造成され、2006年3月、虹霓門が一般に開放された。

焼失前

崩壊、全焼した惨状

初期消火の段階で破壊消火が認められず、火が大きく広がった。
出火から1時間あまりの段階での報道。
朝鮮日報より。


2008/02/10 22:41:16 韓国国宝第1号・崇礼門で出火

まだ崩落に至らない段階の南大門

 10日午後8時50分頃、南大門の名で親しまれている韓国国宝第1号、崇礼門(ソウル市中区)から出火した。

 午後10時現在消防車約40台と消防官約80名が消火作業を行っている。

貴重な文化財が目の前で崩れ落ちていく様は衝撃的だった。
こうした木組の複雑な木造建築は、見た目以上にたくさんの木材を使用している。一般家屋だったら、消火が終わったと思われる状態でも、奥に火種が残っていれば、やがて火の手が上がる。一度、内部の木組に火がついてしまうと、水が届かないので手が付けられない。今の時期、ソウルは乾燥しているだろうから、燃料が豊富にあるところで火が燃えているのと変わらなくなる。こうなってしまうと、もう破壊消火もできなくなるだろう。文化財保護という名目で、韓国の文化財庁は、スプリンクラーの設置を認めていなかった。


南大門火災:「国宝第1号」崩壊、放火の可能性も(下)
(略)

◆スプリンクラーもなし

 火災が発生した崇礼門内部には、スプリンクラーなど初期消火装置が全くなかった。文化財庁関係者は「文化財には“内部施設保存のため消防設備を設置しなければならない”という規定がなく、現在関連規定を作成しているところだった」と説明する。
(以下略)

2006年には、南大門は100年振りに開門した。


2006/03/03 19:50:13100年ぶりに開門した崇礼門

崇礼門開放式の様子

ソウル市中区は3日午前、国宝第1号の「崇礼門(南大門)開放式」を行い、正祖大王華城回京、御駕行列、崇礼門生活史再現など、さまざまな行事を行った(写真=聯合ニュース)。

この年には南大門の調査が行われ、図面が作られているという。その図面を元に、韓国政府は復元を決めた模様だ。復元には2年以上はかかると見られる。
放火と失火の両面で捜査 復元には2年以上か 南大門 2008年02月11日11時28分

ところで、今回の
 南大門炎上
で、日本ができることがあるとすれば、多くの木造建築物を国宝・重文として指定している
 日本の文化財保存・管理技術
が役に立つのではないか。
まず、文化財保護のための法整備。
昭和24(1949)年1月26日、金堂壁画の模写のために用意された電気座布団から出火し、法隆寺金堂が焼損した。毎年、1月26日の
 文化財防火デー
には、法隆寺金堂の焼けた壁画や木材を収めている収蔵庫で法要が営まれ、法隆寺を始め全国の文化財で防火訓練が行われている。そして、この火災が契機となって、文化財保護のための法律や条令が作られた。
韓国では、まだ法整備が行き届いていない。韓国の木造文化財保護は、残念ながら立ち後れているという。南大門だけでなく、多くの木造建築が火災に遭えば焼失を免れない、危機的な状況に晒されているという。
朝鮮日報より。


2008/02/11 07:30:44 国宝級の木造文化財13カ所、火災に無防備

国宝級の木造文化財は事実上、火災に対してほぼ無防備だったといっても過言ではない。国会文化観光委員会は国政監査のたびにこの点を繰り返し指摘してきたが、結果はさほど改善されていなかった。

 ヨルリン・ウリ党の禹相虎(ウ・サンホ)議員は2年前、「寺などの国宝級木造文化財に対する消防対策現況」と題する報告書をまとめている。これによると、国宝指定されている全羅南道順天市の松広寺国師殿および霊巌郡の道岬寺解脱門などが1度の火災で全焼してしまう恐れがあるという。

 また、国宝級の木造文化財13カ所のうち、火災発生時に、消防車が5分以内に到着できる所はわずか2カ所にすぎず、残りは30分以上かかるほか、消防ヘリコプターが5分以内に到着できる所も慶尚南道梁山市にある通度寺の1カ所だけで、残りの建築物は火災の危険にさらされていた。

 こうした点を理由に、国宝級木造文化財の近くに消防署を設置したり、消防ヘリコプターが5分以内で向かえるように対策を講じるほか、文化財の特徴を考慮した「文化財消防法」の制定などが急がれる、と指摘されてきた。

次に技術支援。南大門の再建には、防火設備を持ち、まさかの出火に対応できる環境作りも必要だ。こうした面では、法隆寺金堂という犠牲を払って、以後文化財保護のノウハウを積み重ねてきた日本の技術が参考になるのではないか。
木造での再建には、宮大工の知恵も必要だろう。現在、韓国にどのくらい日本の宮大工に相当するような伝統木造建築の専門技術者がいるのか分からないが、もし、日本の宮大工の技術が助けとなることがあれば、
 大陸・朝鮮半島から木造建築技術を移入した日本の1500年後の恩返し
ができるかもしれない。

もし
 日韓文化交流
というのなら、南大門炎上への文化財保護の観点からの支援が、日本がいま出来る、最良のものではないだろうか。

続き。
南大門復元に関する中央日報の記事。


<南大門火災>崇礼門の復元は可能なのか

実測図面は残っているが原形の回復は事実上困難

11日0時40分、燃えた崇礼門の瓦が“どどっ”という音とともに崩れ落ちた。

火災が起きてから3時間40分後の出来事だった。炎に包まれた‘国宝第1号’の姿に文化財関係者はもちろん、韓国中の人々が驚きで我を忘れた。

今回の火災で崇礼門の大々的な復元工事は避けられなくなった。崇礼門は太祖4年(1395年)に着工し、3年後に完工した。以後、世宗(セジョン)と成宗(ソンジョン、朝鮮第9代王)時に補修工事が行われたが、建築当時の原形はそのまま保存された。

このような背景から、崇礼門の復元を懸念する声も高くなっている。カン・テヒョン国立中央博物館保存科学室長は「文化財は一度損傷すると原状への復帰が事実上困難だ。特に崇礼門は火災に脆弱な木造建築物でより深刻だ」と述べ「復元にも相当な期間を要するものと見られる。結果的に文化財管理がずさんだった。一般に開放したのは良かったが、もう少しセキュリティと管理を徹底すべきだった」と指摘した。

火災現場を見守っていたファン・ピョンウ文化連帯文化遺産委員長は「2階の楼閣の瓦とその下の塗り土の間からずっと煙が出ていた。初期消火に失敗したようだ。はじめからはしご車を動員すべきだった」とし「今の状況では全面的な解体と補修は避けられない」と話した。

崇礼門は1960年代初めに大々的な解体補修工事をしたことがある。その当時、最高の技師と呼ばれたチョ・ウォンジェ氏が復元工事の総監督を務めた。チョ氏は現在進行中の景福宮(キョンボックン)復元事業の総監督である申鷹秀(シン・ウンス)氏の師匠でもある。以後、崇礼門で大きな工事は行われなかった。一部瓦の張り替えなど小さな補修作業があっただけだ。

崇礼門の昔の面影をまた元に戻すのは事実上不可能だ。代わりに崇礼門を復元するための資料は十分に保存されていることが分かった。文化財庁建築文化財課の関係者は「崇礼門に関する精密実測図面がある。模様画の配色や建物に関する部材別の実測図面もある。資料が揃っているので技術的な次元での復元作業には困難はないとみられる」と話した。

一方、世界文化遺産への登録推進事業のためフランスのパリに滞在していた兪弘濬(ユ・ホンジュン)文化財庁長官は「崇礼門火災」の一報を聞いて、日程を変更し、11日午前に急きょ帰国する予定だ。

中央日報 Joins.com
2008.02.11 10:33:26

韓国の復元工事が求める水準がわからないから、何とも言えないな。
しかし、2006年の図面って外からの実測図面だけなら、
 1962年の解体修理時の図面
が必要だと思うんだけど、それは保存されているのだろうか。なければ、もっと以前の図面を探してこなければならないだろう。
木造で作り直すなら、木の組み方に配慮しなくてはいけないが、韓国は大きな材が取れるような巨木を自前で用意できているのだろうか。
薬師寺の再建事業では、国内産の木がなくて、台湾から資材を求めた。伊勢神宮は式年遷宮のために、造林して木を準備している。いきなり建設すると言っても、木は生ものだから、乾燥させる時間が必要だ。以前、札幌の自宅を改築する時、すなわち一民家を建てるときだって、山で木を3年くらいかけて乾燥させて使ったのだが、歴史的建造物の再建となると、木の扱いは時間がかかるのではないのか。

残った部材をできるだけ使う再建工事って、日本は結構得意。
身近なところでは、春日大社の造替がそうで、
 使える部材は継いで使う伝統
がある。
ただ、南大門というと韓国国民にとっては
 民族の誇りの象徴
だろうから、日本の文化財保存・管理技術で支援すると言っても
 日本
という言葉だけで拒否反応があるかも知れないのが、ちょっと不安。
南大門は、日韓併合期に、城郭の部分を撤去された過去がある。
朝鮮日報より。


2006/11/02 18:53:55「100年ぶりに崇礼門の城壁を復元」

復元する部分

 国宝第1号の崇礼門(南大門)の城壁が、およそ100年ぶりに本来の姿を取り戻す。

 ソウル市中区は、崇礼門に連結していた朝鮮時代の城郭を2008年までに左右10メートルずつ復元することにした。1907年に日帝が取り壊して以来、100年ぶりだ。当時日帝は、道路開設を理由に崇礼門の左右の城郭を撤去し、城門だけを残した。

 中区は、現在三角の形態でしか残っていない城郭を当初の四角形に復元する。また、崇礼門の下の地盤も堀り、現在より1.6メートル低め、原型そのままの姿に戻すことにした。

 2002年の精密安全診断と昨年の地盤調査の結果、門の蝶番石(門を閉じる石の構造物)、土台石(一番下の基礎石)、薄石(平たく薄い石)などの遺構(昔の建築の残存物)が現在の地表より1.6メートル下で発見されたためだ。これを復元すれば、崇礼門の高さは現在の17.6メートルから19.2メートルに高まる。文化財委員会の考証・審議などを経て、来年下半期に着工する予定。

 1398年(朝鮮太祖7年)に建立された崇礼門は、現在ソウルに残る木造建築物の中で最も古く、1962年に国宝第1号に指定された。崇礼門の中央通路である虹霓門は、今年3月に開放された。

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2008-02-02

かわいそうなベーゼンドルファー(その5)アンティークピアノコレクションの散逸免れる

2007-12-12 かわいそうなベーゼンドルファー(その4)日本のベーゼンドルファー総代理店倒産 1858年製ベーゼンドルファーなど貴重なアンティークピアノが散逸の危機
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/12/4_1858_238c.html
の続き。

散逸を危ぶまれていた、倒産した日本のベーゼンドルファー総代理店が所有していた
 貴重なアンティークピアノコレクション
が、一括購入で引き取られることになった。
毎日より。


ピアノ:倒産代理店から一括落札 超一級品散逸免れる

 倒産したピアノ輸入代理店「浜松ピアノセンター」(静岡県磐田市、HPC)で2日、収集品のアンティークピアノ21台のオークションがあり、さいたま市北区のピアノ小売業、名取孝浩さん(46)が1億円で一括落札した。ピアノは4月までに名取さんが経営する「ナトリピアノ社」(同区)に移し、従来のように倉庫で一般公開する予定だ。

 HPCは昨年11月に負債約3億円を抱え倒産。ショパンの愛器と同型のプレイエル社製(1840年)など、創業者が集めた貴重なピアノを一括で管理できる購入者を募り、8人が入札に参加した。

 名取さんは「超一級品の散逸を避けたかった」と話した。【竹地広憲】

毎日新聞 2008年2月2日 19時29分

ああ、よかった。
しかし
 たった一億
ですか。メンテは大変だと思うけれども、元々の購入価格を考えると、安い買い物だったのではないかしら。

こうしたニュースを聞くたびに
 日本はアーカイブに関してはダメダメ
という批判が当たってるなあ、と感じますね。正倉院は大事にするけど、近現代のアーカイブはダメなのよね。

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2008-01-25

嫌いな言葉 自分磨き

時々、世に氾濫している
 嫌いな言葉
を上げていく予定。

まず最初に上げるのは
 自分磨き
だ。

『禮記』學記に
 玉不琢、不成器。人不學、不知道。
(玉琢かざれば、器を成さず。人學ばざれば、道を知らず)
とある。
 素質があったとしても、学ばないと、道理はわからない
というわけで、
 絶えざる自己鍛錬の必要性
を説いている、とわたしは読むのだけれども、これってごく当然の話である。てか
 オレはこれについては完成だ
なんて慢心したとたんに、人間はダメになる。

自分磨きという言葉の気持ち悪さは
 自分探し
とよく似ている。自分探しという言葉を平気で使って恥じない人たちは
 今、わたしの目の前にいるあなたは誰よ
という問いにはたぶんちゃんと答えない。
 今は〜だけど、いつかはきっと
みたいな、不渡りの約束手形をたくさん振り込んでくれるだろうけれど、その
 いつかはきっと

 いつか
は、ほとんどやってこない。てか
 本当に何か違うモノになろうとして努力している人
は、そんな言い訳を口にする時間が惜しい。自分の必要としていることを学んだり、身につけたりするのには時間が必要だからだ。本当に
 夢を叶えようとする人たち
は、たぶん無口だ。てか、実現されてない自己を語ることは、いいオトナになれば、素面では気恥ずかしいということを知っている。

いま25歳くらいになっているかつての学生が、5年くらい前に、
 うちのおねえちゃんは困る
と話してくれた。なんでも
 おねえちゃんは、自分探しとかいって、いろんなものに手を出して、どれ一つ実現できず、そのたびに両親にお金を出してもらって、新しいことを始める。自分じゃ全然稼いでないのに、お金ばっかり使って、バカみたい
というのだった。その学生は、
 わたしは地面に足を付けて、ちゃんと就職して、自分で稼ぎます
と宣言して、果たしてその通りの進路を選んだ。

自分磨きという言葉には、自分探し同様
 自己憐憫の匂い
がする。
 モノになる
という言葉からは遠い。

悲しい話だが、いくら努力しても、ダメなことはある。
どこでそれを見切るかが、オトナとしては大事であり、
 損切り
ができるかどうかが、人生をやり過ごす一つの知恵なのだけれども
 自分磨き
という言葉には
 自分で選んだことを成し遂げられなかったときの責任回避
が匂っている。適当でいい、みたいな逃げが最初から感じられるのだ。

自分磨きなんて、ぬるい言葉ではなく、
 日々鍛練を積む
ことには、きちんとした日本語がある。
 丹精する
という言葉だ。

いま瀬戸山玄の『丹精で繁盛―物づくりの現場を見にゆく』を読みかけているところなのだが、瀬戸山玄のいうように
 丹精という言葉をすてて「こだわり」を選んだ現代日本
では
 当たり前の努力

 あたかも難事を成し遂げているかのようにショーアップする悪弊
がある。その最たるモノの一つが
 NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」
だとわたしは思っている。たぶん、NHK局内には大量の
 自分磨きが大好きな職員
がいるのだろう。

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2008-01-22

世界同時株安「この状況のやばさをアニメや漫画で喩えると」

悲惨な状況を嘆いているばかりではしょうがない。
江戸時代は洒落のめした。
今時は、掲示板でこんなやりとりが。
【経済】「世界同時株安」スレッドより。


800 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:47:06 ID:t68OrfcG0
この状況のやばさを


幽遊白書
ドラゴンボール
ドラえもん
クレヨンしんちゃん
サザエさん
デトロイトメタルシティ
らきすた
カイジ

のいずれかで説明してください

805 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:47:12 ID:Bt7KuXjo0
ごめん今のヤバさがよく理解できない
ポケモンに例えて教えてくれ

877 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:51:11 ID:t68OrfcG0
>>805
・ピカチュウ死亡
(略)

878 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:51:12 ID:A+iMjAza0
>>800
アムロが乗り込んだのはボールだった

888 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:52:05 ID:9RXy//KS0
>>800
波平 孤独死
船 痴呆症
サザエ パチンコ依存症で大借金
マスオ リストラ樹海行
カツオ 覚醒剤中毒
ワカメ 円光のやり過ぎでHIV発症
タラ 誘拐されてバラバラ死体で発見
タマ 保健所行き

