2020-04-13

検査をケチっていた埼玉県で「新型コロナウイルス肺炎感染かどうかわからないまま出社停止を守り、出社したら解雇」@twitter

新型コロナウイルス肺炎だが
 誰でも罹る恐れアリ

 そのうち人間全員が罹る予定
なのだから
 罹ってしまった人を害毒扱いするのはアカン
のだが、
 罹ったかどうか分からず、自宅待機の末、出社したら結局解雇された
というtweetが。問題は
 埼玉県在住だった点
だ。こちらが問題の埼玉の「検査を限定していた」疑惑発言。

さいたま 保健所長が誤解招く発言 検査態勢を拡充へ 2020年4月11日 12時59分
(略)
さいたま市では、検査機器が少ないことなどから、10日までの2か月間に検査した件数は170件余りにとどまっています。
これについて、10日さいたま市保健所の所長は記者団に対し、「病院があふれるのが嫌だったので、少し厳しめに、本当に陽性になりそうな人を検査する方針があった」と述べました。(以下略)

で。こんなtweetが。埼玉県在住の「ねむい」さんが、検査を受けられないまま自宅待機して快癒、待機中は会社に連絡を続けており、出社したところ、結局「新型コロナウイルスに感染した疑いがあったのが悪い」という形で解雇を言い渡され、社宅からも出て行かねばならず、どうしたらいいだろう、と理不尽な解雇のために窮地に陥っている様子だ。

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2019-08-16

ああ 五輪ボランティアよ君を泣く 君死にたまふことなかれ 「暑さ対策は基本的に自己管理、始発で間に合わない競技には終電集合、徹夜で競技開始を待つ」

twitterより。武田砂鉄さんのtweetを読んで驚倒。

 

 

マジですか。
で、リンク先はこれ。2020年東京五輪の「ボラサポ財団」の
 第四回ボランティア検討委員会の記事だ。

ボランティア運営に関わる有識者や経験者などからなる「ボランティア検討委員会」の第4回が、7月3日に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の主催で開催されました。(略)
同委員会は座長の清家篤氏(日本私立学校振興・共済事業団理事長、慶應義塾学事顧問)をはじめ、オリンピアンの萩原智子氏、パラリンピアンの河合純一氏(ともに水泳)ら計11人の委員で構成され、この日はボラサポ参与の二宮雅也・文教大学准教授や、ボラサポ常務理事の小澤直、中島光両氏を含む計9人が出席しました。

 

冒頭、清家座長から「今回の議題は、大会ボランティアの募集8万人のところ、20万人以上の応募があった中で、マッチングいただけない方へどうコミュニケーションをとっていくのか。次に、具体的な10月からの共通研修の内容。そして、暑さ対策、飲食物、交通面、宿泊施設などの活動環境をどうするのかがテーマ」とあいさつがあり、この3点について議論が交わされました。
(略)
一方、大会時のボランティア活動の環境について、暑さ対策は基本的には自己管理としつつ、研修内で休憩の重要性を伝えるほか、水分補給のための環境づくりに努め、今夏に実施されているテストイベントにおいても活動シフトのパターンをいくつか試すなどして、本番に備えることとしました。また、食事については、弁当のほか、温かい食事の必要性も議論され、引き続き検討していくこととなりました。

 

さらに、マラソンなど早朝に行われる競技については、ボランティアの会場入りが始発の交通機関でも間に合わないため、終電での会場入りを想定。その場合は待機時間が見込まれるため、ボランティア同士の交流機会や、士気を高めるような取り組みを検討していくこととなりました。

 

えっとぉ
 研修内で休憩の重要性を伝える ていうのと
 終電での会場入りを想定。その場合は待機時間が見込まれるため、ボランティア同士の交流機会や、士気を高めるような取り組みを検討 って
 思いっきり矛盾
してないですか、検討委員会。
 真夏の五輪、長時間に及ぶ競技のマラソンに随伴するボランティア

 前日は「宿泊せず、待機」
って何?
 ボランティアを過労と熱中症で競技中に殺す気
ですか? しかも
 暑さ対策は基本的には自己管理 って
 熱中症でボランティアが倒れたり、死亡しても、検討委員会は無罪 ってことですか? ええええ?

