2023-03-31

国会図書館デジタルコレクション 個人送信サービスで『望月仏教大辞典』を引く(全文検索機能)

国会図書館デジタルコレクション 個人送信サービスで
 望月仏教大辞典
を引くやり方。
1. 検索語→調べたい言葉を入れる(全文検索)
2. タイトル→望月仏教大辞典
3. 著者→望月信亨
4. 出版年→1954以降にする(ココ重要!)
これでOK
あとは検索語の載っている巻が示されるので、一冊一冊開けて、もう一度全文検索をかけるとページが示されるので、それを開けるなり印刷するなり。

『望月仏教大辞典』はいくつか版があるので、
 出版年を入れる
のが大事。

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2023-03-30

超リニューアル済みの CBETA Onlineがとってもエラい件

あらま、びっくり。
https://cbetaonline.dila.edu.tw/zh/ の検索機能は
 さすがに繁体字の地域
だけあって、冷僻字もきちんと取ってある上に、
 検索スピードが爆速
かつ
 訳語の年代までわかる
のが凄い。
また
 翻訳者と訳出年代
もきちんと表示してくれる。
そのまま鵜呑みにできるかどうかは別だが、目安にはなるよね。後から調べ直せばいいんだし。
また、仏典の


 部立て


もきちんとしてくれている。SATは『大正蔵』準拠だから一部グズグズだもんな。
Macだと元々
 Web Archive機能
があるので、検索結果をそのまま保存できる。


 


後は
 底本が何か
明示してくれるともっといいんだけど、さすがにそれは望みすぎかな。

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『大正新脩大蔵経』の文字チェック@Mac

国会図書館デジタルコレクションの
 送信サービス(要登録)
に『大正新脩大蔵経』(大正蔵)が入ったので、
1 SAT 2018で検索
2 CBETAの漢文大蔵経で全体を確認、必要な箇所をコピペ
3 校勘を国会図書館デジタルコレクションで全文検索をかけて、大正蔵の画像で確認
というやり方にした。
Windowsだともっと簡単かもしれないけど、Macなのでいろいろと不便なところはある。
SAT 2018の大正蔵画像はPDFだったと思うけれど、肝腎の校勘の文字が潰れていることがあって、一応データベースでは校勘情報は取れるようになってはいるのだけど、
 現物で確認
できるようになったのは大きい。CBETAの古い方の漢文大蔵経は56〜64巻が抜けているし、国会図書館デジタルコレクションの全文検索機能は大変便利。
ただし
 全文検索データの元になっているOCRからの文字情報が間違っている
こともあるので、そこはやはり
 目で確かめる
ことに。
まあ、国会図書館デジタルコレクションには、『大正蔵』も『南伝大蔵経』も、その他仏典も多数入っているので、
 図書館や研究室に行かなくても現物が見られる
のは大きい。時間の節約にも、紙で複写しないから資源の節約にもなる。
あ、そうそう、仏教関連で言えば、
 織田仏

 仏書解説大辞典

 望月
も入ってますよ。神道関係文献もかなり充実している。

なお、
 欧米のインド学の著作
は、どう考えても売れ筋でなく、学術出版がほとんどなので、出版からある程度時間が経つと
 全文公開
されていることがままある。ありがたいし、たぶん著者も
 世界中の人に簡単に利用してもらえる
方がうれしいだろう。

最近話題のChatGPTは、ウソを吐くかもしれないらしいから、今のところ
 地道にGoogle検索
を掛けている。

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大蔵経の「宋代」は2つある件

年度内締め切りの原稿を書いているのだが、久々に
 宋代
で、げんなりした。
善良な一般市民は
 宋代
というと
 趙宋(960-1279 北宋 960-1127 南宋 1127-1279)
のことなのだが、仏教が絡むと
 南朝の劉宋(420-479)
のこともあり得る。ついでに言えば
 春秋五覇
に宋が入ることもある。今回は仏典だから、趙宋か劉宋かって辺りなのだが、
 宋代
しか書いてないことがあるので、そのたびに不十分な記述を呪いつつ、一応調べることになるのだ。まあ、趙宋だと太平興国寺辺りが震源地なのだけど。
趙宋訳経というと
 訳の精度がよろしくない場合がある
ので、
 法天とか天息災とか施護とか
が訳者だと、眉に唾を付けながら
 おまえ、そんな暢気な訳でいいのか?
と突っ込みつつ、読み進めることになる。