891 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:52:10 ID:o6RjRZI80
>>800
死んじまったのでコエンマに会って生き返りを条件に
頼まれて探偵業はじめて見たら調査場所が魔界で
黄泉と躯が同盟組んで襲ってきた。

921 :名無しさん@八周年:2008/01/22(火) 15:54:00 ID:HwCNLRCJ0
>>800
ドラえもんがいなくなっちゃったのに明日センター試験ぐらいやばい

どこまで当たっているかは謎だけど。

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2007-12-16

世界の文化は韓国起源 今度は「漢字は朝鮮民族が発明」説などを中国紙が取り上げる

baatarismさん経由。

なんですか、これは。レコードチャイナより。


エッ!「漢字は中国起源」じゃないの?韓国の“文化略奪”?に反発強まる—中国

2007年12月12日、新快報は「文化をめぐる中韓の戦い」と題した連載を開始した。近年繰り返される文化起源・世界遺産申請をめぐる争いを取り上げているが、特に近年韓国の一部学者が主張している「漢字韓国起源説」に注目している。

近年、韓国では「中国文化が実は韓国起源だ」との主張が相次いで発表されている。儒教の始祖である孔子や古代の美女・西施、中国医学の名著「本草綱目」の著者・李自珍はみな朝鮮人で、そればかりか漢方・風水などの中国文化も半島起源だという。これらの韓国起源説はたんなる主張で終わらず、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に世界遺産として登録しようとする動きも見せていると中国では警戒されている。実際、韓国の「江陵端午祭」が世界無形文化遺産に登録されたことは中国に大きな衝撃を与えた。

今、特に注目を集めているのが「漢字韓国起源説」。去年10月10日、朝鮮日報は韓国ソウル大学の朴正秀教授による「漢字は朝鮮民族が発明した」との学説を紹介した。同教授は半島で生まれた漢字が大陸に持ち込まれ、現在の中国文化を形成したと主張し、韓国政府に漢字の復興と世界遺産申請とを求めているという。

先日、国際先駆導報は「あまり好きではない国」とのアンケート調査1位に韓国が選ばれたと報道したが、ネット掲示板を中心に韓国の「中国文化略奪」ともいえそうな動きに反発が強まっている。(翻訳・編集/KT)

いや〜、まともに相手するのもアホらしいと思ってた
 なんでも韓国起源説
を、中国の「新快報」を連載し始めましたか。朝鮮日報の「韓国漢字起源説」報道の日本語訳は見つけられなかったのが残念。

新快報の連載のリンクだけとりあえず張っておく。
中国網民捍衛漢字専利 中韓伝統文化之争1 漢字之争
7億 韓国搶奪端午根 中韓伝統文化之争2 端午之争
韓国"豪搶"中華文化名人 中韓伝統文化之争3 名人之争

おまけ。
anakataさん経由。

韓国起源の事例を紹介するブログ

う〜む、ネタでここまでやれるのか。

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2007-12-07

山下和美『天才柳沢教授の生活』のモデルである亡き父の蔵書を遺族が小樽商科大に寄贈

天才柳沢教授って樽商の先生だったのね。
道新より。


マンガ「天才柳沢教授の生活」モデルの蔵書、樽商大へ 作者ら遺族1600冊寄贈(12/07 00:26)

 【小樽】週刊モーニング(講談社)で連載中のマンガ「天才柳沢教授の生活」のモデルで、今年4月に89歳で亡くなった元小樽商大教授の古瀬大六(こせたいろく)さんの遺族がこのほど蔵書約1600冊を同大付属図書館に寄贈した。古瀬さんの四女で、マンガの作者である漫画家山下和美さん=小樽市出身=もマンガ初版本全25巻を直筆のサインと絵入りで贈呈した。

 二○○二年に民放でテレビドラマ化された「柳沢教授」は、朝五時起床、夜九時就寝、交通ルールを徹底して守るなど規則正しい生活を送る。学問を好み、他人に干渉しない。山下さんは「勉強好きな父親を、そのままではないが面白おかしく描いた」と話す。

 古瀬さんは一九五○年、小樽商大に赴任した。専門は数理経済学で、七三年まで二十三年間にわたり同大に勤務した。

 同図書館は「こんなに素晴らしい先生の存在を学生に紹介できる機会をもらった」と感謝し、特殊資料室にマンガも含む「古瀬大六文庫」を創設。

 学生、一般市民とも手続きすれば閲覧のみ可能だ。問い合わせは同図書館(電)0134・27・5272へ。

 山下さんは「あらゆるものに好奇心を持つ柳沢教授の生き方が、学生の良い見本になれば」と話している。

そうか、今年亡くなられたのか。合掌。
研究者が亡くなると、残された蔵書の処分は遺族の大きな負担となることが多い。
遺族に理解があれば、こうした形で蔵書が引き継がれるのだけれども、最近は大学側もスペースの関係で蔵書を引き受けてくれなかったりする。
その点、古瀬先生の蔵書は幸福な引き取られ方をした。

山下和美の公式サイト
 天才柳沢教授ゼミナール
を見ると、次のように記されていた。


山下プロ日記

4月 17日 火曜日
柳沢教授のモデルである父が11日朝
前立腺癌のため3年6ヶ月の闘病生活を経て亡くなりました。

皆様、有り難うございました。

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2007-11-13

琉球大学八重山芸能研究会と泡波@波照間酒造所

沖縄で学会があった。学会の懇親会の楽しみの一つは
 主催校の心のこもったおもてなし
で、今回もその例に漏れず、琉球大学から手厚いもてなしをうけた。幕開けは
 舞踊で学会開催を祝う
という、沖縄の習慣に従った、実に味わい深い演出だった。踊ってくれたのは、
 琉球大学八重山芸能研究会の学生諸君
で、宴の間中、いろいろな島の踊りを披露してくれた。当然ながら、民俗関係に関心の深い一部の出席者は、すぐにカメラを手に、熱心に撮影を始めた。(写真はクリックすると拡大します)
Rw1これは波照間島の踊り。手に四つ竹を持ち、リズムを打ちながら、ゆったりと踊る。

乾杯用麦酒は、当然ながら
 オリオンビール
である。水代わりに飲める、軽いビールだ。

会場では、生産本数が少ないために
 幻の泡盛
と称される
 波照間酒造所の泡波
が、特別に供され、泡盛好きの出席者の間で奪い合いになっていた。

波照間島の踊りが始まる頃には、すでに瓶は空になり、ステージ横に看板のように置かれていた。

八重山芸能研究会の学生諸君は、日々鍛錬を怠らない様子で、足の運びが美しかった。どんな舞踊でも、足の運びが基本だけれども、白足袋でゆったりとステージ上を歩む、その様子に見惚れた。伴奏は、学生諸君が三線や笛、太鼓を演奏していた。

幹事でお忙しい山里先生も、自ら三線を手に、笛を従え、一曲、自慢の喉を披露してくださった。素晴らしい歌声だった。

八重山芸能研究会の演目や、山里先生の歌を見聞きさせて頂いて、感じたことは、島の文化の共通性だ。
沖縄からは、たくさんの移民がハワイ諸島に入っている。ハワイの踊り"Hula"は、そもそも神に感謝する踊りだ。裸足で踊る"Hula"と裸足もしくは足袋はだしで踊る沖縄の踊りは、上半身の動きは違うけれども、どちらも神への感謝を基本に、大地の力を感じつつ踊る。大地からの力を足裏でしっかり捉えつつ、踊っているように見える。踊り手は、その時、神とヒトとを結ぶ媒体なのであり、踊りの振付は定まったものではあろうが、身体は神への歓喜に動かされている。見せて頂いた踊りには、"Hula"でいうところの"Kahiko(古典フラ)"と相通じるものを強く感じた。沖縄もハワイも、神々と共生して暮らす島である点では同じだ。沖縄には、御嶽(うたき)や拝所(うがんじゅ)があちこちにあり、アメリカの州となってキリスト教化しているハワイにも、Heiauが散在する。観光スポットとは別に、祈りの空間があり、土地の人たちの尊崇を今でも集めている。沖縄からハワイに入った人たちの子孫が、今もハワイ諸島に暮らしているが、ハワイの伝統文化をどう感じただろう。

大学院の同級生が、沖縄からの日系3世でアルゼンチン人、姓は小那覇さんだった。大学院修了後、沖縄に残っている親戚に挨拶に行ったと言って、お土産に石垣島の「タイフーン」という調味料をくれた。しばらく、琉球大学で地理を教えていた筈だ。

おまけ。
今年もオアフ島で開かれた
 沖縄フェスティバル
の様子。
Okinawan Festival in Hawaii
http://www.internet-okinawa.com/2007/09/05/okinawan-festival-photos/
ワイキキ西部のカピオラニ公園で毎年9月上旬前後に開かれている。ビデオをよく見ると、後ろにダイヤモンドヘッドが映っている。(カピオラニ公園からはダイヤモンドヘッドが近い)

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2007-11-06

『愛ルケ』の渡辺淳一先生より御著書を頂戴する

いや〜。冗談だと思ってたのに。
 『愛の流刑地』など話題作を連発する作家の渡辺淳一
は、母校の先輩である。この間、京都で、渡辺淳一の彼女のお一人のやっているお店に行ったら、ママさんが
 こんど渡辺先生が、新しいご本ださはるんですけど
と言い出した。厳しい批評をしてくれるヒトに読んで欲しい、というご希望なのだという。一緒にいた友人達が
 あ、このヒトに送ってあげて。すげーシビアな批評するから
と推薦してくれたので、ママさんが送り先を教えて欲しいと紙を持ってきた。確かに送り先を書いたんだけど、まさか本当に届くとは。
渡辺淳一先生、これから拝読いたします。

で、なぜ渡辺淳一なのかというと、映画化もされた青春小説
 『阿寒に果つ』
のヒロインは実在の人物で、高校生当時、うちの伯父とつきあっていた過去があるのである。その頃、同じ高校で同学年にいた渡辺淳一少年は、内気だったのか、モデルとなった少女にはあまりもててなかったらしい。
その少女は、わが家にも来たことがあって、同じ高校の1年生だった父も逢ったことがある。
 小説に出てくるような、あんな美人じゃないぞ
というのが、父の言い分だが、恋というスパイスがあれば、どんな相手だろうと、絶世の美女美男子になるのが、世の習いである。
渡辺淳一は、その後、作家になってから、女性にすごくモテてるようで、まあ、世の中、不思議なモノだ。
伯父もそこそこモテているが、伯父の場合は舞台美術の専門家だから、女性だけでなく、いろんなヒトにモテている。表象芸術の人達は、才能があるのは最低条件だが、
 実力者にモテるかどうか
かどうかが、その世界で成功する鍵を握っていると、伯父を見るとつくづく思い知らされるのだ。伯父は、プロの絵描きではないのに、今は亡き月光荘のおじさんにもモテていた。

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2007-10-12

黒川紀章氏死去(速報)

いまテレビで速報が出たばかり。
詳細は不明。
画像は拾いモノ。クリックすると拡大します。
Kurokawa

FNNより。


2007/10/12 16:09 建築家・黒川紀章氏が死去 73歳
12日、建築家の黒川紀章氏(73)が死去した。

(16:20)

合掌。

続き。(16:36)
詳細は今日中に事務所が記者会見を開いて発表する予定だという。

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2007-09-20

沢尻エリカの今後 高城剛と秋元康

しかし、
 沢尻エリカが高城剛と熱愛
という記事を見て笑ったヒトは多いだろう。すくなくともコンピュータ業界に80年代後半から関わりがあれば、笑える記事だ。
日刊スポーツより。


沢尻エリカ22歳年上と車中キス&お泊まり

 沢尻エリカ(21)と22歳年上男性のデート現場が、20日発売の週刊誌「女性セブン」にキャッチされた。お相手は六本木ヒルズのCMを手掛けるほか、幅広く活躍する敏腕プロデューサーの高城剛氏(43)。同誌は今月中旬、沢尻が高城氏のポルシェに乗り込む写真などを掲載。また、2人は車中で何度もキスを交わしたり、会食後は高城氏の自宅で一晩過ごしたという。沢尻の所属事務所は「プライベートなことなので把握していません」と話している。

[2007年9月20日7時31分 紙面から]

いや〜、高城剛って、しぶとく生き抜いてるのね。
 高城剛・秋元康・西川りゅうじん
というと
 バブル期に好き放題、かつジジイ殺しで人たらし
の代表格である。
高城にいっちゃう沢尻エリカって
 秋元にいっちゃう沢尻エリカ

 どっちがカッコ悪いか
って話だ。高城と秋元なら、いい勝負っていうか、どっちもどっちだよな〜。
結局
 バブル期の人たらしオヤジにダマされちゃう小娘
って評価に墜ちるのか、沢尻エリカ。ちょっと情けない選択だったかも。
高城にしてみれば
 佐藤江梨子もいっちゃったし、沢尻エリカもいっちゃったし

 勲章がどんどん増えてる
ようで、結構なことですな。ロリじゃないから、許されるしな。

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2007-02-09

安倍ちゃんの「美しい国」は日本の文化破壊国家か 文化財研究所と国立博物館を統合

何でも統合して効率化すればいいというものではなかろう。
前々から噂されていたことだが
 文化財研究所と国立博物館を統合
するのだという。
朝日より。


国立博物館と文化財研究所、4月に統合 政府が閣議決定

2007年02月09日09時51分
 政府は9日、独立行政法人国立博物館法の一部を改正する法案を閣議決定した。

 この決定により、4月1日付で、国立博物館と文化財研究所の2法人が統合され、新たに独立行政法人国立文化財機構が誕生する。

 国立博物館は、東京、奈良、京都、九州(福岡市)の4国立博物館、文化財研究所は東京、奈良の2研究所からなる。

 いずれも文化財の保存・活用を目的としていることから、経営効率などを高めるため、05年、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会によって統合が勧告された。

 しかし、その後、文化人らによって「効率性追求による文化芸術の衰退を危惧する」と、反対運動が起きていた。

文化財の保存保護を目的としている、といっても、国立博物館と文化財研究所とでは、やってることが違う。問題は
 収益の上がるような事業を立ち上げにくい文化財研究所を潰すのか
という点だ。
奈文研でも、遺跡発掘調査だけではなく、別働隊を作って、事業とのリンクをはかっているようだが、本体業務に益するほどの収益を上げられるのかなあ。風通しをよくするのは結構だが、人員が足りているのか?
たぶん、狙いは
 収益の上がらない業務の切り捨て
 総人員の抑制、削減
ではないかと思う。博物館も文化財研究所も
 簡単に人材を育てられる場所ではない
という事実を忘れ去っているとしか思えない。文化財保護を言うならば
 安定した人材育成
という視点を抜きにしては語れないはずだが、それをも
 アウトソーシングして、民間委託
というのであれば、
 「儲からない文化財」は保護できない
事になっていくだろう。
電子化すればいいというものでもない。
 モノは生きている
のであり、
 絶えざるメンテナンス
が必要なのである。そこに求められるのは
 熟練した技術を持つ人の手と目
なのだ。それは
 一朝一夕で養われるモノではない
のに、
 目先の効率化を狙って、弱いところから切り崩し
をしているとしか思えない。それとも
 ロボットに遺跡を掘ってもらいたい
のか、文化庁。

文化財研究所と国立博物館の中の人たちの士気低下が心配だな〜。士気低下が招くモノは
 人材の流出
であり、それが更に士気低下に拍車を掛ける悪循環が予想される。

たぶん、これと連動していると思われる
 国費節減政策
の一つに、
 現在国が維持管理している藤原京跡と平城京跡を自治体に返す
って話があるんですけど、本気ですか、文化庁。橿原市と奈良市が藤原京跡や平城京跡を維持管理できるほど、財政基盤があるんですか?
昨年10月24日付けの朝日新聞奈良版より。


藤原京跡 誰が管理?
2006年10月24日

■文化庁、橿原市に委譲打診

 1300年前の日本最初の広大な都城跡、藤原宮跡(特別史跡)について地元の橿原市は、文化庁から管理の委譲を打診され、検討を始めた。実現すれば、市が宮跡を使ったイベントなどを開きやすくなる利点はあるが、毎年膨大な維持費がかかることから、市役所内には慎重論もあり簡単に決着しそうにない。同庁は、奈良市の平城宮跡(同)についても将来、管理費を県へ負担させたい考えで、問題は平城宮跡にも飛び火しそうだ。
(筒井次郎)

●文化庁「目が行き届かない」/市「膨大な費用かかる」

 藤原宮跡は近鉄大和八木駅から南東へ約2キロにあり、約59ヘクタール。もとは大半が民有地だったが、国が買収を進め、現在は7割の約42ヘクタールが国有地になっている。