 

来年、
 ボランティアとして学生を供出する予定の各大学
におかれましては、このような
 劣悪な労働条件で、学生たちが生命の危険に晒される
という事実を勘案されて、安全管理上の責任を誰が取るのかという観点からも
 今一度、ボランティアへの学生供出の態勢について再考
されるのが、よろしいのでは、と愚考します。

 

ああ 五輪ボランティアよ君を泣く 君死にたまふことなかれ……
ボランティア検討委員会は 炎天に
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の汗を流し、
熱中症に死ねよとは(以下略)

 

 

 

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2018-08-16

旧軍将官だって統帥(軍隊の統率と指揮)で「必要な条件を満たしてやらないで要求し、あるいは干渉するのは愚劣であって統帥ではない。」と認識

戦後日本は
 旧軍の理不尽な竹槍精神主義からは脱却
したと思っていたのだが、最近は、
 精神一到 何事か成らざらん
と、間違った方向の精神主義で
 国家の貧困を隠蔽する
のが流行している。たとえばこれだ。
船田元衆院議員の8/13付メールマガジン「サマータイム制度の導入について」より。


コンピュータなどの時間設定の変更は、律儀で真面目な国民ならば十分乗り切れるはずだ。

アホか、俺たちを殺す積りか、とIT業界からは怒号と悲鳴が上がっている。
 21世紀に竹槍でコンピュータの時間管理切り替えが出来ると思っている
のかと。

ところで、
 悲惨な敗戦を経験した旧軍の将官
は、
 実戦経験に鑑み、竹槍精神主義の愚劣さを指弾
している。
戦後台湾で「白団」の外籍教官として軍を指導した日本旧軍将官達は次のような報告をしている。


民国40(1951年 昭和26年)年6月20日
陸軍第32師民国40年度第1期教育全般的訓練経過の概況報告
陸軍第32師 外籍教官室
(略)
統帥の要訣部下に戦勝条件を付与すると共に、部下の職責・人格を尊重して不当な干渉をしないことである。必要な条件を満たしてやらないで要求し、あるいは干渉するのは愚劣であって統帥ではない
(以下略)

1951年からすでに半世紀以上を経過した今
 日本の指導者層は、旧軍将校の反省すら知らず、ひたすら統帥の名を借りた愚劣に走っている
ということだろう。

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2018-06-10

旧優生保護法に基づく強制不妊手術で熊本の男性に去勢が行われる 国は即刻救済を

怒りに打ち震えるばかりだ。
熊本県で、旧優生保護法に基づく強制不妊手術を受けた70代の男女2人が国に向けて提訴の意向を示したのだが、
 男性は睾丸(精巣)を摘出された
という。これは
 不妊手術ではなく、去勢
だ。
 人権蹂躙
以外の何物でもない。
熊本RKK6/9付ニュースより。


強制不妊手術で全国でも例のない睾丸摘出
2018年06月09日 20:59 現在
旧優生保護法に基づく強制不妊手術をめぐり、県内の男性が全国でも例のない睾丸の摘出を強いられていたことが分かりました。
「俺の体は何もかもぐしゃぐしゃになって…」(睾丸を摘出された73歳男性)
この男性は、全国の男女4人が起こしている国賠訴訟や全国一斉電話相談でも例のない、「睾丸摘出」による不妊手術を強いられたと訴えていて、早ければ今月中にも国に対し約3000万円の損害賠償と謝罪を求め提訴する方針です。
男性が不妊手術を受けたという医療機関は既に廃院になっています。
弁護団は睾丸摘出を原因とした骨粗しょう症などの二次被害も訴状に盛り込む考えです。

人間の不妊手術では、
 妊娠できる・妊娠させられる機能を停止
するが、男女の性ホルモンを分泌する
 性腺(精巣・卵巣)除去は行わない
のが原則である。この男性が
 「俺の体は何もかもぐしゃぐしゃになって…」
と仰るのは、当然である。あまりに酷い。

精巣が作り出す男性ホルモンのテストステロンは
 男らしさを形作るホルモン
と言われている。男性の「更年期」では
 テストステロンの減少
がさまざまな問題を引き起こすと考えられている。
 そのテストステロンの生産基地が「強制不妊手術」の名を借りて永遠に失われた
のだ。