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2022-04-26

梵巴蔵漢文大蔵経の平行句を探してくれるとんでもないデータベースで、日本語は参加できていない件

ちょっと必要があってPāli語の経典
 Majjhima Nikāya(漢訳の中阿含に相当)
を調べていたら、行き当たったのが
 梵巴蔵漢文大蔵経の平行句を吐き出してくれるデータベース
 Buddha Nexus
https://buddhanexus.net
だ。巴(Pāli)梵(Sanskṛt)蔵(Tibetan)中(Chinese)の大蔵経の文章を適当に入れると、ニューロネットを利用して
 梵巴蔵漢文大蔵経の平行句を即座に検索してくれる
のだ。便利すぎて、一瞬なにが起きたかと思った。その上
 既存の現代語訳
も用意している。

 

このように仏教学でオンライン検索が可能になるまでは、
 平行句探し
は、論文作成の作業ではかなりの時間を必要とするもので、梵巴蔵漢の四つの語学に堪能でないと難しかった。語学の実力が足りず、間違って、似ているけど違うフレーズを引用したりすると、学会やメールで、至極丁寧な言い方や書き方で、しかしながら中身は
 おまえはアホか
という強烈なお叱りをいただいても致し方なかった。
コンピュータが探してくる平行句なので、当然ながら
 結果をそのまま使うのではなく、一応、自力で吟味して使う
という昔と変わらない手順は必要だが
 探し出すための、時間が読めない作業の負担
はぐんと減った。いや〜、
 平行句があるなら、必ず提示せよ
ってのが、今の仏教学の水準ですね。

 

ところで
 現代語訳の部分
なのだが、非常に残念ながら
 日本語訳
は採用されていない。採用されていない理由は推測するしかないが
 著作権等の関連でデータが提供されていない
のだろうと思う。
ああ、もったいない。
せめて
 南伝大蔵経の日本語訳(初版は昭和10(1935)〜15(1940)年)
くらいは、提供できないのだろうか。日本の仏教学の成果がこうした世界的に利用されるだろうデータベースで何も貢献できないなんて、残念で仕方がない。

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2021-06-30

朝からお習字 雅頌を読む(その1)

昨日、
 新型コロナウイルス肺炎ワクチン(ファイザー製)
の第1回を接種してきた。掛かり付け医に
 明日はおとなしくしててください
と言われたので、
 お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負 第一局2日目 藤井聡太王位 vs. 豊島将之竜王
をBGVにしながら過ごすとして、思いついて
 『詩経』で出てくると鬱陶しい雅頌
を勉強することにした。
そうなんだよな、雅頌。
 小雅
 大雅
 周頌
 魯頌
 商頌
という
 国家儀礼用の音楽についた歌詞
なんだが、出典で出てくると
 またか、雅頌
という感じで、どうも好きになれない。民謡を集めた「国風」はともかく、演奏を聴いて、眠くなること必至といわれる雅頌。
いつまでも嫌っていてもしょうがないので、まずは
 篇名の書き出し
から始める。どのくらい雅頌が嫌いだったかといえば、
 全篇名の内、いくつか単語登録漏れがある
辺りで明白だ。篇名が登録されてないということは
 読んでない
ってことですからね、ええ。