 昨年までは宮跡を発掘調査している奈良文化財研究所が芝刈りなども担当して実質的に管理していたが、国から研究所の運営費交付金を削減されるなどしたため、今年度からは文化庁が直接管理するようになった。だが、これだと宮跡内で問題が起きれば同庁職員が東京から来なくてはならず、宮跡が管理者から「目の届きにくい」状態にもなっていた。

 岩本健吾・記念物課長が安曽田豊市長を直接訪ね、管理団体を引き受けるよう申し入れたのは7月。「地元が活用しやすいよう、管理を市に任せたい」と話したという。

 安曽田市長は9月に上京し、「協議を始めたい」と前向きに応じた。管理団体になれば、イベントの宮跡使用料は払わずに済むし、使用手続きも簡単になる。廃棄物の撤去や草刈りなどの整備も文化庁に連絡不要だ。

 ただ、市の試算だと草刈りだけでも人件費は年3千万円ほどかかる。文化庁は「管理費は当面出す」としているが、金額や期間は示していない。市役所内からは「費用の問題もあり慎重に対応すべきだが、文化庁の課長が直々に来ては断れない」との声が聞かれる。

 さらに、買収に応じていない百数十人の地権者全員から、市が管理団体になることへの同意を得る必要もあり、市幹部は「実現するとしても数年はかかる」と言う。

 文化庁記念物課は平城宮跡についても、「史跡は地元管理が原則。今後、奈良県にも橿原市と同様の管理方法を求めることもあり得る」という。同課によると、国が管理費を全額負担している史跡は全国で藤原宮跡と平城宮跡、高松塚、キトラ両古墳(明日香村)の4カ所しかない。

 平城宮跡の管理費用は文化庁が全額支出しており、県は名義上の管理団体になっている。文化庁から管理費負担の正式な打診はまだないが、毎年数千万円にのぼるだけに、県教委文化財保存課は「国の礎の史跡なのだから、国が管理すべきでは」と話している。

実は、これまで
 奈良文化財研究所が藤原京跡の草刈りなどをしていたが、独立行政法人化されて予算が減ったために、現在は文化庁が直接管理しているが、文化庁の出先機関がない(以前は、奈文研が担当)形になっているので、管理ができないといういいわけ
をしているのである。だったら
 奈文研に金出して、形式上「アウトソーシング」しろ
と思うんだけどね。変でしょ?
要するに
 安倍ちゃんの言う「美しい国」とは日本の遺跡を荒廃に導く文化政策を是とする
らしい。ま、安倍ちゃんの歴史認識ってその程度ってことで。
たった年間数千万円をケチって、日本文化の中枢であった遺跡を荒廃に導きたいらしい。くだらない
 天下り機関への業務委託
を削れば、数千万円なんてあっという間でしょうに。
 元高級官僚の私腹を肥やす
方が
 日本の首都遺跡を守る
ことより大事なのが
 安倍ちゃんの目指す「美しい国」
らしいね。

これから日本は間違いなく人口が減る。
もし、本気で
 観光立国
を言うならば、何よりも
 日本の歴史を語る遺跡・文物

 日本を売り込むための大事なソフトとハードを形成する
のだが、何考えてるんですかね。まだまだ調査が終わらない
 7-8世紀の日本の首都遺跡
をないがしろにするような文化国家ってありですか?

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2006-11-11

不、不吉な! 来年の干支「猪」の重文埴輪の脚が折れる 

いったいどんな梱包をしてたんだか。
朝日より。


重文の埴輪、脚折れる カナダから輸送中
2006年11月11日02時03分

 独立行政法人国立博物館(野崎弘理事長)は10日、重要文化財の「埴輪(はにわ)猪(いのしし)」(古墳時代、東京国立博物館保管)の前脚部分が輸送中に破損したと発表した。


前脚が脱落した埴輪猪(国立博物館提供)
http://www.asahi.com/culture/update/1110/image/TKY200611100339.jpg

破損する前の埴輪猪(国立博物館提供)
http://www.asahi.com/culture/update/1110/image/TKY200611100337.jpg

 東京国立博物館の研究員が10月28日、カナダのモントリオール市で開かれていた「日本展」から返却された埴輪の包みを解いたところ、2本の前脚が脱落していた。

 円筒状の前脚の付け根には元々、筒の周囲4分の3に及ぶひびが入っており、修理が施されていた。今回、そのひびに加え、残り4分の1にもひびが入り、脚がとれた。

 国立博物館の庄司幸浩総務課長は、「輸送中に何らかの負荷がかかった結果、修理個所から剥離(はくり)が広がったのではないか」と説明。今後、文化庁と協議しながら、どのように補修するかを決める。「日本展」は同館とカナダ現地の博物館の共催で、補修費用はカナダ側が負担するという。

 この埴輪は1933(昭和8)年、群馬県伊勢崎市の上武士(かみたけし)天神山古墳から出土したとされている。

あ〜あ。ヒビは入ってただろうけど、展示とか輸送時に雑に扱われた悪寒。ドイツで
 縄文式土器破損
とか、いろいろありますな。

しかし、
 来年の干支が破損
って、困っちゃってるところもあるんでは?たぶん、
 迎春展示の目玉の一つ
だったはずで、東博が自分のところで展示するか、どこかに出陳される予定だったんじゃないのかなあ。
猪埴輪は
 犬か猪かわからん
というのが結構あるけど、これは猪。それにしても
 来年の干支が壊れる
とは、
 いい辻占ではない
ですな。鶴亀鶴亀。

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2006-08-28

世界遺産破壊計画進行中か 平城遷都1300年記念事業と京奈和道路平城宮跡貫通は抱き合わせの噂 道路行政と観光誘致の暴走

あくまでも小耳に挟んだ話なので、真偽は不明だが、表向きは別立てで進行しているように見える
 平城宮跡を通して「世界遺産」としての価値を損なう可能性のある京奈和道路建設

 平城遷都1300年記念事業
とは
 抱き合わせで行われている
という。
 平城遷都1300年記念事業
http://1300.jp/
 京奈和高速道路
http://www3.ocn.ne.jp/~nsih2001/keinawaruutozu.html

だいたい、
 平城遷都1300年記念事業は、平城宮跡に建物を建てられるかどうかの調査
は行われているが
1.  もし、目論見通り観光客が来た場合、大量に出る屎尿・施設排水や環境汚染物質を、平城宮跡地下の環境に影響を残さないように、どこに排出するか
2.  下水を通らないで、土中に浸透する、イベントによって発生する汚水や汚染物質が、平城宮会場でどの程度出て、どの程度埋蔵文化財に影響を与えるか
なんてことは一切考えられてないようだ。
 建物を建てられればOK
って、まさに
 土建国家日本の発想
ですね。箱ものさえ建てられれば、メンテナンスは考慮しないのだ。メンテナンスに意味があるというのに。

平城宮跡の地中には1300年前の奈良の人達が書いた木簡が埋まっている。木簡は
 現在の水位を保ち、かつ土壌や水が汚染されない
という条件で保存可能だが、このままだと
 イベント会場の汚水や汚染物質が埋蔵文化財を損ない、道路建設で水位が下がり、木簡そのものが永久に失われる
可能性があるのだ。
 平城宮が世界遺産であるのは、木簡を始めとする埋蔵文化財が評価されている
という点を奈良県は全く無視している。しかも、この
 遷都記念事業というお祭りに隠れて、着々と京奈和道路建設計画も進行中
で、
 この二つの事業は「抱き合わせ」
なのだという。

ふ〜ん。
そうすると、熱心に旗振り役をなさっておられる千田稔国際日本文化研究センター教授(奈良県立図書情報館館長)は、
 歴史学者としての立場より、「利益」優先
で、あちこちでお金集めに回ってるわけですね。ま、千田先生は、もう生の木簡を読まないだろうし、
 木簡より道路とイベント
なのですか。中公新書に書かれた、行基さんも道普請に熱心だったから、その跡を慕って、ご自分も道普請をなさいますか。
気の毒なのは、県内の歴史文化関係の機関で、県の事業だから代表者がつきあわされているのだが、恐らく中には、ご自分の研究ポリシーとは相容れないけれども「大人の事情」でおつきあいさせられている研究者もいるだろう。

まあ、奈良県らしい愚行ですね。
中国であちこちの遺跡を勝手に壊して、
 再開発して観光資源
にしてますが、
 奈良県のやってることも同じ
ですね。

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八世紀の日本人が見た中国典籍はなんだったのか

『日本書紀』には、中国の典籍から表現を借りている部分が幾つもある。一々、何を参考にしたとは書いてないから、その部分を探すのも、国文や国史の研究テーマの一つになっている。
現代なら
 盗作だの剽窃だの
と問題になるけれども、基本的に
 お手本に沿って作文
してるわけだから、オリジナリティは問題にならない。それよりも
 できるだけ典故を用いて文章を綴ることが名文の条件の一つ
だから、現代の文章観とは大いに異なる。

ところで、『日本書紀』で援用されている中国典籍は一体どういう性質で、どういうテクストなのか。そのことについては
 わからない
のが現状だ。現代は
 インターネットなどを利用して、電子化されたテクストの「同じ文字列探し」
が簡単にできてしまうから、
 『日本書紀』のこの部分は中国の史書のなになにと同じ
というのは、すぐに見つけられる。でも、
 『日本書紀』を書いた人間が見た本は何だったか
というと、これは分かってない。
 本当に膨大な史書から表現を見つけ出したのか
というと、そんなことは恐らくなくて
 文章を書く参考書(類書)を使って、表現を借りた
のだろう。そうすると
 現行テクストと合致する
 現行テクストは違う文字列が間に挟まっている
というのは、どういうことなのかを改めて考えなくてはいけない。出典探しで
 原典
にあたるのは鉄則ではあるが、『日本書紀』撰述の際、撰述した人物が見た書物が原典でないかもしれず、またいま
 原典
として流通している書物と、
 八世紀当時の写本の状態で流通している書物
には、文字の異同もあれば、テクストの中味も違うだろう。その当たりを発展させていくのが
 今後の「中国出典」探しの課題
だ。

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2006-07-11

白幡洋三郎教授 島台について 学術講演会@日文研 7/10

白幡洋三郎先生の講演で
 島台
といえば、面白くないはずがない。案内はがきが来てたので、速攻メールで申し込んでおいた。白幡先生は、指導教官のお一人(だったはず)。

日文研とは、最近あまり縁がないので、桂坂に行くのは久しぶり。京大工学部が移ってきてからは、ほとんど足を運んでない。
鐵ではないけど、たまたま
 JR→向日町→ヤサカバス→日文研→京都市バス西6→京大桂キャンパス経由→阪急桂→阪急→阪急烏丸→京都市営地下鉄→京都→近鉄→奈良交通バス
という、全経路ちがう交通機関で一回りすることになった。
桂坂のある洛西ニュータウンは、竹藪を切り開いてできた造成地なので、夏は異様に暑い。四年間、大枝に住んでたけど、
 ヒートアイランド現象
を、毎日実感する暑さだった。あまりに暑くて、日文研前の路上には
 地面から這いだして、日干しになる大量の蚯蚓
が毎年みられたくらいだ。

しかし、しらん間に
 花の舞公園
とかいう停留所が出来てるし。センスのないネーミングだけど、西武がつけたのか、住宅供給公社がつけたのか。日文研下の造成地は、やっと家が建ってきたところか? 相変わらず埋まらないけど。
京大桂キャンパスは、まだまだ工事中のところがあったり、思ったより学生の姿は外になかったり。ま、五時過ぎだし、理系は実験最中かな。京大桂キャンパスからバスに乗ってきたのは若い女性二人。学生だか、事務のおねえさんだかは不明。一応、桂坂の景観に配慮して、タイル張りの建物になっている。あそこは以前はなんにもないところで、東桂坂から御陵坂のドライブルートだったんだけどな。一番見晴らしのいい場所は、京大に持って行かれた模様。しかし、桂坂で
 Lune
の看板を見るようなことになるとは。

講演会の方は、月曜日にもかかわらず、
 ご年配の方々
が足を運んでいた。後から白幡先生にうかがったところでは、
 今回はあんまり宣伝しなかった
そうで、それでも結構な入りだ。

いつものように、講演は二本。最初は、渡辺先生のフランスの教育調査に関する研究。フランス人には悪名高い
 フランスの国語教育
について触れる。まだやってるんだな、あの
 綴り字嫌いになる国語教育
を。そっちの方が驚いた。フランスの教育程度の高い人達は別にして、勉強嫌いな庶民が、教養のなさを罵る言葉として
 あんた、もっと綴りの勉強した方がイイよ
というのが、大昔からあるんだけど、今でもたぶん使ってるだろうな。

白幡先生の
 島台について
というのは、古代からある庭園意匠の
 蓬莱
を象ったと思われる島台が、室内の宴のしつらいとしてつい最近まで存在した、というお話。いや〜、白幡先生が、
 画像表示ソフトを使って講演
されてるんですよ。(って、知ってる人以外にはあまり興味のない話だけど)あのソフトは便利そうだな〜。早川多聞先生から教えて貰った、ということだったので、こんどお尋ねしてみよう。
講演は大変面白かったし、自分のやってることと関連する話があったので、行ってよかった!

もう一つ、行ってよかったのは
 あんた、論文書いてへんやろ!
とご指摘を受けた件で、こちらがビックリ。
 え? 依頼きてませんけど
調べたところ、なぜか
 原稿依頼メールが不着
になってたことが判明。原因は不明だ。
(以下 業務連絡
というわけで、昨年のシンポジウム参加者の皆様、報告書の出版が遅くなったのはわたしのせいです。ごめんなさい。今週中くらいに原稿送りますので、お許しを。)

帰りのバスの中で、
 コンピュータ文化をやるつもりで日文研に行ったのに、いつの間にか古代史をやっている不思議
をかみしめた。

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2006-06-13

平城遷都1300年事業と文化庁 なぜ6/2に河合長官は奈良県立図書情報館でフルートを吹いたか

恐らく奈良県外の人にはあまり知られてない大事業を奈良県は現在計画中だ。
 2010年平城遷都1300年
http://www.pref.nara.jp/1300/
いつの間にか、こんな立派なサイトを作っている。
このサイトがやや張りぼて気味なのは、委員会名簿が奈良市長が大川靖則氏から鍵田忠兵衛氏、そして現在の藤原昭氏に代わったのがまったく反映されてないことからもわかる。更新されているのは、イベント部分だけのようだ。

昨日、ローカルニュースで
 千田稔県立図書情報館長が平城遷都1300年事業への出資をリーガロイヤルホテルで大阪の企業に説明
と流れた。この遷都1300年事業についての予算規模が、さきほどのサイトには書いてないようなのだが、こんな
 いかにもバブリーな「文化事業」
に集金しなくてはいけない千田先生も大変だな。

当然、文化庁がバックアップしてるわけで、6/2に河合隼雄文化庁長官が、高松塚古墳損傷問題や芸術選奨盗作疑惑で文化庁内がごったがえしてる最中に、わざわざ県立図書情報館で笛を吹いたのは
 遷都1300年事業との絡み
と勘ぐられてもしょうがないだろうね。「オトナの事情」ってやつだ。
奈良県はシルクロード博以降、来る人が減ってるそうで、たぶん
 平城遷都1300年事業で夢よもう一度
なんだろうけど、「なんと立派な平城京」で人が来ますかね? そもそも奈良に人が来ない理由の一つは
 まともな飲食店の数が少なすぎる
のと
 JR奈良駅前と近鉄奈良駅前がまったく整備されてない
からだ。ターミナルに下りて、
 目印となるような中核的施設がない駅
って、終わってると思いますが。まだしも大和西大寺の方が
 奈良ファミリー
があるだけマシ、な感じがする惨状である。