一体何故こんな
 人間の尊厳を踏みにじる蛮行が許された
のだろうか。男性が手術を受けた病院は既に廃院しており、カルテもないだろう。

法に名の下に行われたこの人権蹂躙に、国は即刻手を差し伸べるべきである。

それでも、この男性の失われた人生を償うことなどできはしない。

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2017-11-14

速報 日馬富士 貴ノ岩に暴行か 今日から休場@九州場所3日目

四横綱時代とはいえ、
 鶴竜の休場
 初日に日馬富士・稀勢の里の二横綱が敗れる
 日馬富士は二日目も連敗と冴えない出足
という波乱の開幕になった九州場所だが
 日馬富士に平幕貴ノ岩暴行の疑い
があり、
 今日3日目から急遽休場が決定
した。NHKより。


横綱・日馬富士 きょうから休場 貴ノ岩に暴行疑い 協会が調査
11月14日 10時59分
大相撲の横綱・日馬富士に平幕の貴ノ岩を暴行した疑いがあることがわかり日本相撲協会が事実関係の把握を急いでいます。日馬富士は九州場所3日目の14日から休場することになりました。
日馬富士をめぐっては九州場所を頭部の骨折などで休場している平幕の貴ノ岩を暴行した疑いがあることがわかり、日本相撲協会は事実関係の把握を急いでいます。
これを受けて日馬富士は九州場所3日目の14日から休場することになりました。
日馬富士は、14日朝、福岡県太宰府市の伊勢ヶ濱部屋の宿舎で稽古を行い14日の相撲に備えていましたが、急きょ休場が決まりました。
日馬富士は稽古のあと報道陣の取材に応じ、「貴ノ岩のケガについては貴乃花親方、貴乃花部屋後援会の関係者、相撲協会などに大変迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます」と述べ謝罪したものの暴行については「親方が帰ってきてから答えます」と話すにとどまっています。
日馬富士の休場はことし初場所以来、8回目です。

10:50のBSニュースでは
 相撲協会関係者によると「モンゴル関係力士の会合で日馬富士が貴ノ岩をビール瓶で殴った」
との報道。

う〜ん。
このまま引退ですかね……。(11:04)

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2017-10-17

嗚呼! 神戸製鋼(その2)アルミ・銅の合格証改竄は数十年前から@日経→40年以上前から@毎日

これはもうあかんやろ。
日経のスクープ。


神鋼不正、数十年前から アルミ・銅の合格証改ざん
神戸製鋼所のアルミ・銅製品の性能データの改ざん問題を巡り、同社の国内工場で数十年前から不正が続いてきたことが16日、関係者の話でわかった。神鋼はこれまで不正が行われた期間を約10年前からと説明してきた。(略)

要するに
 性能データの改竄

 恣意的な現場の判断
などではなく
 神戸製鋼所の基本的な体質
だったということだ。

もう取り返しが付かない。

続き。
毎日の報道。

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2017-09-22

北朝鮮のミサイル発射実験の軌跡1984-2017

トランプ大統領と金正恩委員長が
 ロケットマン
 トランプ(敬称なし)
互いを罵倒し合っているわけなのだが、
 北朝鮮のミサイル発射実験の軌跡1984-2017
というサイトが出来ていた。
North Korea Missile Test Visilization
北朝鮮が確実にミサイル発射技術を向上してきたことが分かる。

ロケット工学をどこで北朝鮮の科学者達が身につけているかというと
 中国の大学
ではないか、と言われている。中国と言っても、東北には
 少数民族の朝鮮族がたくさんいる地域がある
わけで、そうした地域であれば、国際法違反だろうがなんだろうが
 国は違っても同民族間での互助の精神
が育まれないとは限らない。
 我が民族の核兵器
というフレーズがどのような
 化学反応
を引き起こしているかは、決して明らかにはならないだろうけれども。一口に
 中国
といっても
 漢民族だけで成立しているわけではない
のだ。その辺り、日本ではあまり気にしてない人が多いみたいだけどね。