一応、だらだら書き写した(not コピペ)した篇名を載せておきますよ。
この後、気が向いたら『毛詩』鄭箋で読んでいく予定。

小雅
鹿鳴之什
鹿鳴
四牡
皇皇者華
常棣
伐木
天保
采薇
出車
杕杜
魚麗
南陔

南有嘉魚之什
南有嘉魚
南山有臺
由庚
蓼蕭
湛露
彤弓
菁菁者莪

鴻鴈之什
鴻鴈
庭燎
沔水
鶴鳴
祈父
白駒
黃鳥
我行其野
斯干
無羊

節南山之什
節南山
正月
十月
雨無正
小旻
小宛
小弁
巧言
何人斯
巷伯

谷風之什
谷風
蓼莪
大東
四月
北山
無將大車

甫田之什
甫田
大田
瞻彼洛矣
裳裳者華
桑扈
鴛鴦
頍弁
車舝
青蠅
賓之初筵

魚藻之什
魚藻
采菽
角弓
菀柳
都人士
采綠
黍苗
隰桑
白華
緜蠻
瓠葉
漸漸之石
苕之華
何華不黃

大雅
文王之什
文王
大明

棫樸
旱麓
思齊
皇矣
靈臺
下武
文王有聲

生民之什
生民
行葦
旣醉
鳧鷺
假樂
公劉

蕩之什


桑柔
雲漢
崧高
烝民
韓奕
江漢
常武
瞻卬
召旻

周頌
清廟之什
清廟
維天之命
維清
烈文
天作
昊天有成命
我將
時邁
執競
思文

臣工之什
臣工
噫嘻
振鷺
豐年
有瞽


載見
有客

閔予小子之什
閔予小子
訪落
敬之
小毖
載芟
良耜
絲衣



魯頌
駉之什

有駜
泮水
閟宮

商頌

烈祖
玄鳥
長發
殷武

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2019-07-04

Wikisourceに『古今圖書集成』が入ってた件

ああ、吃驚。

必要があって、『望氣經』を調べていたら、

 Wikisourceに『古今圖書集成』が入っている

のを発見。どのくらい入ってるのか知らないけど、校正してない翻字付。

テクストの電子化、中国はどんどんぶち込んでくるぜ。

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2019-03-24

『四部叢刊』がダウンロード出来るようになっていた件

あらびっくり。
『四部叢刊』が無料でダウンロード出来るようになってるじゃないの!
原稿の校正をしていて、4bu
 『説文解字』『四部叢刊』本
をググったら、Wikimedia commonsに落ちているのを発見。
というわけで、中国学の院生が泣きながら数十万円を貯めて、『四部叢刊』を買う時代は終わったらしい。

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2019-03-21

【メモ】Winternitz: A History Of Indian Literature

Winternitz : A History Of Indian Literature Vol.1-3
がarchive.orgにおちていた。

PDFで3冊落とせる。

日本語訳は、中野義照訳が以前出ているが、次の通り。
インド文献史〈第1巻〉ヴェーダの文学
インド文献史〈第2巻〉叙事詩とプラーナ 以上がVol.1
インド文献史〈第3巻〉仏教文献
インド文献史〈第4巻〉ジャイナ教文献 以上がVol.2
インド文献史〈第5巻〉インドの純文学
インド文献史〈第6巻〉インドの学術書 以上がVol.3

続きを読む "【メモ】Winternitz: A History Of Indian Literature"

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2018-07-13

国会図書館デジタル化資料渡邉昶(奎輔)著『淡海魚譜』の書入の一部が撮影に失敗している件

国会図書館デジタル化資料には散々お世話になっている。
最近は一括ダウンロード機能も装備されて、使いやすくなった。
原色で写本や稿本、版本が見られるのはありがたい。

ところで、写本や版本には
 書入
といって、その時の所蔵者が自分の意見を墨で直接書き入れていることがある。欄外に直接書く場合もあるし、別紙に書いたものを貼り付ける場合もある。国会図書館デジタル化資料として公開されている
 渡邉昶(奎輔)著『淡海魚譜』
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2538222
は、小島宝素が自分で写した写本に、別紙に書いたコメントを貼り付けているのだが、
 紙が折れたまま撮影されたために、書入が読めない箇所が4箇所
あるのを見つけた。
 6葉裏〜7葉表
 10葉裏〜11葉表
 17葉裏〜18葉表
に当たる箇所に貼り付けられた4つの書入だ。
6
10
17
う〜ん、実に残念だ。すぐには再撮影はしないんだろうから、
 見えないところを読みたい時は、直接国会図書館に行って、「紙が折れていて書入が読めないので、原本を閲覧させて欲しい」と請求
しないといけないじゃんね。ただ、web公開されているので、すんなり直接閲覧の許可が下りるかどうかは不明。

納品時の検品で見落としたのだと思うけど、
 書入には重要な情報が含まれていることがある
ので、
 業者の責任で、きちんとした撮影する/発注者もちゃんと確認する
ことを徹底して欲しいものだ。

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