ま〜、企業収益が上がってるそうだから、千田先生の
 募金行脚(これからも続くらしい)
がうまくいくとイイですね。それにしても、日本の文化行政がここまで露骨に
 長官のご機嫌を取る
のは、戦後初めてではないのか。高松塚やキトラに話を向けられても逃げ回っている河合長官が、
 フルートの腕前を披露するためなら、奈良に来るのは厭わない
わけで、河合長官が提唱し、文化庁がバックアップする
 関西文化元気圈
http://bunka-ryoku.goo.ne.jp/
に関する資金の動きについては、是非マスコミに突っ込んで貰いたい。この手の
 どう考えても変な文化事業
が、最近奈良で多すぎるのだ。奈良県は財政がうまくいってるとは思えない自治体なのに、
 平城宮跡や東大寺などでの謎のイベント
がたくさん開かれている。謎というのは
 告知が遅いわりに、妙に大規模なイベントが多い
からなのだ。で、NHKや朝日新聞などがそのイベントについて報道するのだけど、奈良市内では、全然盛り上がってなかったりする。市民が知らないので、違和感が凄い。てか
 奈良はいつから貸し会場になったんだろう
と思う。ま〜、貸し会場になって、人が来ればいいと思ってるんだろうな。
イベントを開くからには、金を使っているわけで、その経費はどこから出ているのか、是非知りたい。

そんな「その後どうなったかわからないイベント」を開くくらいなら、高松塚やキトラの保存要員と調査・補修費用を増やしてくれた方がよほど世界文化のために貢献したと思うけどね。たぶん
 重要なのは目先の金
で、こうしたイベントに携わったエライ人の懐が潤うようになってるんだろう。高松塚やキトラは国の史跡だから、予算を増やしても、エライ人にはなにも返ってこないどころか、
 公務員を削減するという大目標を掲げた小泉改革
に反することになってしまうからね〜。

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2006-06-12

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その40) 和田義彦氏、国画会を退会

退会勧告を出されていた和田義彦氏から正式に国画会あてに退会届が到着、退会が認められた。
読売より。


盗作疑惑の洋画家・和田氏が「国画会」を退会

 盗作疑惑で芸術選奨文部科学大臣賞、損保ジャパン東郷青児美術館大賞を取り消された洋画家・和田義彦氏(66)が12日、所属する美術団体「国画会」を退会した。

 退会勧告をしていた同会事務局に同日、和田氏から退会届が届いた。

(2006年6月12日19時12分 読売新聞)


さて、これで
 和田氏は国画会会員ではない
と言って、営業活動に励みますか?国画会のお歴々の先生方。しかし、これまで和田氏の盗作を
 見過ご見逃していた過去
が消えるわけではない。

メディア、特に新聞社系の追求がグダグダになってるのは
 カルチャーセンターの講師に火の粉が掛かり、集客に影響が出るのが困る
 これまで開いた展覧会や、これまで掲載した「展覧会評」に「盗作疑惑」の矛先が向くのは避けたい
 今後も「美術関係」はおいしいコンテンツ(美術展開催やその周辺のメディアミックスでの展開、なにかと便利な「文化人枠」の人材確保、現役文化部記者・編集委員の退職後の「美術評論活動」の場を予約などなど)なので、できるだけケンカしたくない
というあたりで、要は
 メディアと画家と評論家が三位一体になって金儲けと「名誉欲」にたかってる
からだ。今回の米倉守氏・瀧悌三氏の例からわかるように
 新聞社の美術記者上がりの「美術評論家」がメディアとの関係を武器に、ある作家を持ち上げ、売り出す
という構図がなくならない限り、いつまで経っても
 「盗作・剽窃」疑惑のある画家や彫刻家
は減らないだろう。そして、こうした
 金儲けのための「売り出し」で地位を得た画家

 タニマチの有力者に推されて、文化功労者・文化勲章へ
というルートが確約されているわけで、ま、
 鎖国美術国家日本
らしい話である。

北斎のような独創的なグラフィックデザイナーがいるのに、なぜアメリカまで来てデザインの勉強をするんだ?
とNYの有名なイラストレーターが言ってたけど、結局
 目を養えない貧困な文化環境
が、現在の情けない状況を生み出し、再生産している。
 声のでかい画家の絵が高く、絵の高い画家がエライ
というのは、本末転倒で、
 画家の死後に絵の価格が下がる
のは、どう考えても
 作品ではなく「人物」につけられたご祝儀価格
だからだろう。

くだらない高い絵を買うよりは、不当に安価に売られている日本の工芸品を収集した方がまだしも日本文化のためになると思う。

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2006-06-10

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その39) 6/8付け社説で朝日新聞が遠回しに読売批判 ちなみに芸術選奨取り消し騒動の最中の6/2に、河合隼雄文化庁長官は奈良で朝日と県主催のフルートコンサートを開催

朝日OBの美術評論家米倉守氏が持ち上げていた和田義彦氏の盗作疑惑を朝日新聞が6/8付けの社説で取り上げた。ところが、どうにも座りのわるい文章で、単に
 「和田義彦展」を主催した読売新聞へのあてこすり
にしか読めない部分がある。その上、冒頭の部分に
 産経の5/31付け社説を引用
してる態度が悪ふざけに近い。


盗作疑惑 並べて鑑賞してみたい

 色づかいや構図ばかりではない。2人の作品は、人物の動きや表情まで驚くほど似通っている。芸術選奨文部科学大臣賞を受けた日本の洋画家の絵とイタリア人画家の油絵のことだ。

 ゴッホは浮世絵に影響を受けたが全く異なる。魂の格闘があり、発展があった。この問題を自省の鏡に、原点に立ち返るべきだ。

 ——と、知らん顔して書いていったなら大問題になるだろう。なぜなら、この文章は5月31日付の産経新聞の社説から拝借したものだからだ。言い回しを多少は変えたからいいではないか、と言ったところで、黙っていれば盗作と厳しく指弾され、ただでは済むまい。ことは美術の世界も同じではないか。

 受賞した洋画家、和田義彦氏は、疑いを強く否定している。だが、そう見られてもやむをえないとして、文化庁は賞を取り消した。

 なぜこんなことが起きたのか。どうしてもっと早くわからなかったのか。

 和田氏はイタリア留学の後、大学教授などを務めながら油彩を描いてきた。近年、受賞が続いているが、必ずしも著名な画家とはいえない。一方のアルベルト・スギ氏は、日本では無名に近い。実際の作品に触れた人が少ない分、疑惑が表面化するのが遅れたようだ。

 スギ氏とは30年以上のつきあいであり、形を同化したうえで、独自の世界を創造した。これが和田氏の言い分だ。


 日本の近代美術は、西洋に学んで成長した歴史がある。多かれ少なかれ、かの地の芸術家の影響を受けている。どこまでがまねで、どこからが創造か。線引きが難しいのは確かだが、今回は多くの作品がそっくりに見える。

 和田氏がそこまで言うのなら、自ら2人の作品を並べた展覧会を開いてはどうか。文化庁も実物を見て、盗作かどうかについての最終判断を下せばいい。

 その文化庁は、高松塚古墳の壁画にカビが大量発生した問題でも批判されている。古代の遺産の保存で失策を重ね、現代の盗作は見逃す。これでは信頼をなくす。賞の権威にとどまらず、自らの足元も揺らいでいる自覚が求められる。

 どの賞であれ、候補者と審査員の人間関係が選考に影響することがある。ましてや芸術選奨の美術部門は、絵画、彫刻、写真、建築など幅広い。その分野の専門家でないと、作品を見ていないことだってありうる。審査員の人選を含めて見直しが求められる。

 解せないのは、昨年11月、茨城県のつくば美術館で開かれた和田氏の回顧展に先立ち、疑惑を告発する投書が届いていながら、「スギ氏へのオマージュ(敬意を払った)作品」として予定通り開催されたことだ。回顧展を主催した新聞には「独創性にため息」という見出しの記事が載っている。

 疑惑は限られた当事者の間にとどまっていたのか。朝日新聞も多くの美術展を開催している。自戒に努めたい。


え〜、まず
 産経社説を冒頭にいきなり引用で「黙っていれば盗作」
って、
 加藤周一の文章を「盗用」した朝日新聞OB米倉守氏への嫌がらせ
でしょうか?
この問題を「蒸し返した」今週売りの『週刊文春』6/15日号p.143から該当箇所を引用しておく。

なぜなら米倉氏にも「盗用」の過去があるからだ。『週刊文春』(90年6月21日号)「"盗作"で停職1カ月 朝日美術記者の評判」は、当時、編集委員だった米倉氏が書いたゴッホ展についてのコラムが加藤周一氏の文章のほぼ丸写しであったことを報じている。編集部の取材に、同氏はその事実を認めた。
 記事は米倉氏に停職1カ月という朝日では異例の重い処分が下ったところで終わっていたが、実は翌月、米倉氏は依願退職していた。

この「盗作」が、一般人の想像の範囲を超えて
 斜め上を行く
のは、加藤周一は朝日新聞文化欄にずっと連載を持っており、1990年当時は「夕陽妄語」の連載中だったということなのだ。自社の文化欄にコラムをもってる「大先生」の文章を文化担当の編集委員が「盗作」するって、倫理観以前の問題じゃないか。そもそもバレるに決まっている。

で、
 和田義彦展を主催したのは三公立美術館(三重県立・つくば・渋谷区立松濤)と読売新聞
なわけで、後半は
 主催した以上、読売は態度をはっきりせんかい
という揶揄である。ま、
 高松塚といい、キトラといい、今回の芸術選奨といい、失態続きの文化庁を批判しておく
のもいつもの手だけど
 朝日から本を出したり、講演や執筆をお願いしている、文化庁長官河合隼雄先生については言及しない
のがミソだ。営業的に困る訳ね。
で、河合隼雄長官に関しては、こんなヨイショ記事を関西版に写真入りで載せている。


文化庁長官・河合隼雄さんフルート演奏会 奈良市
2006年06月02日


フルートを演奏する河合隼雄さん=2日午後、奈良市の県立図書情報館で
http://www.asahi.com/kansai/news/image/OSK200606020063.jpg

 文化庁長官・河合隼雄さん(77)らによるフルート演奏会「四季花鳥図をめでる夕べ」が2日、奈良市の県立図書情報館ホールであり、約250人が四季をテーマにした童謡などに聴き入った。

 日本画家の上村淳之(あつし)さんが奈良の四季をイメージして描いた屏風(びょうぶ)絵「四季花鳥図」が同館に寄贈されたのを記念した催し。上村さんと親しい河合さんが「絵とフルートで共演したい」と提案。川口京子さん(歌)、平井裕子さん(ピアノ)と絵のかかる同ホールで共演した。

ちなみに、このフルートコンサートが開かれた「奈良県立図書情報館」の館長は
 千田稔・国際日本文化研究センター教授
である。このコンサート企画は、河合隼雄・元国際日本文化研究センター所長から声を掛けたのか、千田先生がお願いしたのか知りませんが、県の施設で開いたってことは、準備と開催その他に県民税を使ったわけでしょう? 勘弁してよ、千田先生。そういや千田先生は、今週水曜だったか、朝日放送の夕方のニュースで、高松塚古墳壁画損傷問題について、顔出しインタビューをされていて、いつもは愛想のいい千田先生が珍しく苦悩の表情でありきたりのコメントをしてたんだけど、それにはこんなあたりが影響してるんでしょうか。

で、県立図書情報館のサイトに、お詫びの文言すら書いてあるのは、利用者からクレームが付いたんでしょうね。なおかつ、よく見ると
 主催は朝日新聞
だ。やれやれ。


文化庁長官・河合隼雄さんのフルート演奏会「四季花鳥図をめでる夕べ」

日本画家の上村淳之さん作「四季花鳥図」が当館に寄贈されたのを記念して文化庁長官・河合隼雄さんのフルート演奏会「四季花鳥図をめでる夕べ」として平井裕子さん(ピアノ)、川口京子さん(歌)を招いて、四季をテーマにした童謡の演奏をおこないました。
当日はご利用者の皆様にはご迷惑をおかけしましたがご協力ありがとうございました。
主催
朝日新聞社、奈良県立図書情報館
日時 平成18年6月2日(金) 18:30〜20:00
会場 奈良県立図書情報館 2階メインエントランスホール
参加者数 約250名


しかし、6/2といえば、文化庁は大変な時期だ。
 高松塚古墳壁画の損傷問題聞き取り調査はラストスパート
 芸術選奨取り消しで揉めている
最中の6/2に、フルートの腕前を奈良で披露してたんですか、河合先生は。他にすることがあったんじゃないのかとは思うけど、
 文化庁長官は行政については責任を取らなくてイイ
らしいからな。たぶん、お咎めナシなんだろうな。もし、これが民間企業の代表だったら、一挙に退陣に追い込まれるような話だ。重大災害があった時にゴルフをしていた首長や自治体の管理職のクビは飛ぶけどな。
で、もう一つ問題は
 コンサートは平日の午後六時半から
開かれたということで、この日は
 関西出張に設定されてた
ってことですね? だって、東京から奈良まではどんなに頑張っても午後五時に出て六時半には間に合わない。てことは
 河合長官が笛を吹くのは公務の一部という認識
なんですか? 「文化庁長官」って肩書きでコンサートを開いているってことは、まさか
 出張手当が出ている
ということですか? それとも文化庁長官はそうした勤務時間その他とは関係がない活動を認められているってことなんでしょうか。所轄の職員の前でフルートを吹くのは、まあしょうがない。でも、「文化庁長官」って肩書きでフルートを吹く、しかも文化庁が相当ひどい問題を複数抱えてる時期に奈良まで出てきてコンサートを開くのは、いくらなんでも行きすぎだと思うけどな。それとも、河合先生の周囲はイエスマンばかりで、
 長官のフルートは大変素晴らしい、是非国民に広く聞かせるべきです
とか、おべんちゃらを言ってるんでしょうか。77歳のフルート吹きというのは、鍛錬を積んでいるプロであっても、演奏するのも、聞くのも、かなりしんどいのですが、長官室で、プロを凌ぐ練習をなさっているのでしょうか。
誰か止めろよ〜。
河合先生と同僚だったある先生は、「落語やな」とおしゃっていたことを申し添えます。

とまあ、6/8付け社説は、腰が砕けまくってるわけで、それもこれも一つには
 河合隼雄長官にはヘソを曲げられたくない朝日新聞文化部の事情
が絡んでいると思われる。
もう一つは、しょっちゅう美術展を開いて、メディアミックスで儲け、カルチャーセンターで絵画教室を開いて、結構な収入のある朝日新聞が、今回の件を叩きすぎると
 他にもいるかもしれない「盗作・剽窃」している現代作家の展覧会や朝日が出してる図録、カルチャーセンターの講師
に、コトが及ぶ可能性があるからだろう。いや〜、掲示板では
 某有名画家
についての噂で一部盛り上がってますけどね。あのヒトに後ろ暗いことがあるようだと、日本の洋画界は壊滅するかも。

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2006-06-09

商用webコンテンツの「価格破壊」 AFP BBの場合

世界三大通信社の一つAFPがなぜかソフトバンクと組んでできたのが
 AFP BB
だ。

2006/02/04 20:54:44 AFP、MOVIDA ENTERTAINMENT、クリエイティヴ・リンク、共同でニュースコミュニティサイト「AFP BB News」を開始

AFP通信社(本社:フランス、CEO:Pierre Louette(ピエール・ルエット)以下、AFP)、ソフトバンクグループのMOVIDA ENTERTAINMENT(モビーダ・エンターテインメント)株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:国枝 信吾)、株式会社クリエイティヴ・リンク(本社:東京都港区、代表取締役社長:古角 将夫)の3社は共同で、読者からの情報発信も可能にした双方向性の高いニュースコミュニティサイト「AFP BB News(エー・エフ・ピー・ビー・ビー・ニュース)」(http://www.afpbb.com)をこのたび開始しました。また、本年2月3日より、「AFP BB News」が提供するニュースを引用できるブログサイト「Actiblog(アクティブログ)」(http://www.actiblog.com)のサービスを開始いたしました。

ここで音楽関係の連載をもっていた烏賀陽弘道氏が
 原稿料の価格破壊が過ぎる
というのを理由に連載を下りた。以下の記事に、その顛末が詳しく書かれている。
みなさん、さようなら。ブログ連載から降ります。

ま〜、確かに400字詰め一枚1000円以下って凄いけどね。学術雑誌では
 論文掲載料が必要
という分野もあるけど、商用webのコンテンツでかつ一定の業績のあるプロの原稿をこの値段で買い叩いているのは、凄いとしか言いようがない。
好きで書いてる趣味のblogならともかく、物書きは、書くことで収入を得ているんだから、時給換算すると笑っちゃう額の仕事はしたくないだろう。でも、たぶん
 烏賀陽氏の後釜に座って、安くても記事を書くライター
というのは、きっと出てくると思う。
雑誌の連載の原稿料っていくらだったかなあ。前にやってたのは、8000字書いて17600円とか、そんなんじゃなかったっけ? 院生の頃のアルバイトだったから、気にせずやってたけど、時給換算すると、マクドナルドでバイトした方がよほどマシ、という感じだった。ま、物書きってその程度と思っているから、朝日新聞を退社して、世の中の「マクドナルドより安い時給で働くライター」という底辺事情とは縁がなかった烏賀陽氏の言い分は
 おお、いい媒体で、イイ原稿料もらってたのね、これまでは
と思うだけではある。ま
 これが基準になって、他のライターが買い叩かれないようにしたい
という気概はいいけど、たぶん、その通りにはならないだろうと思う。だって世の中にあまたある
 趣味で書いてるblog
の中には、
 タダなのにプロよりちゃんとしてる
ってのもあるからなあ。今後も恐らく
 商用webコンテンツの原稿料価格破壊
は続くだろうと思う。