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2017-07-17

防衛省がサイバー部隊増強だそうで

防衛省が
 サイバー部隊を1000人規模に増強する
という
 俄には信じがたいニュース
を共同が伝えている。


防衛省、サイバー部隊千人規模へ 攻撃手段も研究
2017/7/17 02:01
 防衛省が同省・自衛隊内部のネットワークの監視や、サイバー攻撃を受けた際の対応を担う「サイバー防衛隊」の規模と能力を大幅に強化する方向で検討に入ったことが16日、分かった。現在の約110人から将来的に約千人に増やし、サイバー攻撃を自ら仕掛ける研究をする担当部門を新たに設ける構想だ。サイバー攻撃の方法を研究することで防御能力の構築に役立てるとしている。

 政府は2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、サイバー攻撃への対応力強化を課題にしている。攻撃方法の研究は自衛隊によるサイバー攻撃能力の保有に向けた動きと見られる可能性があり、今後議論を呼びそうだ。

何が俄に信じがたいかといえば
 いま110人規模なのに、「将来的」とはいえ簡単に10倍に出来るほどセキュリティ関連の技術は甘くない
ってことだ。
大体
 人材をどこからリクルートしてくる
んだよ、防衛省。
 まともな情報技術者
であれば、
 国家公務員の「薄給」
よりも、新卒の段階で
 より厚遇のポジション
が約束されているだろう。

まあ、はっきり言って、アメリカが
 大学進学
をエサに、
 新兵を、移民を含めたあらゆる階層からリクルート
しているような手段に倣って
 防衛省奨学金を作ってリクルート
するくらいしか方法がないんじゃないの?

てことで
 頭数を揃える
のは、
 可能
かも知れないけど
 水準を保つ
のは、難しいでしょうよ。

てかさ、今現在で
 110人規模
って辺りが、すでに絶望的情況だ。
まあ、がんばれ、防衛省。

おまけ。ちょっと古い記事だけど、miyaichiさん経由。
一部を引用する。


新人プログラマーが使えない理由
2011年5月10日 by Jon Evans
(略)
旧来のシステムは、限られた情報に基づいていた ― 応募者についてわかるのは履歴書だけだった。しかし、業績のある人だけを面接すれば、ずっと広い範囲から人を選べる。FizzBuzzなどやめ、面接者に自分のコードと設計思想を説明させ、今だったらどう作るかを聞く。目の前で1つか2つ機能を実装させて、実際にどう動くか、どのように考えて作業しているかを見る。それこそが技術面接で知りたいことだ。古典的アルゴリズムやデータ構造をどう理解しているかではない。世界は前進しているのだ。

防衛省のサイバー部隊のリクルーターに上記のような
 眼力
があるかどうかは謎だな。官僚制に毒されていれば、まずアウト。

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2017-03-27

稀勢の里の満身創痍の優勝を手放しで賛美する大人に気をつけろ 「努力は無限だが、体力は有限だ」

相撲ファンは、この3日間気が気でなかったのではないか。
春場所の13日目、全勝の新横綱稀勢の里は、日馬富士との横綱対戦で左肩を負傷した。かなりのダメージで、通常ならば休場してもおかしくないような怪我に見えた。
しかし、休場すると、実現すれば、貴乃花以来22年振りという新横綱の優勝という快挙は消えてしまう。久々に誕生した日本出身の横綱ということで、稀勢の里には、大きな期待が寄せられている。出来るならば、このまま強行出場して優勝したいと稀勢の里が判断したとしても、それは責められない。
ただ、力士生命を左右するような怪我ではないのか、というの不安がわき上がる。チャンスは一生に一度だけ、二度と手にできない目の前の栄光に挑戦する道を取るか、それとも力士としての人生を長く続ける方を選ぶのか。稀勢の里は、前者を選んだ。
14日目は、相撲にならなかった。稀勢の里は満身創痍のまま、千秋楽を迎えた。本人の望む結果を得るのは難しいのでは、と考えた人は少なくなかっただろう。
14日目までで、1敗で大関照ノ富士が先行し、13日目14日目と連敗した稀勢の里は、星1つの差で追っていた。稀勢の里が優勝するためには、
 本割と優勝決定戦で、照ノ富士に連勝
しなければならない。
千秋楽、中入り後のNHKの相撲解説は正面が元横綱北の富士、向こう正面が元小結舞の海、アナウンサーから水を向けられると、普段は軽快な解説が売り物の2人とも一様に口が重く、稀勢の里の体調を気遣い、これからの本割の一番が、あたかも公開私刑にも似た惨いものになるのではという憂慮がにじみ出ていた。
よせばいいのにNHKは、息子の相撲を観戦に訪れた稀勢の里のご両親をアップにした。どういう撮影意図だったのだ、副調整室。息子は横綱でも、家族は一般人だ。万全でない体調で大一番に臨む子どもを気遣う親の気持ちは、想像を絶する。もし、稀勢の里の相撲が思わしくなかったら、どうするのだ。まるでさらし者ではないか。こうした状況で、一般人をわざわざ2度もアップにする必要はない。全く以て映像の暴力だ。
さて、解説の2人と同様、震えるような気持ちで、千秋楽の稀勢の里対照ノ富士戦を見守ることにした。厳しい闘いになるだろう。ともかくも、この首尾を見届けよう。
場内のボルテージは否が応でも上がる。
ギリシャの昔、「パンと見世物」を庶民は要求した。その上はこうではなかったのかと疑われる、血の匂いを連想させるような、ある種異様な熱狂が支配している。
ところが、案に相違して、稀勢の里は勝った。立合が合わず、つっかけた様子では、正面から当たらない作戦のようだった。手の内を明かしてしまったので、同じことは出来ない。稀勢の里が圧倒的に不利と思われたが、土俵の土に塗れたのは照ノ富士の方だった。
こうして星は2敗同士の五分となり、優勝決定戦が行われることとなった。
1度の勝負だけでも辛いはずの稀勢の里が、決定戦を乗り切れるのか。なんとも言えない苦いものがこみ上げてくる。
決定戦でも、立合が合わない。またも、稀勢の里が手の内を明かした形になって、不利な状況となった。しかし、鬼神が取り憑いたのかと疑うような力で、稀勢の里が再び照ノ富士を土俵に降した。
まさに気合いの勝利。