物書きの特権って何だろうね?
(追記 6/10 1:43 webコンテンツ系では、他にも「記事一本 長さにかかわらず5000円」というところがあるそうだ。一本5000円というと鎌倉書房時代の『季刊 四季の味』の「素人ならではの思いつき」コーナーに創作料理が採用されたときの原稿料と一緒だな。)

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盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その38) 「和田義彦展」を開催したつくば美術館、お詫びにもなってない説明文を掲載 しかも文書名がトンでもない状態

公共美術館のいい加減さが全面にあふれ出ている、すばらしい「説明文」をつくば美術館が出している。


「和田義彦展」について

 茨城県近代美術館つくば分館(つくば美術館)では、平成17年11月26日から12月25日まで、三重県立美術館、渋谷区立松涛美術館とともに、公立美術館3館の巡回企画展として、読売新聞社と共催で「和田義彦展」を開催いたしました。
 和田氏は、東京芸術大学大学院修了後から国画会展に出品し、平成14年に第25回安田火災東郷青児美術館大賞を受賞するなど、洋画界で高い評価を得ていました。
 和田氏は本年3月これまでの画業とこの巡回展の内容が評価され、平成17年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。ところが、周知のごとく「盗作疑惑」が発生し、本年6月5日、芸術選奨文部科学大臣賞授賞取り消しの事態となりました。
 当館は、開催直前の情報により、和田義彦氏とイタリア人画家アルベルト・スギ氏の作品の間に、図像上、明らかに直接的な関連があることを認め、和田氏に確かめたところ、二人は長年にわたって親密な関係にあり、お互いに芸術上共鳴し合うものがあって、作品を見せ合う間柄である旨の説明がありました。それにより、当館では、両氏の交流関係があることなどを、パネル等で説明するとともに、図像上直接関連がある作品については、和田氏のスギ氏へのオマージュ作品であることを明示するなど最大限の対応をして、展覧会を実施いたしました。
 ここにあらためて、上記展覧会実施の経過をご報告申し上げるとともに、今後、展覧会の開催にあたりましては、より慎重な調査研究を行ない、皆様方に信頼いただける美術館活動に取り組む所存でございますので、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
 
 平成18年6月8日
茨城県近代美術館長 加藤 貞雄  

あ〜、要するに
 盗作のタレコミ投書をどうしてスルーしたかのいい訳
ですね、加藤貞雄館長。

ちなみにこの文書、わたしが見た時点では
 一太郎10/9/8
とかいう文書名でアップされている。いや、もう、こういう
 手抜き
が、
 公表内容の信頼性を著しく損ねる
んですが。つまりは
 うるさいこと言われてるから、とりあえずいい訳
って、やる気のない態度がアリアリと見えてますね。

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2006-06-07

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その34) 損保ジャパン東郷青児美術館、和田義彦氏の2002年東郷青児賞を取り消し→再検討には米倉守氏も出席

受賞作「想」が、アルベルト・スーギ氏の作品「交差点のバー」の盗作と指摘されていた和田義彦氏の2002年東郷青児賞だが、先ほど、損保ジャパン東郷青児美術館は正式に
 2002年東郷青児賞の取り消し
を公式サイト上で発表した。


News Release
2006年6月7日
財団法人 損保ジャパン美術財団
第25回安田火災東郷青児美術館大賞授賞の取消しについて
財団法人 損保ジャパン美術財団では、本日開催しました第 79 回理事会に
おいて、第25 回安田火災東郷青児美術館大賞(現 損保ジャパン東郷青児
美術館大賞)受賞者和田義彦氏に対する授賞を取り消すことを決定
いたし
ました。
関係者をはじめ、多くの皆様のご信頼を損ねる事態を招いたことを遺憾に
思うとともに、弊財団では、今後、本件を教訓として、より厳選した審査を
行い、再発防止と本賞の運営の充実に努めてまいります。

賞 :第25 回安田火災東郷青児美術館大賞
作 家 :わだよしひこ
 和田義彦

作 品 :《 想 そう 》2001 年、油彩・キャンバス、162.0 ×194.0cm (130 号F)
授賞日 :2002年3月20日
取消理由:
本賞は、1977 年に創設され、画業に優れ、優秀な絵画を発表した作家1名
に授与してまいりました。
和田義彦氏の授賞作品「想(そう)」は、アルベルト・スーギ氏の作品
「交叉点のバー」と極めて類似
しており、本賞審査基準に照らし合わせて、
「感覚の新鮮さ」「技法の確かさ」「独自の世界の形成」の観点から逸脱して
いると判断いたしました。

以 上


要するに
 盗作だから、授賞取り消し
ということですね。ちなみに
 東郷青児賞の選考委員の一人は、和田義彦氏の守護天使・美術評論家米倉守氏
である。
http://www.toonippo.co.jp/bunka/bun2005/bun20050326_2.html

で、米倉守氏は、どう
 和田義彦氏を推した責任を取るのか
が見物だな。それとも、
 イタリア現代美術の勉強が足りなかった
と言って、逃げますかね。

続き。読売が報じる。


盗作問題の和田氏、東郷青児美術館大賞も取り消し

 洋画家の和田義彦氏(66)がイタリア人画家アルベルト・スギ氏(77)の作品と酷似した絵を発表していた問題で、損保ジャパン美術財団は7日、和田氏に対する2002年の第25回安田火災(現・損保ジャパン)東郷青児美術館大賞の授賞を取り消した。


 同財団は選考委員会と理事会を開き、受賞作「想」(01年)がスギ氏の作品「交差点のバー」と極めて類似しており、「感覚の新鮮さ」「独自の世界の形成」などの同賞審査基準から逸脱していると判断した。スギ氏は自作を1990年代末の制作としている。

 同美術館の宇野智久館長は、「和田氏に裏切られたというのが正直な気持ち。見抜けなかった自分たち、審査システムについても反省している」と語った。

(2006年6月7日20時11分 読売新聞)

宇野智久館長、ちゃんと自分たちの責任に言及して反省しているところはエライじゃないか。

で、この東郷青児賞を受けて「和田義彦展」を三公立美術館と主催した読売新聞の文化企画関係の担当者は、どう考えてるのか。そろそろ、聞きたいのだけれども。

更に続き。朝日によると
 再検討には米倉守氏も出席
したそうだ。


「盗作」の和田氏 東郷青児美術館大賞も取り消し
2006年06月07日21時00分

 洋画家和田義彦氏(66)の盗作疑惑で、損保ジャパン美術財団は7日、02年に和田氏に贈った「第25回安田火災(現・損保ジャパン)東郷青児美術館大賞」の取り消しを決めた。

 同財団は選考委員を集めて再検討した結果、和田氏の受賞作「想」(01年)が、イタリア人画家アルベルト・スギ氏(77)の「交差点のバー」(97年)と酷似しており、審査基準の「独自の世界の形成」などに逸脱していると判断。理事会で取り消しを決定した。

 再検討には当時の選考委員5人のうち、陰里鉄郎・女子美術大教授、米倉守・多摩美術大教授、石井敏彦・元同館長が出席。同館の宇野智久館長は「和田氏に対しては、残念さを超えて悲しさを覚える。今後このようなことが起きないよう、選考方法を考え直し、不名誉を克服していきたい」と話した。

 同賞は77年に創設、実力のある中堅画家に贈られてきた。02年には、東郷青児美術館で和田氏の受賞記念展「和田義彦展 煌(きらめ)く刻(とき)」を開催。同展図録で作風について「深い内面性と象徴性を感じ取ることが出来ます」としていた。


委任状だけ出して「芸術選奨」の審査会を欠席した瀧悌三氏よりはマシですな、米倉守氏。で、米倉氏の言い分を是非お伺いしたい。瀧氏も米倉氏も、現代美術関係の媒体に執筆の場は大量にあるみたいだから、ちゃんと自らの不明を愧じる旨を表明してくれるだろうなあ。元新聞記者なんだから、
 誤報・誤認には責任を取る
って、身にしみてるでしょう?

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盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その33) フランスでも報じられる

今度はAFP経由で、フランスでも
 和田義彦氏のスーギ氏の作品盗作
が報じられた。


Accusé d'avoir plagié un peintre italien, un artiste japonais est sanctionné
05-06
09:55:37

Le ministère nippon de l'Education et de la Culture a sanctionné lundi un peintre japonais, Yoshihiko Wada, pour avoir plagié l'oeuvre du maître italien Alberto Sughi.

Suivant les recommandations d'un comité de sélection qui a reconnu à l'unanimité le peintre nippon coupable de plagiat, le ministère a purement et simplement annulé le prix artistique qu'il avait récemment adjugé à M. Wada, 66 ans.

C'est la première fois que le ministère de l'Education et de la Culture prend une telle sanction depuis la création du prix en 1950. Le prix annulé récompense chaque année les artistes japonais les plus méritants.

Le peintre japonais a avoué s'être inspiré des oeuvres d'Alberto Sughi (né en 1928) "sans son accord" mais sans intention de le copier, dans un entretien au quotidien Yomiuri.

"Mon style consiste à m'approprier les structures des oeuvres des autres artistes en y ajoutant mes propres idées. Seuls les artistes ayant étudié à l'étranger peuvent saisir les différences de nuance subtiles" avec un simple plagiat, s'est défendu M. Wada, qui avait effectué un stage dans l'atelier du peintre italien dans les années 1970.

Le ministère de l'Education et de la Culture avait ouvert une enquête après avoir reçu une lettre anonyme de dénonciation en mai dernier.


結構恥ずかしいぞ、この報道のされ方は。

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盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その31) 和田義彦氏を「芸術選奨」に強く推したのは、欠席して、委任状を提出した瀧悌三氏

web版には載ってないのだが、6/6付け朝日新聞朝刊の文化欄に、はっきりと
 和田義彦氏を「芸術選奨」に推したのは瀧悌三氏
と書かれている。その部分だけ抜粋。


文化「賞」選ぶ難しさ 投書で発覚/知名度低く 対応遅れ
(山盛英司・西田健作)
(略)
 5日、選考審査員7人のうち4人が欠席した。1月の審査会で和田氏を推した美術評論家の瀧悌三氏までが欠席。これまで和田氏を弁護していたが、委任状には「和田君のオリジナリティーの考えは矛盾」し「通らない」と、授賞撤回の考えを示した。
(以下略)

ま〜、
 日本一の無責任男
ですな、瀧悌三氏は。今後も
 美術評論の重鎮
としてやっていくつもりでしょうかね。

で、和田義彦氏が「芸術選奨」候補に浮上するには、瀧悌三氏の推薦だけでは無理なので、
 国画会の大物とかそれ以外の「業界」の口利き
が功を奏したと考えられる。

例によって掲示板の書き込みだから、真偽は不明だが、こんな穿った見方もある。【盗作】和田義彦 その二【倒錯】スレッドより。


684 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/06/05(月) 16:51:58
芸術選奨に押したのは島○章三あたりだろうな。
瀧悌○あたりと事前に・・・

708 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/06/05(月) 20:33:34
763 :名無しさん@6周年:2006/06/05(月) 15:13:43 ID:5bHVpwd20
出席者
酒井忠康  選考委員長
美術評論家、世田谷美術館館長、美術館連絡協議会理事長、前神奈川県立近代美術館長
草薙奈津子
 美術評論家 平塚市美術館館長 元山種 美術館学芸課長 
建畠哲
 建畠 哲 美術評論家 詩人 多摩美術大学教授 国立国際美術館館長

欠席者
鈴木博之
 東京大学大学院工学系研究科教授 専門分野は建築史
瀧梯三
 美術評論家
福田繁雄  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E7%94%B0%E7%B9%81%E9%9B%84
 グラフィックデザイナー 東京芸術大学助教授 1997年紫綬褒章受章 東京国立近代美術館運営委員 日本グラフィックデザイナー協会会長 東京芸術大学美術館評議委員
吉田喜重 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E5%96%9C%E9%87%8D
 映画監督 2003年フランス政府より芸術文芸勲章オフィシエ賞

803 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/06/06(火) 13:17:53
まとめと疑問?

芸術選奨の選考委員全員に大いなる責任があるとして、
とくに問題は瀧梯三 (美術評論家、元新聞記者 )という選考委員のようです。
こいつがY倉という美術評論家で元新聞記者とツルんで和田を推した、がここまでのまとめです。

わたしは門外漢なのだがY倉とは?そして彼らがいた出身新聞社名は?だれか教えれ。

806 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/06/06(火) 13:35:43
Y倉は多摩美の教授。○悌三は日経じゃなかったろうか。
審査員は今をときめく評論家ばかりだね。○術の窓あたりにたくさん論説があるんじゃないかな。
会派内部裏では、島○章三が押しているだろう。会の大ボスだしね。

816 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/06/06(火) 14:11:01
Y倉って米倉の事か?元朝日

817 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/06/06(火) 14:38:01
806 トンクス。暇なのでいま調べてみた。間違ってたら逝ってくれ。
瀧梯三(美術評論家)、米倉守(多摩美教授)、島田章三(国画会)
和田を強く推した3人のようだ。

選考委員の瀧梯三は日経新聞出身の評論家。

米倉守(多摩美教授、美術ジャーナリズム論)は
1938年三重県出身 朝日新聞の美術担当記者を経て美術評論家、
多摩美術大学教授そして松本市美術館館長。

国画会の島田章三氏(1933年神奈川県出身。東京芸大卒)は
芸術院会員、文化功労者ですね。いかにもってのが笑えるねw.

どいつもこいつも権力欲と名誉欲の塊みたいで胸が悪くなりそうだ。


裏にある構造としては
 1. 今回の芸術選奨洋画部門は「国画会」の年、「国画会」の重鎮がしかるべき人物を部内で推薦、会として更に推薦
 2. 日本現代絵画評論の重鎮で、芸術選奨選考審査員の瀧悌三氏が、国画会などの意を受けて、強く推す
3. 他の審査員で、「生きる日本近現代美術史」瀧悌三氏の意見を覆すだけの人物がおらず、「芸術選奨」授賞決定
てな流れですかね。で、罪深い話をするならば
 盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方(その20) 国画会は知っていた 2002年の東郷青児賞受賞時からすでに噂に
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/06/202002_7c68.html
で取り上げたように、
 アルベルト・スーギ氏の作品「交差点のバー」を「模写」した和田義彦氏の「想」により2002年東郷青児賞を受賞
したワケだが、この受賞がきっかけとなって、「芸術選奨」授賞理由となった
 昨年の和田義彦氏の回顧展が企画
されたのである。要するに
 スーギ氏の作品を「模写」して、東郷青児賞受賞→スーギ氏の作品の「模写」を大量に含む「回顧展」を三公立美術館で開催→「回顧展」が評価されて「芸術選奨」受賞
という流れなのだ。ま、今回「芸術選奨」取り消しになったのだが、もし、このまま和田義彦氏の盗作が見逃されていたら
 次は「文化功労者」→「文化勲章」受賞
ということになりかねなかったのだ。「芸術選奨」は賞金は30万円だが、年金のつく「文化功労者」への足がかりとして知られている。文化功労者への年金は
 文化功労者年金法施行令
http://www.houko.com/00/02/S26/147.HTM
によると、現在
 年額350万円
である。文化功労者に選ばれると、次は文化勲章が待っている。
で、
 他人の作品を盗作し続けて、文化勲章を受ける
という事態だけは、今回未然に避けることが出来た。

和田義彦氏の「盗作」事件は
 日本の文化「栄誉・金儲け」システムがいかに腐っていて、実力ではなく、「会派の根回し」で受賞者が決められ、かつ、「文化勲章」までの階段が作られているか
というのを、芸術業界に疎い素人にも、分かる形で示してくれた。いや〜、その意味では
 和田氏は優れた「反面教師」
である。もし、和田氏がこれだけあからさまな「盗作」ではなく、
 注意深く見なければわからない「剽窃」
で、画業を続けていたならば、本当に文化勲章を貰うまでに上り詰めていたかも知れないのだ。その点については、和田氏に感謝しなくちゃね。

しかし、
 盗作画家を芸術選奨に推薦しちゃった「国画会」
はどうなるんだろう。
 芸術選奨の「一回飛ばし」
くらいで、文科省は許してくれるんだろうか?
なおかつ
 国画会会員で、文化勲章をねらえる位置にいたエライ画家達
は頭を抱えていることだろうな。

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2006-06-06

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その30) 三重県立美術館、「和田義彦展」について館長名で謝罪文掲載

盗作認定により、「芸術選奨文部科学大臣」が取り消された和田義彦氏の受賞理由となった展覧会
 ドラマとポエジーの画家 和田義彦展
を開催した、和田氏の故郷三重県の三重県立美術館が、6/5付けで、謝罪文を公式サイトに発表した。


お詫び

三重県立美術館では、平成17年(2005年)4月9日(土)から6月12日(日)まで、「ドラマとポエジーの画家・和田義彦展」を開催いたしました。
和田義彦氏は三重県の出身で、東京芸術大学大学院修了後から国画会展に作品を発表するほか、個展開催や各種展覧会にも出品して注目を集め、平成14年(2002年)4月に第25回安田火災東郷青児美術館大賞を受賞するなど洋画界で高い評価を得ていました。
こうしたことから、当館では和田氏の画業を紹介することに意義があると判断して、読売新聞社との共催により本展覧会を開催したものです。
和田氏は、本年3月にこれまでの画業と本展覧会の内容が評価されて平成17年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。
ところが、このたび本展覧会にイタリア人画家アルベルト・スギ氏の作品から盗作したと見られてもやむを得ない作品が出品されていたことが判明しました。
展覧会開催に当たって、当館では和田氏の画業ならびに出品作品について同氏との面談や美術雑誌、展覧会図録、その他関係の文献資料等を通じて調査を行いましたが、問題を把握することはできませんでした
本展覧会を開催したことによって、アルベルト・スギ氏、展覧会をご観覧いただいた方々並びに多くの関係各位にご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫びn申し上げます。
 私どもは今回の事態を真摯に受け止めて、今後、展覧会の開催に当たりましてはこれまで以上に慎重な事前調査を行うとともに、皆様方に信頼をいただける美術館活動に取り組む所存でおります。


平成18年(2006年)6月5日

                                         三重県立美術館長

                                               井 上 隆 邦

おお、三重県立美術館、素晴らしい。ちゃんとお詫びをしてるじゃないか。

では、同時期にこの展覧会を開催した他の美術館の対応はどうか。
 茨城県立つくば美術館
http://www.tsukuba.museum.ibk.ed.jp/2006index.html
今のところ、なんの音沙汰もない。

 渋谷区立松濤美術館
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/index.html
独立したサイトがないんだな。今のところアナウンスは見あたらない。てか、和田氏は、
 松濤美術館審査委員
だからなあ。渋谷区は身内の不祥事にどう落とし前をつけるんだろ?

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2006-06-05

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その25) 文化庁、和田義彦氏の「芸術選奨」授賞取り消し(速報)

テレ朝の昼のニュースでたった今(11:53)、
 文化庁が審査会を開き、和田義彦氏の「芸術選奨」授賞取り消しを先ほど決定
と報じた。


2006/06/05(10:58) 盗作疑惑の洋画家和田氏 芸術選奨を取り消し

 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家・和田義彦氏の盗作疑惑を受け、文化庁は臨時の審査会を開き、賞の取り消しを決めました。

 和田氏をめぐっては、イタリア人画家・アルベルト・スギ氏の作品、20点以上を盗作した疑惑が持たれています。文化庁は、5日午前10時から芸術選奨の選考に当たった委員7人のうち3人が出席し、臨時の審査会を開催しました。取り消し理由として、和田氏の受賞を取り消す決定をしました。芸術選奨の取り消しは、初めてのことです。4日夜、和田氏からは「賞を返上したい」という内容のファクスが文化庁に届いていますが、盗作疑惑については、これまで「作品はオリジナルで盗作ではない」と反論していました。

フジは村上ファンド会見中心で全国ニュースにこの話題を乗せなかった。

これからNHKの昼のニュース。
NHKは
 臨時審査会で「盗作と見られてもやむを得ない」と結論、受賞取り消しへ
という報道。(12:10)

少なくとも文科省と芸術選奨の審査会メンバーは、自らの不明を恥じ、アルベルト・スーギ氏に直接詫びるべきだろう。

続き。産経に短く一報。


和田氏の作品「盗作と判断」 芸術選奨を取り消し

 今春の芸術選奨文部科学大臣賞に選ばれた洋画家、和田義彦氏(66)の作品がイタリア人画家、アルベルト・スギ氏(77)の絵に酷似していた問題で、文化庁は5日、芸術選奨美術部門の選考審査員を再招集し、臨時選考審査会を開いた。
 文化庁の調査内容や和田氏側の主張を踏まえた審査の結果、「盗作と判断せざるを得ない」と全員一致で判断、芸術選奨を取り消す結論を出した。

 受賞の取り消しは、芸術選奨が創設されて以来、初めて。

 和田氏は4日夜になって「賞取り消しという不名誉を受けたくない」として賞の返上を文化庁に申し出ていた。また、2人の作品が酷似していることについては「(盗作と)受け取られても仕方がない」という旨の内容を文書で提出する一方で、一貫して盗作疑惑を否定。「私なりの手法で表現したもの」と強調していた。

(06/05 12:15)


毎日が「取り消しへ」を「取り消し」として記事を手直しして掲載。

絵画酷似問題:盗作認定、芸術選奨取り消す 文化庁

盗作の有無を審議する草薙、酒井、建畠の各審査員(左から)=5日午前10時5分、手塚さや香写す
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/images/20060605k0000e040037000p_size6.jpg

 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家の和田義彦氏(66)の作品がイタリア人画家、アルベルト・スギ氏の作品と酷似している問題で、文化庁は5日午前、盗作の有無を判断する臨時審査会を開き、「盗作とみられてもやむを得ない作品があった」として授賞の取り消しを決めた。同日午後、文科省が正式発表する。賞取り消しは1950年の芸術選奨の創設以来初めて。選考のあり方も厳しく問われそうだ。
 審査会には、3月に和田氏への授賞を決めた美術部門の審査員7人のうち、3人が出席(欠席した4人のうち3人が委任状提出)。終了後に会見した文化庁芸術文化課の鬼沢佳弘課長らによると、主な授賞理由となった回顧展「ドラマとポエジーの画家 和田義彦展」を中心に、和田氏とスギ氏の対面調査での発言、調書、図録などを検討。「盗作でないと証明する十分な根拠がない」という結論に至った。美術評論家の高階秀爾氏ら有識者4人にも意見を求めたが、「盗作の可能性をぬぐいきれない」との声が強かったという。
 今年4月に匿名の投書が社団法人日本美術家連盟と文化庁に寄せられたことから、疑惑が浮上。文化庁の聴取に対し、和田氏は「スギ氏とは長い付き合いで、一緒に習作やデッサンをして影響を受けた。作品はスギ氏へのオマージュ(尊敬から似た作品をつくること)であり盗作ではない」と主張。スギ氏は「和田氏は私の絵のファンだと思っていた。画家と思ったことはない。和田作品を見て驚いている。明らかな盗作」と述べ、全面的に対立した。
 さらに、和田氏は4日夜、毎日新聞社や文化庁に疑惑を否定したうえで賞を返上する意向を文書で伝えた。この中で和田氏は、「三十五年間に渡る深い交流を通じて啓発し合いながらの成果」「形を同化して私なりの空間、造形性を……盛り込み、独自の世界を創造することが、この時代のテーマだった」と説明したが、審査会では議論の対象にならなかった。
 和田氏は東京芸術大大学院を修了。美術団体「国画会」に所属していたが、盗作問題で5月31日に退会勧告を受けている。【米本浩二、手塚さや香】
毎日新聞 2006年6月5日 10時41分 (最終更新時間 6月5日 12時17分)


ところで、
 芸術選奨の選考過程で「ある委員が強く推した」
という噂があるのだが、今日出席あるいは委任状を寄せた委員は六人。一人だけ、欠席して委任状も出してない委員がいるのだけど、どうして? まさかその人が「噂の和田義彦氏を一押しした委員」じゃないよね?

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盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その24) 文化庁、和田義彦氏の「芸術選奨返上」願いに関わらず、本日審査会を開く予定

NHKが文化庁に尋ねたところ
 和田氏の「返上」願いとは別に、6/5の審査会を開く予定
だそうだ。
NHKニュースより。


盗作を否定 選奨は返上の意向

(略)
文化庁は、5日に芸術選奨の選考委員を務めた専門家らを集めて審査会を開き、盗作かどうかの判断を下す予定ですが、和田氏は、4日夜、NHKの取材に対し、5日に文化庁に賞を返上したいとする文書を提出する考えを明らかにしました。この文書で、和田氏は「構図が酷似しているのはローマの画家との深い交流の成果だ」として、盗作ではなく共同制作だとあらためて主張したうえで、「今の情勢でわたしの主張が聞き入れられるとは思えず、賞の取り消しという不名誉を受ける前に返上したい」としています。一方、文化庁は、5日の審査会で、この文書とは関係なく、盗作かどうか検討し、文部科学大臣賞の扱いを検討することにしています。

06/05 00:25


まあ、小坂文部科学大臣が
 6/5に審査会を開く
と明言してるんだから、当事者が何をやってもそれが覆ることがないのが官僚主義ってことなんだろう。

なんせ、高松塚古墳壁画損傷問題で、ただ今、文化庁は
 大臣に信用されてない
とびくびくしているらしい。
朝日より。


「報告した」「記憶にない」 国宝壁画損傷、解明足踏み

2006年06月04日12時08分

(略)
 文部科学省からもプレッシャーがかかる。小坂文科相は、調査委の結論を待って関係者の処分を検討する考え。文化庁単独で対応してきた。文化財のカビ対策について「専門家会合」を設け、省内に事務局を置く意向も示した。ある文化庁職員は「大臣は我々を信用していない」とショックを隠さない。
(以下略)


大臣に信用されてないというのは、官僚にとっては、驚天動地だろう。
芸術選奨も壁画の管理も、文化庁の
 美術学芸課の管轄
なわけで、新聞記事や記者会見を見ていると
 両方で同じ名前が出てくる
のに気がつく。
(追記 11:19)
例えばこんな記事。
朝日より。

「文化財保存、村民も」/高松塚古墳
2006年04月14日

(略)
 高松塚古墳の極彩色壁画(国宝)の劣化が発覚した04年6月以降、村は文化庁への不信感を募らせていた。今年1月、初めて村で開いた住民説明会で、同庁の加茂川幸夫次長が出席し、「情報公開が不十分だった。信頼回復に努めたい」と約束した。

 「文化庁からの連絡はそれ以降増えた。今回発覚したことは過去の文化庁の体質だと信じたい」。明日香村の脇田文化財課長は、同庁の変化を期待する。

(以下略)


スポニチより。

和田氏“盗作”否定 文化庁に文書提出
(略)
 芸術文化課によると、和田氏は約1時間にわたり同庁の加茂川幸夫次長と面談。酷似が指摘された作品について「スギ氏と共同制作したり、オマージュとして描いたものだ」と説明、スギ氏の「盗作だ」との主張に「きちんと反論したい」と疑惑を否定したという。

 同課は「芸術選奨の権威にかかわる問題なので早く結論を出したい。今後は選考方法の改善も検討したい」としている。
(以下略)


文化庁の実質的な「責任者」は、現在加茂川次長。前職は「高等教育局私学部長」だったそうだ。加茂川次長の前の素川富司次長は、2004年7月1日付で「スポーツ・青少年局長」に転出している。
第148回宗教法人審議会
和田義彦氏に文化庁の実質的トップが直々に話を聞いたわけ。官僚組織的にはでかい話みたいだけど、一般人にはこのあたりの機微は分かりにくい。しかも、和田氏は全然分かってなかっただろう。

そういえば、河合文化庁長官と以前同僚だった先生方に
 何で高松塚にしてもこの話にしても、河合さんは出てこんのや?
と聞かれた。一応、その都度
 長官は責任が及ばない職らしいです
と答えている。この点については、2005年10月に大地舜氏が確認している。


注1
文化庁長官は行政的な責任を取らなくてよい。したがって国会答弁なども次長が行う。だが形式的な人事権は所有している。(文化庁文化財課島田健治課長補佐)

(追記 ここまで)

ま〜、
 高松塚の一件で大臣に強い不信感があったところに、自分の名前を冠した「芸術選奨文部科学大臣賞」が盗作
とあっては、小坂文科相の怒りも宜なるかな、だ。いつものような
 官僚主導
というわけには行かないだろうね。

今回の「盗作疑惑」で傷ついた「芸術選奨」の価値を守るためには
 文化庁自らが、断を下す
以外に手はない。そして、
 同じことが二度と起きないように、事前の審査体制を抜本的に刷新する
必要がある。今まで絵画に関しては
 関係団体の推薦
などで決めてたようだけど、「盗作」疑惑はこれからも起きうるから
 類似した先行作品がないかどうかをチェックする第三者機構
に調査をさせないとね。また、国際的に恥をかくぞ。

しかし、和田氏のタニマチだったトヨタの奥田碩氏は、さぞかり腸が煮えくりかえってることだろう。せっかくF1に参戦して、多額の儲けをつぎ込み、会社のイメージアップを図り、ヨーロッパ市場の拡大を図ろうとしてたのに、この盗作事件は、今まで払拭しようとしていた
 やっぱり、日本人はヨーロッパの猿真似しかできない
という悪評を、ヨーロッパの人々に思い出させ、日本人を揶揄するネタになったのだから。それも贔屓の画家が引き起こした事件なのだから、念が入っている。フランス・イタリアの自動車会社あたりが、今回の経緯を知れば、トヨタの不見識をせせら笑うに違いない。
 やっぱりヨーロッパの猿真似をする奴は、イタリア人の猿真似をした絵がお気に入りなんだね。オリジナルを作る力もなければ、本物を見抜く力もないのだね。
と。トヨタのダメージは結構大きいかも。というか、ヨーロッパの階層社会では、このあたりの
 芸術に対する「見識」
は、F1に参戦するような自動車会社の経営者であれば
 当たり前に身に付いている教養
ではないかと思われるからなのだ。アメリカはどうだか知らないけど、ヨーロッパは手強い。

おまけ。

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2006-05-31

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方(その9) アルベルト・スーギ氏のサイトに和田義彦氏問題関連のリンク集できる

文化庁、早く決断しないと、国際的に大恥をかきますよ。

和田義彦氏の「盗作」に怒るアルベルト・スーギ氏の公式サイトに、今回の事件関連のリンク集が出来た。
http://www.albertosughi.com/f_prima_pagina/2006-pp_japan.swf
毎日・共同などの英訳ニュースだけでなく、武蔵野美術大学の和田義彦氏の経歴紹介ページや
http://www.musabi.ac.jp/abura/faculty/wada/wada.html
三重県立美術館で開かれた、今回の受賞理由となった展覧会の英文の案内
http://www.pref.mie.jp/bijutsu/hp/English/Exhibitions/E_Wada.htm
などにリンクが貼られている。武蔵野美術大学と三重県立美術館は、世界中のアルベルト・スーギ氏ファンとこの手の
 前代未聞の絵画スキャンダル
に興味を持つジャーナリスト・海外メディアに、
 美術に関わるものとしての見識
をモロに問われている。三重県立美術館の和田義彦展英文ページには
 スーギ氏の作品の「盗作」
と目される絵が掲載されているだけに、かっこ悪すぎだ。武蔵野美術大学の経歴紹介には


東京芸術大学大学院修了
2002 「第25回安田火災東郷青児美術館大賞受賞展」(損保ジャパン東郷青児美術館)
東郷青児美術館、松濤美術館審査委員

という情報も含まれるから
 東京芸大の油絵科関係者のみならず日本から海外留学しているすべての画家
 東郷青児美術館
 松濤美術館
も、世界中に見識を問われているわけだ。特に、海外留学しているすべての画家達は
 お前も、俺の作品を泥棒に来たのか
という嫌みの一つも言われてるかも知れないし、
 今後は日本人はアトリエ出入り禁止
になるかも知れない。

この問題が大きくなる前には、アルベルト・スーギ氏の名前でググると、12万件くらいヒットしたのだけれども、この
 和田義彦氏の「盗作」問題リンク集
開設以降、この数字がどうなっていくかには興味がある。ヒット数が伸びれば伸びるほど
 日本の政府機関、教育と文化を預かる「文部科学省」とその下にある「文化庁」の不手際
が、世界中に喧伝されている、ということになるからだ。
問われているのは
 日本の見識
なのである。文化庁や文科省の
 役人の面子
には、世界中は興味を持ってない。もし、
 役人の面子を優先して、対処を遅らせるようなことがあれば、日本は「国際文化交流」の場から嘲笑をもって迎えられ、以後、まともな「先進国」としては認められなくなる
だろう。そりゃ
 お財布代わりに使える国
くらいには、思ってもらえるだろうが、今問われているのは
 日本には、本物の「国家としての文化に対する見識があるか否か」
なのだ。

続き。英語版Wikipediaのアルベルト・スーギ氏に関する記事に、
 今回の盗作疑惑
の項目が新設されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Alberto_Sughi


Controversies

In May 2006, news emerged that the prize-winning Japanese artist, Yoshihiko Wada had been accused of plagiarizing the work of Alberto Sughi, having produced several pieces of art virtually identical to pieces from Sughi.(1). The story made national news in Japan. Wada denies these claims, and stated that he had known Sughi ever since he studied in Italy in the 1970s, and had been influenced by him and had worked together with him on several designs. Sughi, when interviewed stated that he was unaware that Wada was producing work so similar to his own accused Wada of plagiarism.