稀勢の里は次のように語っている。NHKニュースより。

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2016-09-19

赤ちゃんと妊婦を守れ 空気感染(飛沫核感染)等で感染する麻疹(はしか)に治療法はない(その14)すべての教職員に麻疹・風疹等の抗体を 横浜国立大学 教員1名が麻疹に感染と発表@9/18

首都圏の大学生の間で
 麻疹が流行
したのは、
 2007年
のことだった。その時の話は以下に。
2007-05-12 大人の麻疹で創価・上智が大学休講 明星大でも4人感染で75人出席停止
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/05/475_e272.html
ほぼ同時に大阪でも、専門学校で
 麻疹の集団発生
が確認された。
2007-05-13 成人の麻疹、大阪でも30人の集団発生 大阪狭山市の専門学校休校
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/05/30_0eed.html
この年の麻疹流行の概報、麻疹 2006~2007年(IASR Vol.28 p 239-240:2007年9月号)では、
平成19年7月27日 厚生労働省健康局結核感染症課 麻しん及び成人麻しん施設別発生状況(最終報 全施設合計)に基づいて


2007年には全国各地の学校で、麻疹による休校、学年閉鎖、学級閉鎖が相次いだ。2007年4月1日~7月21日までに厚生労働省に報告された麻疹による休校数は全国で263あり、特に、高校、大学がそれぞれ73、83と多かった。

と述べている。この他に、
 短大8、高等専門学校4
が、麻疹による休校に追い込まれた。この流行の中心となったのは、2006年度麻疹血清疫学調査ならびにワクチン接種率調査-2006年度感染症流行予測調査より(IASR Vol.28 p 241-244:2007年9月号)によれば、

2006年度調査結果の特徴は、2001年の全国流行以降実施された「麻疹ワクチンを1歳のお誕生日プレゼントにしましょう」キャンペーンにより、1歳以上就学前世代の麻疹を含むワクチンの接種率が上昇し、この世代の抗体保有率が2001年度と比較して飛躍的に上昇したことである。
しかし、既に定期予防接種対象年齢を過ぎていた世代では、約10%のワクチン未接種者が存在するとともに、ワクチン1回接種後のprimary vaccine failureが2.3%存在し、ワクチン1回接種者の9.2%は発症予防に十分な抗体を保有していなかったと考えられる。特に、1歳児と10~19歳群ではその割合が高かった。2006年春の茨城県南部、千葉県での地域流行、2007年の全国流行では、これらの世代が流行の中心になったと考えられた。