おまけ。文化庁の著作権に関するQ&Aから。


Q 私は台湾人ですが、私の書いた絵画は日本で保護されますか。

A  保護されます。
 台湾は、ベルヌ条約等の国際著作権条約に加盟していませんが、、WTO(世界貿易機関)には加盟しており、その協定の付属書のTRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)の適用を受けます。TRIPS協定は、知的財産権の国際的保護を定めた国際協定ですが、著作権の保護については、基本的にベルヌ条約の内容によることになっていますので、同じくWTOの加盟国である日本は、この協定により台湾人であるあなたの絵画(著作物)を保護する義務があります(第6条)。

http://bushclover.nime.ac.jp/c-edu/ref.asp#300
保護を受ける著作物  我が国の著作権法によって保護を受ける著作物は、次のいずれかに該当するものです(第6条)。

(a) 日本国民(法人を含む)が創作した著作物(国籍の条件)
(b) 最初に日本国内で発行(相当数のコピーの頒布)された著作物(外国で最初に発行されたが発行後30日以内に国内で発行されたものを含む)(発行地の条件)
(c) ベルヌ条約、TRIPS協定等の条約により我が国が保護の義務を負う著作物(条約の条件)


なんか今の状態では、文化庁が著作権を守ってないことになってるんですけど。

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2006-05-10

千葉県教育委員会主事、ネットオークションで縄文土器などを売りさばき懲戒免職

ヤフオクを眺めていると
 これはアカンやろ!
と思う文化財が出品されてることがある。
しかし、まさか教育委員会の主事が出土物を売り払うとは。この国の公務員のモラルはどうなってるの?
朝日より。


縄文土器ネットオークションで売却、千葉県職員を懲戒免
2006年05月10日19時27分
 千葉県教育委員会は10日、生涯学習課の男性主事(50)が県所有の縄文土器などの文化財や備品を持ち出し、インターネットオークションで売っていたとして、懲戒免職処分にしたと発表した。

 県教委によると、この主事は、文化財の保護や調査研究をする外郭団体、県教育振興財団の東部調査事務所(成田市)に派遣されていた05年11月から06年3月にかけて、事務所から土器などの文化財9点やパソコンなど計30点を持ち出し、文化財5点を含む計26点をネットオークションにかけて計11万6266円で売却した、という。

 文化財は縄文中期の土器や、旧石器時代の石器など。整理や分類のため収蔵庫に保管されていた。ほぼ完全な形をした縄文土器もあり、2万2700円で売れた。財団は「史料としての価値が高い」という。主事がすべて買い戻した。

 主事は上席研究員として発掘調査報告書の作成などに携わっていた。「不要な私物にも値段が付くのがおもしろく、ネットオークションにはまってしまった」と話しているという。

 3月に、県内で出土した土器が出品されている、と県教委に情報が寄せられ、財団などで確認したところ、主事が持ち出しを認めたという。


3月に気がついた人はえらいな。てか、発掘関係者がたれ込んだのか?それとも土器を専門にしてる人かな?

しかし
 不要な私物

 県内の文化財
を一緒くたに考えてる公務員が
 文化財管理担当
って、恐ろしい話ですね。前から
 教育委員会から派遣されてくる職員には、とんでもないのがいる
という噂はよく聞いてたのだが。どうせ
 こんな暇なところに左遷しやがって
くらいにしか感じてなかったんだろうな。いかに
 日本の公務員が文化財の価値を低く見ているかよくわかる事件
で、頭が痛い。

続き。先ほどまで
 てっきり、教育委員会に回されてきた元教員などの「非考古系」の犯罪
と思ってたら、読売の記事を読むと
 ずっと発掘担当
だったんじゃん! 更に驚愕。


縄文土器をネットで販売、千葉県職員を懲戒免職

 千葉県内で出土し、同県教育振興財団が保管していた縄文時代の土器などを無断でインターネットのオークションで売ったとして、同県教委は10日、西口徹・生涯学習課主任文化財主事(50)を懲戒免職処分にした。


 同財団は、業務上横領容疑などでの刑事告発も検討している。

 同県教委によると、西口主事は、同財団東部調査事務所の上席研究員だった2005年11月〜06年3月、同事務所で保管していた縄文土器などをネットオークションで売却し、計11万6000円を不正に得ていた。

 今年3月、「ネットオークションで千葉県内出土の土器類が販売されている」との通報があり、無断売却がわかった。

 売却されたのは、2000年10月に同県酒々井(しすい)町で出土した縄文中期の「かめ」(高さ約25センチ)のほか、縄文時代や旧石器時代の土器片、石器片など

 「かめ」はほぼ完全な状態で発掘され、「資料的価値は高い」(県教委)といい、2万2700円で落札された。

 いずれも西口主事が買い戻し、同財団に返還した。保存品と台帳の照合を年1回行っているが、指摘を受けるまで持ち出しに気付かなかった。

 西口主事は「私物をオークションにかけていたが売れるのが面白く、土器にも手を出してしまった」と話しているという。

 西口主事は79年に採用後、一貫して発掘調査を担当し、出品の際も「完品に見える素晴らしい品」などと紹介文を添えていた。

(2006年5月10日20時6分 読売新聞)


なんなんだ、この主事は!
自分の仕事に誇りを持ってないのか。

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2006-04-18

高松塚・キトラ古墳保存問題 渡邊座長辞任で済む話ではない (その3) 終末に至る「終末期古墳 高松塚」

だんだん絶望的な気分になってきている。

昨日、高松塚壁画損傷問題を取材している複数のメディアに電話して聞いてみた。そこで分かってきたことは、
 現在の「高松塚古墳壁画恒久保存検討会」のメンバーの少なくとも5人以上(4人は「高松塚古墳壁画損傷」時に修復に当たったメンバー)は、76年以降の虫の侵入も、2001年の「取り合い部」の杜撰な工事が黴の大発生を招いたことも、あらかじめ知っていた上で、国民に対して、生物学者の「現況では壁画を守れない」という「科学的知見」に促されて「石室解体」に賛意を示す、というパフォーマンスをして見せたのではないか
という疑惑だ。昨日見つけた大地舜氏の
黄トンボ 今週の疑問 「誰が国宝・高松塚古墳壁画を殺したのか?高松塚古墳石室解体にみる文化庁の体質」
大地舜 10月3日
http://www.kitombo.com/gimon/1003.html
には、当時の文化庁の担当官の実名が書かれていたりするわけだが、これらの人々がほぼ全員「ご栄転」しちゃってるのは、大地氏の記事の通りだ。当時の担当官の現職を見れば、今は現場とは関係ない名誉職についている人が多いことがわかる。(それで昨日、奈良博からアクセスがあったのか〜。今日は奈文研から来てるけど。まさか、エライ人が拙blogをお読みくださっているとは思えないので、たぶんアクセスしてるのは若い人だろう。そんなに、上司や職場の過去がどう書かれているか気になるのだろうか。刊行されたり、ネット上に公開されている資料を用いているだけの、素人の個人blogに、それほどの破壊力があるとは思えないのだが。)
なおかつ、実際の作業にあたった人、直接担当はしてなかったが内部で事情を知り得る立場にいた人が、現在の「検討会」のメンバーに含まれている。ついでに言えば、「特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会」とこの「検討会」のメンバー以外で、終末期壁画古墳保存に意見の言えそうな専門家を捜しても、あまりもう残ってない。
もちろん、まったく作業にタッチしなかった人、内部事情を知らなかった人も委員の中にはいる。このあたりは、組織上の問題というか機構上の問題で、実のところ、
 高松塚古墳の保存を学問的に議論できる人材は、国内ではこの「高松塚検討会」「キトラ調査研究委員会」に集められた人々でほぼ尽きている
のだ。渡邊座長が辞任したところで、
 果たして後任補充が出来るのか
というのは疑問だ。文化庁は、高松塚古墳壁画損傷について
 外部から人を呼んで検討する
というのだが、「検討会」「調査研究委員会」以外から新たに呼ぶにしても、専門的な立場からアドバイスできる人はほとんど残っていないのではないか。

渡邊座長辞任で、新たな検討会の委員が選出された後は、何人かの有力委員の言ですべてが決まっていく、といった
 より形骸化した「検討会」になるのではないか
という危惧がある。まあ、一番最初の「疑い」つまり
 そもそも「結論」ありきで、むしろ文化庁のこれまでの不始末を隠蔽するための「検討会」開催
なのだったとしたら、すでにしょうがないのだけど。さすがにそこまで疑いたくはないなあ。
そもそも、現在、高松塚・キトラ古墳で作業をしている人達は、
 過去のマズイ処置の尻ぬぐいをさせられている上に、もし、何か失敗したら、叩かれるだけの損な役回り
なわけで、士気が上がらないこと、夥しいだろう。わたしは
 高松塚石室解体は、成功しない可能性がある
とずっと思っているから、もし、解体時に天井石が粉々に砕けても驚かないけれども、世論はそうは考えてはいない。

どうしても誤解されやすいのだけれども、現在独立行政法人になっていて、高松塚・キトラ古墳の保存に関わっている「東文研」「奈文研」は、研究所とはいえ、大学の研究所とは著しく性格を異にする。大学では、基本的に、犯罪にならない範囲であれば、言論は自由だし、研究者としての独立は、よほど変わったところでもない限り、保証されている(教育者として独立してるかどうかは謎)。ところが、東文研も奈文研も、基本的には文化庁とのつながりが深く、人事交流も行われている。独立行政法人化されたから、組織上はそうではないようだが、気分的には今でも親分は文化庁だ。調査・研究活動をしているけれども、大学とは全くカラーが違う。大学では、一人一人が一国一城の主だけれども、「東文研」「奈文研」は、個人業績もあることはあるが、基本的には研究所としての共同の業務が中心である。「東文研」「奈文研」に就職するには試験があるのは、京大の人文研と似ているけれども、その後の業務の性格は180°違うと言っていいだろう。
一番はっきりしているのは、その閉鎖性である。大学も閉鎖的だが、東文研・奈文研はさらに外からはわかりにくい組織だ。そのために、奈文研は、奈良の人があんまり知らない組織である。県内には県立の橿考研があるが、橿考研と奈文研の違いも、一般の人にはよくわからない。

かくして、マスコミも含めて、世間一般からは
 秘密の研究所が、こっそりやってるように見える
のが、
 高松塚・キトラ古墳の保存修復
なのである。たぶん、文化庁や奈文研・東文研の中の人は
 なんでこんなにマスコミに叩かれるんだ!
と身の不運を呪っているかも知れない。マスコミが、叩く理由はただ一つ。
 外部に十分な情報公開を行ってこなかった組織だから
だ。マスコミも勉強が足りないかも知れないが、学力が下がっているのは、最近の日本の中では当たり前のこと。教養主義は滅びてしまっているのだから、
 取材する側は勉強してこい
と一喝する前に、まずは
 中学生にわかるような言葉で説明する
訓練をしたらどうか。言葉が届かなければ、国民の理解は得られない。理解が得られなければ、予算はどんどん削られるだろう。「理解して貰う」努力を今からでも始めなければ、将来に渡って、文化政策に金は回ってこない。

マスコミの言説が高松塚・キトラ古墳保存問題に苛立ちを強める理由の一つは
 自分たちの「暗黙知」が世間に通用していると思いこんでいる文化庁とその関係機関の普段の言説と行い
にある。誰もが、考古学や歴史学のエキスパートではないのだ。そうして、取材者をバカにする態度を取るから、こういう時に、一気に敵を取られるのである。互いに敬意を持ち得ない関係は、不幸を呼び起こすだけだろう。

で、ついでに。
これだけ高松塚古墳壁画損傷が問題になってるのだけど、NHK奈良局には、クロ現を作る余力はなさそうですな〜。「ならナビ」とかいう、訳の分からんローカル番組は作れるみたいだけど、最近、文化財関係の取材力はどうも今ひとつですな。久保記者、もうちょっと勉強しようよ。で、文化財番組を作れるPDはいるのか? 去年の正倉院番組(新・日曜美術館)はひどかったけど。
というわけで、渋谷の科学文化部、頑張って頂戴。「高松塚古墳壁画損傷」を抜いた責任は取ろうよ。

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2006-04-17

高松塚・キトラ古墳保存問題 渡邊座長辞任で済む話ではない (その2) 巧妙に隠蔽された「76年のムカデ侵入」

せっかく書いたエントリーをとばしてしまったので、書き直す。

キトラ古墳は壁画剥離に至るまでに紆余曲折が多すぎ、機を逸した。
高松塚古墳は、拙劣な根回しによって、あっという間に石室解体を決めた。

高松塚古墳石室解体が決まる経緯は以下のエントリーに詳しく書いた。
注目すべきはこのあたり。
2005/5/08
高松塚古墳壁画保存問題の謎
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/05/index.html
で、このエントリーで取り上げられているように、この時点で文化庁は
 生物学者三人をフィーチャー、「黴が根絶できないのは、黴とダニの相互増幅説」
を出してきたのだった。フィーチャーされた生物学者にはお気の毒な話で
 76年からムカデが石室に侵入していた事実
 2001年に防護服を着ないで工事をして、黴の胞子が石室に入った可能性
を全く知らされずに、
 2002年から石室にムカデが侵入、黴が増殖した
という「データ」を元に、学識経験者として招聘されてるわけで、客観的データでもなんでもないもので話をさせられたのを、最近まで知らなかったと思うと、大変悲しいことである。てか、この三人の
 学問的業績に泥を塗るマネ
を文化庁がしたってことになりませんか?
文化庁が公表している検討会の記録によると、2004年8月10日に開かれた第二回検討会では
 76年のムカデ侵入について、場所をぼかして報告
 あたかも2002年に大量に虫が侵入して黴びたと報告
している。資料はコレだ。


国宝高松塚古墳壁画保存管理の経緯
昭和51年(1976)
12月15日〜24日
保存修理。パラロイドB72のほか、接着剤としてプライマルAC55及びエマルジョン(AC55に微量のアンモニアとプライマルASEを溶かしたもの)を天井部分に試用。
この時期、ムカデ等の虫類侵入がしばしばあり。取合部にカビが発生している。

つまり、
 76年にムカデが侵入したことは書いてあるが、「どこに侵入したか」については明記されてない
のである。で、2002年の記述。

平成14年(2002)
10月27日〜11月1日
点検。
取合部と石槨内に複数種のカビの多量発生。
カビ:東壁 青龍の後方の汚濁部と女子群像下方に黒色の粘性の強いカビ。
西壁 白虎の下方(黒色で点状)。
石槨内にムカデやワラジムシの死骸が10匹余あり、カビに覆われているもの多し

10月28日〜31日
撮影。

11月7日
点検。石槨内でムカデ・ワラジムシ・クモ・アリ等20匹前後

11月10日〜15日
点検。前回程度の虫の死骸を採取。壁面水分率調査。


これって明らかに
 ミスリードを狙った報告書
じゃないのか?ちなみに、2005年5月11日に開かれた、石室解体へ向けての提案があった第三回の検討会には第二回の議事録要旨がアップされてるのだが、これを見る限り
 虫について突っ込んでいる委員は誰もいない
のである。
出席メンバーは全委員24人中14人。

以後の経緯は以下のエントリーに。
2005/5/11
高松塚古墳壁画保存問題、今日のところは結論に至らず@5/11
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/05/511_6422.html

2005/5/12
高松塚古墳壁画保存問題で文化庁焦る 河合隼雄文化庁長官をフィーチャーするのはどうだ?
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/05/post_6420.html

2005/6/27
高松塚古墳解体 今日検討会で決まる
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/06/post_a0a1.html
この時が「第四回検討会」だった。議事録要旨は以下に。
http://www.bunka.go.jp/1hogo/pdf/takamatuduka_kentoukai5-1.pdf

高松塚古墳石室解体 毎日、「出来レース」と批判@6/25
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/06/625_6399.html

2005/7/20
「高松塚古墳壁画を石室から剥がせ!」 発見当時の72年に、フレスコ画の専門家が提言していたが、文化庁は無視した
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/07/72_1835.html

2005/9/09
高松塚古墳壁画、白虎画像に黒黴 完全除去は不可能
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/09/post_5404.html

2005/9/27
高松塚古墳壁画退色問題 誰がウソをついたか
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/09/post_ec6e.html

2005/10/03
高松塚古墳 点検日誌なし 信じられない杜撰な運用
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/10/post_cfad.html

2005/10/18
高松塚古墳で細菌による壁画損傷 キトラ古墳は壁画に穴 文化庁認める
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/10/post_b5a5.html

2006/2/09
文化庁の担当官の目は節穴か 九月に黴を見落とし、高松塚古墳の女子像の顔に黒黴のしみが拡がる
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/02/post_9c47.html

去年の5月からでも、これだけあるのだ。誰がどうやって文化庁の言い分を信じろと? それともわたしがペシミスティックすぎますか?

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2006-01-31

祝!渡辺淳一『愛の流刑地』連載終了

愛人を絞め殺したあげく、ああだこうだと言い抜ける主人公の話を数ヶ月引っ張った日経本紙連載『愛の流刑地』が本日連載終了。
渡辺淳一は高校の先輩になるんだけど、最近とみに記憶力が衰えてるのか、いい助手がいないのか、『愛ルケ』のプロットの破綻ぶりはすごいようだ。出版するんですかねえ。

「流行に敏感な」渡辺淳一にはなんと
 渡辺淳一オフィシャルブログ
http://watanabe-junichi.net/
が存在する。で、1/19付けblogによると


私は、作家の中でも特に手直しの多い作家と言われているらしい。

なんだって。手直ししてアレか。
この記事へのナイス突っ込み。【作者も主役も】愛の流刑地23【反省の色なし】スレッドより。

333 :可愛い奥様:2006/01/24(火) 16:59:09 ID:Y5qkCMmp
>>321
>私は、作家の中でも特に手直しの多い作家と言われているらしい。
「し」と「の」の間に「しなければならない箇所」が抜け落ちているものと思われます。そうすると次の文ともちゃんとつながってスッキリします。

連載終了記念に、文学板から拾った「オリエンタルラジオの武勇伝」ネタのパロディを貼っておく。【ナベ自慰】愛の流刑地18【日経】 スレッドより。

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2005-09-27

高松塚古墳壁画退色問題 誰がウソをついたか

高松塚古墳壁画の色が褪せてしまった。→Map
ところが、その発表経緯が、今までの説明と違うらしい。
今のところ読売のスクープ。

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きな臭い話 マイヤヒFLASHの猫はいつからオリジナルキャラ「のまネコ」になったのか (その62) ディズニー動く?

以前、
 ディズニーのクリスマス公開映画『チキン・リトル』のキャンペーンにavexの「恋のマイアヒ」が使われているが、「イッキ飲み」FLASHは、ディズニーのポリシーに絶対に合わないので、avexはえらいことになるのではないか
という懸念を示した。同じように考える人はたくさんいたようで、日米のディズニーに抗議のメールや電話などが殺到した模様だ。
現在、avexでは、ディズニー対策に追われているらしい。
この問題は
 avexが「子どもの健全育成」という観点をこれっぽっちも持っていなかった
ことに起因する。社会に貢献する立場を求められる東証一部上場企業であるにもかかわらず
 アルコールハラスメントを助長し、イッキ飲みを煽り、未成年飲酒を勧めかねないFLASHつきで「恋のマイアヒ」を売った
のが、そもそものavexの目算の狂いだろう。アメリカの企業であれば、当然、
 アルコールハラスメントを助長し、イッキ飲みを煽り、未成年飲酒を勧めかねないファクターを含む
時点で、空耳FLASHは使えない、と判断するだろう。法務が青筋立てて、異議申し立てをして、企画を潰す。ところが、昨日の派遣社員氏の発言を読む限り
 酒瓶を持たせることに固執していたのはavex上層部
なのである。ディズニーとの溝とは絶対に埋まらない。結局
 avex社内には、「ちゃんとしたオトナがいない」ために起きているトラブル
なのだ。

そして、日本でディズニーの音楽CDを売っているのもavexなのだ。アマゾンで「ディズニー エイベックス」で検索を掛けると、273件ヒットする。
果たして、ディズニーが何を要求してきているかは明らかではないが、日本の企業がこれまでディズニーに勝てた試しはない。
【インスパイヤ】2ちゃんねる・ひろゆき氏、エイベックスに"のまタコ"についての公開質問状送付★26スレッドより。

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2005-09-19

陰陽道で使った占い「六壬式」に挑戦

勉強の都合で
 六壬式
という古い占いに挑戦している。
 上が丸く、下が四角い「式盤」
式盤イメージ像
式盤の詳細
という専用の占具を使うのが本式だ。
今は別に何かを占うのではなく
 検算
のためにやっている。結構難しい。

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2005-09-18

渡辺淳一『愛の流刑地』への痛烈な一言@2ちゃんねる

日経本紙で
 渡辺淳一の『愛の流刑地』
という、ポルノ小説が連載されている。一度だけ研究所の日経で読んだことがあるが
 朝からコレかよ!
だった。
渡辺淳一は、高校の先輩である。うちの伯父は
 渡辺淳一の出世作『阿寒に果つ』のヒロインのモデルになった女子高生と同期生で、実際につきあってた
ことがある。うちの父も、モデルになった女子高生を見た。というか、家に連れてきたらしい。父と伯父は二つ違いで、高校は同じ。モデルになった女子高生は、校内ではちょっとした有名人だったそうだ。
そういや、一回京都祇園の飲み屋のママが渡辺淳一が常連だとかいうので、渡辺淳一に電話掛けて、わたしと話をさせたような記憶があるな〜。酔っぱらってたから詳細は忘れたが。淳一センセイは、『阿寒に果つ』のモデルの女子高生とはリアルでお付き合いしたことはないらしいので、どうもそのあたりを気にしていたような記憶がうっすらある。その当時は、伯父の方がモテてたらしい。

で、『愛の流刑地』は、主人公が不倫相手を絞め殺して自室で腐乱させてるところらしい。朝からこんなもの読ませるなよ。

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2005-09-14

ニューオリンズで老人を見捨てて逃げたといわれる老人ホーム経営者逮捕

「敬老」という言葉はアメリカにはないらしい。
そもそも最初の報道はこれだ。


老人ホームで30人死亡か 米ニューオーリンズ郊外
2005年09月08日10時53分

 ハリケーン「カトリーナ」による洪水が続く米ニューオーリンズ近郊セントバーナード郡の老人ホームで7日、入居者とみられる約30人が死亡しているのが確認されたと、メディア各社が報じた。市民の避難救出が一段落して遺体収容作業が本格化するなかで、深刻な被害実態が少しずつ明らかになりつつある。

 ニューヨーク・タイムズ紙は7日付でこの老人ホームの記事を掲載。浸水を防ごうと窓に机を打ち付け、ドアに電動車いすを押し当てた部屋に、14人の遺体があった、と伝えた。同紙によると、60人の入居者のうち32人が1週間以上前に死亡したと、同郡当局者が語った。
(以下略)


日本では考えにくい状況だ。もっとも
 「認知症老人」を多数抱えるグループホームが同じように天災に見舞われたら、本当に全員を救助できるのか?
という問題はあるだろう。

で、今日の報道。
逮捕された経営者夫妻。

top

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2005-09-12

iPod flea おバカパロディ

たあちゃん経由。

http://www.nytimes.com/video/html/2005/06/29/technology/highbandwidth/windowsmedia/20050629_GUEST_VIDEO.html

iPod fleaにiTunes Music Flea Market、でだめ押しにiPod ticって、バカ過ぎ。

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2005-08-09

iTMSで「松崎しげるの愛のメモリー」祭り 超神出現 しげる with Jobs @8/7

いまiTMSのランキングを見たら九位にまで落ちているが、まだまだ
 松崎しげる 愛のメモリー
は健在。

ところで、この祭りを素晴らしい画像作成で盛り上げている職人さんの作品を発見した。一体、どれだけ時間を掛けてるのやら。その超神の名はmさん。
新・マック板【iTMS】しげる松崎「愛のメモリー」を一位にスレ5より。

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2005-08-05

奈良女子大21世紀COEプログラムシンポ 「古代都市と条坊制」@8/6

明日、奈良女子大で開かれる
 古代日本形成の特質解明の研究教育拠点シンポジウム「古代都市と条坊制」
だけど、すっかり忘れていて、主催者に問い合わせ。ああ、日にちを間違えてなくて良かった。


シンポジウム「古代都市と条坊制」
2005年8月6日(土) 13:00〜17:00 於:F棟5階大会議室

◇藤原京の条坊
  林部均(奈良県立橿原考古学研究所)
◇平城京の条坊
  佐藤亜聖(元興寺文化財研究所)
◇平安京の条坊
  山田邦和(花園大学)
◇古代都市と条坊制−齊東方説と日本の古代
  金子裕之(奈良女子大学)
◆司会
  舘野和己(奈良女子大学)


古代史に興味があって、奈良女に行ける人はGO!

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2005-08-04

夏休み文化講演会

八月に入ったが、夏休みには多くの
 歴史関係の講演会
が開かれる奈良。今年も、奈文研・橿考研・奈良博でそれぞれ特別展に合わせた講演会が企画されている。

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2005-07-28

シンポジウム「京都で読む柳田国男」@京大人文研本部(吉田牛ノ宮町) 7/30 13:30-17:30

すっかり忘れていたので、あわてて参加を申し込む。

シンポジウム「京都で読む柳田国男」
発表者の一人土居浩氏のblogに詳しい内容がまとめられている。
柳田国男生誕130周年記念シンポジウム
http://d.hatena.ne.jp/monodoi/20050730/p1

参加申し込みは人文研菊池暁氏へ。参加無料。定員100名。
akik@zinbun.kyoto-u.ac.jp

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2005-07-26

香港ディズニーランド、周辺にいる野良犬を安楽死処分の予定 動物愛護協会はどう出る?

犬は中国では食材の一つである。
長くイギリス統治下にあった香港では表向き犬肉禁止だったが、闇では食べられていた。
さて、その香港にこの秋オープンするディズニーランドに
 野良犬が出没、危険なので捕獲し安楽死させる
とディズニー社が発表した。過激な反応をするアメリカやイギリスの動物愛護協会がどう反応するか見物。

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2005-07-23

残酷なNEETのテーゼ ご存じ新世紀エヴァンゲリオンのNEETパロディ

stoneさん経由。

残酷なNEETのテーゼFLASH
http://takahiro-w.hp.infoseek.co.jp/img/neet.swf

いや〜、エヴァのパロディとしても良くできてるけど、シンジの声とヴォーカルの両方を担当してる人が上手い。

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現代に生きる怪談

6月下旬に、2ちゃんねるのオカルト板で話題になった怖い話。
ゆめゆめ、「近寄ってはいけない」といわれた場所には、簡単に近寄ったりしないことだな〜。

ことりばこ
http://61.115.120.230/2ch/kotori1.htm(前編)
http://61.115.120.230/2ch/kotori2.htm(後編)

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アダルト版「ぐりとぐら」

う〜ん。
パロディもここまできたか。

【社会】「漫画家になれず、うさ晴らし」 練馬の連続放火男=漫画家アシスタント、詳しい動機供述スレッドより。

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2005-07-04

明日のクローズアップ現代に高松塚古墳壁画の黴を見落としていた林温氏が登場!

明日のNHKクローズアップ現代だが
 7月5日(火)放送予定 飛鳥美人は救えるか

それはいいのだが、番組内容に注目。


 「飛鳥美人」で知られる奈良県明日香村の高松塚古墳壁画。先月下旬、文化庁は、カビの発生などが原因で劣化した壁画の保存をめぐり、かつてない決定を下した。壁画の描かれた石室を解体し、別の場所に移して修復しようというのだ。発見から33年、激しく劣化の進んだ壁画に、文化庁の保存対策を問題視する声も多い。石室は、なぜ解体されることになったのか、そして、前例のない「石室解体」は、どのように行われるのか。1300年の時を越えて守られてきた壁画の解体決定に至るプロセスと、難事業となる解体作業の課題に迫る。
(NO.2109)

スタジオゲスト : 林 温さん(慶応大学・教授)


出来レースじゃん。
このクロ現はNHK奈良局の制作である。

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2005-06-24

「くじらバーガー」にロイターが反応する理由

ロイターがこんな配信をしている。


日本のファーストフードチェーンに「くじらバーガー」登場
[ 2005年06月24日 04時23分 ]

くじらバーガー (ロイター)
http://image.excite.co.jp/feed/news/extnews/extnews_2005-06-23T145859Z_01_NOOTR_RTRIDSP_2_OUKOE-ODD-JAPAN-WHALEBURGER.jpg

[東京 23日 ロイター] 日本は捕鯨プログラム拡張計画で非難されているが、あるファーストフードチェーンが、これまでの捕鯨のストックを利用することを目的とした新製品を販売している。「くじらバーガー」だ。

バンに揚げたミンククジラのスライスを挟んだ380円のバーガーが23日、日本の最北端の島、北海道の港町、函館のレストランチェーン「ラッキーピエロ」で発売になった。

ラッキーピエロの王未来(みく)部長は「味と舌触りは牛肉と魚の中間ぐらいです。函館には鯨の肉を食べる長い歴史があります。だからみなさん、食べてみるのを楽しみにしてらっしゃいます」と語った。

日本はミンククジラの調査捕鯨を年間900頭に拡大する計画だが、韓国で開催されていた国際捕鯨委員会(IWC)の総会は22日、日本に計画を撤回するよう勧告する決議案を採択した。

王部長は「わたしたちは食べるために捕鯨をするわけではないんです。実験で殺されたクジラの肉を利用しているんです」と説明した。

「くじらバーガー」に対する客の反応を聞かれて、ある従業員は「ここにはたくさんの観光客が来ます。クジラを食べたことがない子供も美味しいと言っています。大人は、この味は懐かしい、と言っています」

1986年に商業捕鯨禁止(モラトリアム)が導入されるまで、クジラ肉は日本の学校給食の主要メニューだった。

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2005-06-13

宗教学者の社会貢献をうたう スピリチャルナビゲーター 心理テスト付き

「宗教学者はどう社会に貢献できるか」
と聞かれれば、わたしは
「ヘタに貢献しよう、などと思わない方が幸せ」
だと答える。これだけ価値観が多様になれば、宗教という枠が有効かどうかというところから検証しなくてはならない。てか、現代日本の宗教とか「心」とかって何よ?

でも、世の中には真面目な宗教学者もいて、
 社会貢献と宗教研究の一石二鳥を狙ったサイト スピリチュアルナビゲーター Spinavi
http://www.spinavi.net/
を立ち上げている。
 心理テストで客引きしてるのがアレだな
とわたしなどは思うわけだ。それに、利用者は
 自分の心理テストの結果や書き込みが「学術利用」の名目で材料として使われている
ってことをちゃんと理解してるのかな、という疑問もあるのだけれど。

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2005-06-07

中国書の価格に見るインフレ

中国医学の本を古本屋に発注、第一弾が届いた。
捜したのは
 日本の古本屋
http://www.kosho.or.jp/
で、すぐに見つかったのはイイのだが、ここは高いので有名な店なのだった。

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2005-05-13

漢字が読めない?書けない?校閲をしてない? 国のサイト「人名漢字表」は「誤字・異体字」だらけで使えない

もうアホかバカかと。

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