とある、2007年当時の
 10〜19歳群
である。現在は、
 19〜28歳
になっている世代だ。上記論文では

今回の流行の中心であった2008年度小学校3年生から高校3年生の世代への2回目のワクチン接種の実施

とあるのだが、相変わらず
 2回接種から漏れている年代から、感染者が出る状況
に変わりはない。この年代は
 免疫が不十分
であるため、
 もう1回麻疹(風疹の抗体がなければ、麻疹・風疹混合のMRワクチン)の予防接種が必要
である。

さて、2007年の成人麻疹大流行から9年を経ているところへ
 今回の成人麻疹の流行
である。9/15には
 横浜国立大学で教員の感染が確認
された。幸い、夏休み中なので、学内で感染を広げる事態に至っていない。横浜国立大学の9/18付発表より。


麻しん(はしか)感染者の発生について(PDF)
平成28年9月18日 横浜国立大学

国内で麻しん(はしか)の患者や集団感染が発生し、感染の拡大が危惧されています。
本学においても、今月15日になって教員1名が麻しん(はしか)を発症したことが わかりました。すでに当該教員と接触した可能性のある教職員に連絡を取り、健康状態 などを確認しましたが、これまでのところ感染は確認されておりません。なお、学生は 夏期休業中のため当該教員とは接触しておりません。
本学としては、今月16日付けで保健管理センター所長より教職員及び学生に対して、 麻しん(はしか)の病態、初発症状の対応、予防接種について周知し、麻しん(はしか) 対策を図っております。

感染した教員の年齢と感染経路が不明だが、
 抗体価が低かった
のは間違いない。

2007年の成人麻疹大流行時には
 60歳男性の「麻疹再罹患」とみられる症例
が報告されている。


麻疹の再罹患と考えられた1例(IASR Vol.28 p 258-258:2007年9月号)
麻疹ワクチン接種後の麻疹の罹患は修飾麻疹として知られているが、一般に、麻疹に罹患した後の再罹患はないと考えられている。しかし、麻疹の罹患後にも麻疹ウイルスの感染が起こり、発症しなくても抗体価の上昇を来すことは知られている。今回、我々は麻疹の再罹患と考えられる1例を経験したので報告する。
症例は60歳男性で職業は医師、母親の弁では3カ月の時に麻疹に罹患している。麻疹ワクチンの接種歴はなし。(略)
本症例では典型的な麻疹と異なり、発熱、発疹が軽度であったが、IgM抗体価およびその変動からみて麻疹と考えられた。生後3カ月における麻疹の既往歴は間違いである可能性もあるが、本症例では既に発病6日後のIgG抗体価が高値であり、発病前に麻疹に対する不十分な抗体を有していて再罹患した可能性が高い。(略)
麻疹に自然罹患することで生ずる免疫は強固なものであり、一生涯続くと考えられている。しかし、罹患後に麻疹ウイルスに曝露されないと、防御免疫は消退していくことも考えられる。また、本症例のように生後間もなく麻疹に罹患した場合には、母親からの移行抗体の影響で不完全な感染となり、通常のように強固な免疫を生じない可能性がある。本症例では臨床像が非典型的であり、通常では麻疹の診断がなされなかった可能性があるが、このように非流行期でも麻疹と認識されずに、麻疹ウイルスが人から人へと感染循環していることも考えられる。今後、今回のような症例を集積・解析することで、麻疹ウイルスの伝播様式の詳細が解明されることが期待される。

(財)結核予防会新山手病院内科 木村幹男
    同 麻酔科/東洋医学科 千坂正毅

こうした症例をも鑑みると、やはり
 20歳で麻疹ワクチンの追加接種
は、成人麻疹の流行を防ぐ上でも有効ではないだろうか。
また、
 2回接種から漏れている世代がすでに教員になっている
わけだが、
 1人でも感染者がいれば、感染が拡大する麻疹の特性
を考えると、
 高等教育機関を含むすべての教職員
では
 麻疹・風疹等重要な感染症に対し十分な抗体価がある
ことを
 就職・転職時の条件
にする必要があるだろう。抗体価が低ければ
 追加接種
を行う。

「麻疹排除」の状況では
 自然に麻疹に曝露する
ことはほとんどなくなる。すると、当然ながら
 麻疹に曝露することで得られていた、ブースター(追加免疫)効果
は望めなくなる。

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